判断能力が低下した高齢者の口座凍結問題に新指針!「認知症とお金の問題」最新事情

2021/03/04

「親族も出金可能に 認知症患者の預金」
「認知症家族 本人の預金おろしやすく」

先月18日、全国銀行協会(全銀協)は認知判断能力が低下した高齢者の預貯金に関して、代理権を持たない親族であっても、条件付きで本人の代わりに
入出金が可能とする「考え方」を発表しました。

この発表をうけて、新聞やニュースサイトでも
上記のような見出しで報道が行われました。

これまでは、認知症を発症し判断能力が失われると、
本人はもちろん、家族であっても原則として
窓口での振り込みや引き下ろしができなくなり、
結果的に預金口座が凍結状態となります。

今回の発表によって、認知症によって意思能力が低下した
本人の預金口座を親族が入出金できるようになるのでしょうか。

そこで、今回のコラムでは、
全銀協の預金口座に対する新たな見解を紐解きながら、
認知症とお金の問題を解決する家族信託の活用法についてご紹介します。

結論からいうと、新指針が発表されたからといって、
現時点ですぐに口座凍結のリスクが解消されたわけではありません。

では、そもそもなぜ、全銀協が今回の指針を発表することになったのでしょうか。
その要因として、認知症患者の増加を含む社会情勢の変化が挙げられます。

国内の認知症の罹患者は2025年には約700万人にまで拡大するといわれ、
65歳以上の約5人に1人は認知症になる時代が迫っています。

さらに、認知症の罹患者が保有する金融資産額は
2030年に215兆円に達するとされています。
実に現在の国家予算の約2倍にあたる、とてつもない金額です。

その一方で、こうした「認知症とお金」の問題に対する解決策として
金融機関が推奨している「成年後見制度」の利用は、
認知症罹患者の5%にも満たない状態です。

これを踏まえ、今回の「考え方」が示されました。

ただ、今回の発表は、あくまでも窓口対応の参考となる考え方であって、
現時点でどこまで実行力があるのか未知数です。

また、この内容がただちに全国の金融機関で運用されるものでもありません。

全銀協の担当者によると、現状では各金融機関で以前からあるマニュアルをもとに
個別で判断されおり、この見解がすぐに反映されるわけではない、としています。

実際に、ある都市銀行に問い合わせたところ、
マニュアル改定の動きはなく、現場はこれまでと変わらない対応となるようです。

あくまで成年後見制度の利用が基本であり、現時点では、
代理権のない親族からの取引は「極めて限定的な対応」であると述べられています。

さらに、代理権のない親族の取引が認められたとしても、その用途は「認知判断能力を喪失する以前であれば、本人が支払っていたであろう本人の医療費等の支払い」としており、
自由に使えるわけではありません。

ただ、全銀協の見解が出されたことで、
口座凍結問題の解決に向けて一歩前進になったことは間違いありません。

これから認知症患者が増えてくることを考えれば、
より柔軟な対応をしてくれる金融機関が増えてくることが考えられます。

このように預金について、一歩前進はしましたが、
不動産や有価証券などの財産については、問題が残っています。

意志能力が失われてしまうと、契約行為ができなくなるので
自宅やアパートといった不動産や有価証券の売買ができなくなるのです。

たとえば、老人ホームに入居して空き家となった自宅も、
ご両親が認知症になってしまうと売却することができません。

この不動産や有価証券などの財産管理については、
家族信託を活用することがおすすめです。

家族信託は、万が一、親が認知症になった場合に、
本人の財産を介護費用などに使えるよう、
子どもなど信頼できる人に財産の管理を任せることができる制度です。

この制度を利用することで、信託された現金はもちろん、
自宅の売却についても、
託された権限の範囲内で実行できます。

売却資金は老人ホームの入居費用にあてるなど、
両親の生活のために使うことができるようになります。

ただ、家族信託は認知症とお金の問題に効果を発揮しますが、
認知症になってからでは、制度を利用することはできません。

ご両親が健康なうちに、これからも豊かな生活を過ごすため、
どのような準備を進めるべきかを、ご家族で話し合うことが大切です。

今回、口座凍結に関して、新たな指針が発表されましたが、
すぐに対応が変わるわけではありません。

4年後には高齢者が5人に1人が認知症にある時代が訪れます。
他人事ではないご両親の認知症とお金の問題について
ご家族で集まる機会に検討されてみてはいかがでしょうか。

日本財託 資産コンサルティング部アセットプランニング課 
家族信託コンサルタント 横手 彰太(よこてしょうた)

◆ スタッフプロフィール ◆
鹿児島県阿久根市出身の49歳。
認知症とお金の問題を解決する専門家。
相続対策や法人設立、家族信託など、お客様の資産を守り増やしていく提案を行っています。

最近のこだわりは、質のいい睡眠です。10冊専門書を読んでの結論。睡眠不足は病気を近づける。睡眠不足で命を削ってはいけない。ということで、9時半に寝て、5時半に起きる生活を実行しています。

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