引っ越しの手を止めたものは
2019/06/13
3歳と2歳の息子たちが元気に歩き回るようになり、部屋が手狭になったため、今年4月、新居に引っ越しをしました。
新生活が始まってしばらくは、子どもが慣れない環境に珍しく夜泣きをしたり、主人も気疲れからか毎週末に熱を出したりと、落ち着かない日々が続きました。
部屋に積み上がったダンボールを片付けはじめたのは、ゴールデンウィークに入ってからです。
『残った段ボール箱もあと数個だけ』
そう思って段ボールを開けたときでした。
見覚えのある青い大きな袋の中に、さらに小分けされたビニール袋が出てきました。
そこには、書きなぐった文字が並んでいます。
「50センチ~新生児・冬」
「60・70センチ~つなぎの長そで・春秋」
「80センチ~半そで半ズボン・夏」
長男と次男が成長過程で着てきた、思い出のたくさん詰まった子ども服でした。
片付けの手は完全に止まり、一つひとつの洋服に宿る思い出が次々と蘇ってきたのです。
次男は食べるのが大好きな子だったのでつかみ食べも大迫力。
子供用のエプロンが役に立たないほど、ニンジンやトマトの汁、なかなか落ちないミートソースを全身にこぼしながら食べ進めます。
洗うのが大変だなーと思いましたが、美味しく食べてくれたのだと思うとひとつひとつの食べこぼしが愛おしくてたまらないのです。
また年子育児で、常におんぶしていた次男を背中にくくっていたおんぶ紐は、どこへお出かけしても必ず持ち歩いていたので何度も洗濯して色あせています。
もう使わないものばかりですが、一緒に刻まれた思い出が重なって捨てる事ができません。
クタクタになったものもあるので気が引けましたが、出産を控えている知人や友人に声を掛けると、思っていたよりすぐ引き取り手がつき、喜んでもらえるなら、とお下がりとして譲ることになりました。
長男から次男にお下がりされた服を、今度は次男がお別れする番です。
「このアンパンマンの服、赤ちゃんにあげていい?」
『これ!!あっくんの!!』
「もう、あっくんはとっても大きくなったから小さいお洋服は他の赤ちゃんに着てもらおうね。にっこりバイバイできるかな」
次男は残念そうでしたが、最後に1回着てみて小さいことをちゃんとわかってくれました。
『アンパンマン、ばいば~い、またあしょぼうね~』
説明をすれば、納得できるようになった次男の姿からも、大きくなったことを嬉しく感じることができました。
つい2、3年のことですが体だけでない、心の成長スピードの速さにも驚かされます。
段ボールも片づけて、スッキリした新居ですが、今後も息子たちの生まれた頃を思い出せるように譲った洋服やおんぶ紐は写真をとって保存しています。
ただ、次男は小さくなったミッキーのサンダルだけは手放せない様子。
こちらは、譲れないほどに真っ黒になって擦り切れているため、心の整理ができるまで思い出と一緒に大切に靴箱にしまっておこうと思います。
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都練馬区出身。
デジタルマーケティング課に所属し、ネット広告への出稿やウェブサイトのデータ解析、顧客管理システムの運用・管理を行っています。
洗濯後のポケットから動かないダンゴムシが出てきて以来、子どもの服を洗うときにはポケットをよくよく裏返してチェックするのがすっかり習慣になりました。