仲間と共に超える10数年の壁
2019/09/12
数年前の日本代表と同じユニフォームで試合に出ていた長澤さん
『うちのラグビー部に入部しないか?』
高校入学時に担任となった先生が、ラグビー部の顧問をしていました。
先生は選手として、3年連続でラグビーの聖地『花園』のピッチに立ち、優勝も1度経験された実績のある先生でした。
その先生から、入学直後から熱心に誘ってもらったのです。
父のラグビー好きが高じて、小さいころから試合を見ていたこともあり、ルールは知っていました。
ただ、実際にラグビーをやろうと思ったことはありませんでした。
激しくぶつかり合うスポーツで、ケガはつきものでしたし、自分がプレーしているイメージなどは持つことができなかったのです。
そのため、先生からの誘いは断り続けてきました。
『いやー首の短さがフォワードに向いてるんだよなあ』
『肩幅も広くて、当たり負けしなさそう』
それでも、先生は諦めず、毎日のように私を褒めながら誘い続けます。
その熱意に負け、入学から2週間たつ頃には部活の見学を経て入部してみることにしました。
ラグビーを始めてみると、もちろん走ったり、ぶつかったりと、大変なことは多いのですが、それ以上に、魅力がたくさん詰まったスポーツだと気づきました。
それは、フォワードというポジションを任され、最前列で、8人でスクラムを組んで相手に向かっていくことや、誰がどこからでもトライを狙いに行けるダイナミックさです。
また、中学はテニスをやっていましたが、ラグビーは初めての「チームスポーツ」でチーム一丸となって練習し、試合に臨むことにのめりこんでいったのです。
しかし、私が入部した高校は、過去、何度も何度も跳ね返されてきた壁がありました。
リーグの入れ替え戦です。
岩手県の高校ラグビーは3つのリーグに分かれていて、私たちは真ん中のリーグの上位にいました。
トップリーグに所属する8チームは、下位のチームとは実力に差があり、滅多なことでは入れ替え戦で負けることはありません。
私の高校はもう10数年昇格できておらず、先輩たちもその厚い壁に阻まれてきました。
その姿を応援席で見てきたからこそ、『今年こそはトップリーグに上がる』という目標にチーム一丸、目指して朝から晩まで練習に励んできました。
その結果、春に行われた市の大会では、トップリーグに所属するチームを破り優勝!
勢いに乗った私たちは、夏に行われた県の大会で、トーナメントを勝ち抜き、入れ替え戦でも大差をつけてリーグ昇格を決めました。
高々と蹴り上げられたラグビーボールがサイドラインを超え、審判がかき鳴らしたホイッスルを合図に、チーム全員で抱き合いました。
試合後には、部員だけではなく、応援団や親御さんたちも加わり、集合写真を撮りました。
その写真は、いまだに実家に飾られています。
今月末には、4年に1度のラグビーワールドカップが開催されます。
試合はもちろんですが、私はいちボランティアとしても大会に携わり、盛り上げていきたいと思っています。
相手は日本よりも実力が上のチームばかりですが、4年前の南アフリカ戦のように、日本のラグビー界にとって歴史に残るような試合をしてくれることを期待しています。
日本財託 マーケティング部デジタルマーケティング課
長澤 力(ながさわりき)
◆ スタッフプロフィール ◆
岩手県盛岡市出身の33歳。
マーケティング部デジタルマーケティング課に所属し、
ホームページの管理、顧客管理システムの開発などを行っています。
今年、長男が誕生しました。
残念ながら今年のW杯は一緒に観戦できませんが、
4年後フランスで開催されるW杯は現地で一緒に観戦したいと思います。