みんなで乗り越える60時間
2019/09/19
気温も上がり始めた昨年の7月上旬、第一子が誕生しました。
しびれる右手をさすり、妻と生まれてきたばかりのわが子を見て思うのは、「長かった」でした。
一昨年の秋の終わりごろに妻の妊娠が判明しました。
「顔はどっちに似ているかな」「名前はやっぱりこれがいいかな」と育児の準備を進めながら交わす夫婦の会話は、出産後のことばかりとなっていました。
そして、出産予定間近の日曜明け方。
いよいよ、陣痛が始まりました。
破水もあり、すぐに病院に連絡し、向かいます。
「日曜日中には生まれるかな」
その時は、不安な気持ちを残しつつも、まだ楽観的な気持ちではいました。
しかし、その期待は裏切られ、ここからが大変だったのです。
病院につき、陣痛は続くものの、そこからいっこうに進展しません。
痛みに耐える妻を目の前に、私ができることは、妻の背中をさすって痛みを紛らわせてあげることくらい。
朝から始まり、気が付けば日が暮れ始めています。
そのまま夜を迎えても、状況は変わらず、仮眠をとってまた背中をさする。
徐々に手の感覚もなくなり、逆に膨らむのは不安ばかり。
そのまま朝を迎え、丸1日が経過しました。
「明日だめなら帝王切開かもしれない」
しかし、月曜もそのまま状況が変わらず、2回目の夜を迎えるころに、そのような診断を受けたのです。
初めてのことで、妻も私も不安が募り、次第に疲れがピークに達し始めていました。
「絶対に私が赤ちゃんを取り上げるから!頑張ってね!大丈夫!」
そんな時に顔を出してくれるのは、10年前から妻を診察してくれている先生でした。
病院に着いてから、忙しい合間を縫って、何度も明るく声をかけに来てくれたのです。
その言葉に勇気づけられ、「もう少しだけ頑張ってみよう!」と夫婦ともに笑顔が出てきました。
そして、陣痛からおよそ2日半。
60時間以上かかって、無事に出産することができました。
妻の第一声は、「本当にありがとうございます」「頑張って生まれてきてありがとう」と先生や子供、そして私への感謝の言葉でした。
その時に改めて、たくさんの人の協力があったことを実感しました。
私も不安から解放され、周囲の方へ感謝を伝え、妻と子供の誕生を喜びました。
妻の背中をさすり続けた右手は、その後数日はしびれていましたが、今となっては良い思い出です。
これからは親子3人、感謝を忘れずに笑顔の絶えない家庭を築いていきたいと思います。
日本財託 事業部仕入開発課 前田 武夫(まえだたけお)
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県逗子市出身の32歳。
仕入開発課に所属し、立地や利回りなどの条件を厳選して、入居者が付く優良な投資用マンションを仕入れています。
最近は家族3人で広島・函館など、国内旅行に行くことが多いです。
家族で海外旅行へ行くために500円玉貯金を始めました。