半分残されたペペロンチーノ
2020/02/13
「お店の外観を見て電話しました」
大学に進学して、最初に行ったことが、アルバイト探しでした。
何をしようか漠然と考えていたときにたまたま通った路地の途中で、まるで木の中に扉があるような不思議なたたずまいのお店がありました。
あまりに気になってしまったので、すぐに電話してアルバイトを募集していないか聞いてみたのです。
アルバイトの募集はしていなかったものの、たまたまキッチンに欠員が出るということで、入れ替わりで雇ってもらうことになりました。
『立川るもん』という洋食屋のそのお店は、60歳くらいの料理長を中心に、10数名ほどの従業員が働いていました。
私はキッチン担当でしたが、これまでの人生で、まともに包丁を持ったこともなく、調理器具の名前を覚えることもひと苦労。
1年ほどが経ち、徐々に仕事を覚えていくと、魚やお肉などを使った8000円のコース料理の『メイン』も作らせてもらうようになりました。
できることが増えていくにつれ、料理を作ることにのめりこんでいき、他のお店で食べた料理の盛り付けなども参考にすることもありました。
しかし、いろいろと任せてもらえることに思いあがってしまい、それが大きなミスへとつながってしまいました。
2年が経とうとしていたある週末のことです。
予約もたくさん入り、キッチンは慌ただしい時間を迎えていました。
「このパスタ、全然食べられてないぞ」
見てみると、少し前に私が作ったペペロンチーノが半分ほど残った状態だったのです。
血の気が引き、残りを食べてみると味がほとんどしません。
分単位で入る追加の注文に対応するため、調理をしていたペペロンチーノの味見をせずに提供してしまいました。
いつも作っているから大丈夫だろうと、高をくくってしまっていたのです。
「ここはちゃんとしようよ」
いつも温厚な料理長の顔には笑みもなく、怒鳴ることはありませんでしたが、鋭く静かに私を見つめていました。
そして次の日、まったく同じペペロンチーノを作る機会がありました。
もう、同じミスは許されません。
アルバイトを始めて以来、一番緊張した瞬間でした。
「パスタ美味しかったです」
顔なじみのお客様でしたが、『美味しかった』のひと言に安心することができました。
それ以降は気を抜くことはなく、大学を卒業するまで働かせていただきました。
最初はただ単にアルバイト代だけを目的に考えていましたが、そのまま飲食で働くことも良いのでは、と考えてしまうほどに、充実した日々を送ることができたのです。
現在は当社の、コンサルタントとして、最適な資産形成のプランをお客様に日々ご提案をしています。
先日も資産運用EXPOという大きなイベントがありました。
たくさんのお客様が当社のブースにも来場され、お客様のとの面談の連続でしたが、時間のない中でも1人ひとりに合ったプランのご提示を心がけました。
もちろん1年目ですので、ほかの先輩社員のようにはいきませんが、お客様にとって最高の提案ができるコンサルタントになれるよう、気を抜かず邁進していきたいと思います。
日本財託 資産コンサルティング部 花房 志磨(はなぶさしま)
◆ スタッフプロフィール ◆
広島県安芸郡坂町出身の24歳。
資産コンサルティング部に所属し、不動産投資で失敗をする方をひとりでも多く救うため、お客様に最適な情報をご紹介しています。
『るもん』には今でも足を運びます。
また、少しでもお店の力になれるよう知人に紹介もしています。
立川に寄った際には、ぜひお店を覗いてください!