非日常体験と一期一会の出会い
2020/02/20
「チケットあげるよ」
高校1年生のころ、兄からあるサッカーの試合のチケットを貰いました。
それは地元柏市のサッカーチーム、『柏レイソル』の試合です。
もともと実家の近くにスタジアムがあり、小さいころから父に連れられて観に行く機会はありましたがその当時はあまり面白さがわかりませんでした。
しかし、兄からもらったチケットは熱狂的なサポーターが肩を並べるゴール裏の席。
最初はその勢いに驚かされましたが、気が付けば、その魅力にどっぷりハマってしまっていました。
それからというもの、ホームスタジアムを中心に関東圏で試合があるときには足を延ばし、大学生になってからは北海道から九州まで、全国どこにでも応援に行くようになりました。
とはいえ、学生ですからお金がたくさんあるわけではありません。
ある時は夜行バスで会場に向かい、またある時には、空港に前泊し、朝イチのLCCで現地へ向かうなど、節約しながら遠征を続けていたのです。
札幌で観戦した試合では、試合以外の滞在時間は約3時間ほど。
しかも、試合は0-3の惨敗。
「こんなにお金を使って、何しに来たんだろう」
当然、目の前で起こっているのは勝負事ですので、負ける試合も多く、周囲からは、『負けるかもしれないのに、よく行くね』とも言われました。
それでも会場に駆けつけるのは、日常では味わえない気持ちを経験できるからです。
あまり勝負事が好きではなく、高校進学を境に部活は入っていませんでした。
しかし、応援しているチームが目の前で勝てば、隣にいる知らないサポーターとハイタッチをしたり、負けた時には、悔しくて涙を流すこともあります。
きっと柏レイソルを追いかけていなければ、こんな気持ちとは無縁の生活をずっと送っていたと思います。
それから、もうひとつ、この趣味をきっかけに手に入れたことがあります。
それは、『一緒に応援する仲間』です。
SNSをきっかけに、私と同じく柏レイソルを応援する同い年の女の子と知り合いました。
そして、徐々に輪が広がっていき、年の近い男女7人のグループに。
住んでいる場所も違えば、性格も違い、なかにはサッカー観戦を通じていなければ、出会っていなかったと思えるような子もいます。
そんな仲間たちと計画を立て、全国を飛び回った経験は学生時代の大きな思い出になりました。
しかし、ひとり、またひとりと学生を卒業し、次の4月を迎えれば、1人を残して6人が社会人になります。
当然、学生時代のように、7人が揃って試合を観戦することもなかなかできなくなると思うと、少し寂しく感じます。
とはいえ、何歳になってもこの関係は変わりませんし、この7人であれば、サッカーでも、サッカー以外でもたくさんの思い出を作っていけると思っています。
仕事でもそうですが、このような一期一会を大切に、過ごしていきたいと思います。
日本財託 経理部 城戸 歩野花(きどほのか)
◆ スタッフプロフィール ◆
千葉県柏市出身。
経理部にて決算の取りまとめや会計情報の分析を行っています。
社会人生活にも慣れてきたので、一昨年以来のレイソルの年間チケットを復活させました。
去年は全く行けなかった遠征も、今年は行きたいと思っています!