大親友の母の教え
2020/10/15
母と私の関係はひと言でいうと「大親友」です。
中学校の教員をしていた母は多忙の身でしたが、
子どものころは、休みとなるといつも一緒に買い物や旅行に出かけていました。
いまでも毎日、何かあるたびにLINEで連絡。さらに週に1回は必ず電話をして、
1時間以上、近況報告に花を咲かせています。
一方で、礼儀作法には人一倍厳しく、
『常に謙虚でいること』など、人としての在り方を教わりました。
いつも優しく笑顔で、言うべきときにはハッキリと言う。
そんな母のことが大好きですし、尊敬もしています。
しかし、過去に一度だけ、母を悲しませてしまったことがあります。
中学生のときのことです。
当時は反抗期真っただ中。バスケットボール部に所属していましたが、
顧問の指導は厳しく、心の内にストレスが溜まっていました。
中学3年の春、顧問が他の学校に異動となり、環境は一変。
これまでの反動で部活動もサボりがちになり、
先生にはしばしば反抗的な態度を取るようになりました。
ある日の放課後、興味本位で友人たちと髪を染めたことがありました。
帰宅後、母は私の髪を見るなり、
「何をしているの!」
と一喝。洗面所に直行し、すぐさま黒色に染め直すことになりました。
何を言ってもむすっと黙っている私に対し、
母も困り果てていたのでしょう、黒染めをする間、終始無言でした。
染め直した後、不自然なまでに黒くなってしまった私の髪を触り一言、
「綺麗な黒髪だったのに...」
とこぼし、これまで見たことがないくらい悲しそうな表情をしていました。
そんな母の顔を見ていると、これまで愛情いっぱいに育ててくれたことを
すべてを裏切ってしまったような気持ちになりました。
「本当にごめんなさい」
言葉にはしませんでしたが、心の中で何度も謝ったのを覚えています。
自分の軽はずみな行動が、他人を深く傷つけることもある。
母との出来事は私を変えてくれました。
自分の行動が周囲にどのような影響を与えるかを意識し、
人が笑顔になるにはどうしたらよいのかを日々考え、実行するようになりました。
現在の人事総務の仕事では、『どうすれば社員が働きやすいか』ということを自然と考えて業務ができており、他の社員からも感謝されることもあり、
自分自身にもプラスになっていると感じています。
こうした他人目線で物事を考えるという姿勢は、
母が常々言っていた『謙虚さ』のことだったのだと、
実感する日々です。
今後も「大親友」が教えてくれたことを胸に、
周囲の人を笑顔にしていきたいと思います。
日本財託 人事総務部
重吉 香穂(しげよし かほ)
◆ スタッフプロフィール ◆
石川県小松市出身。
人事総務部に所属し、社員の給与計算や勤怠管理などを行い、社員が安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。
最近はキャンプにはまっており、山中のキャンプ場でテントを張って、自然の中で日々の疲れをリフレッシュしています。