クセの強い店員さん
2021/01/14
コロナ前、友人とともに飲食店巡りを楽しむ青柳さん
私は食べ歩きやお酒が好きで、通り沿いのおしゃれなお店というよりは、
路地裏にあるような昔ながらの個人経営の飲食店がお気に入りです。
そういったお店には決まっているのが、こだわりのある「クセの強い」店員さん。
最初は、変な人だなぁと思うこともありますが、
その裏には「お客さんにおいしいものを食べてもらいたい」という熱い気持ちがあり、
常連さんでにぎわうアットホームな雰囲気に、
いつの間にかついつい足を運んでしまうのです。
そんな「クセの強い」店員さんで特に思い入れがあるのが、
葛飾区の京成立石駅近くの鶏料理のお店です。
初めて訪れたときは驚きの連続でした。
常連客でにぎわう店内には「下町のおばちゃん」といった雰囲気の店員さんが4人。
入店前に2軒食べ歩いていたこともあり、おつまみだけ頼もうとすると、
店の名物である「鳥の半身揚げ」のメニューを指差し、
「これは絶対に頼んでもらわないと困るのよ!」と一喝されたのです。
その後もおつまみを断ろうとするも、「これがおすすめだから!」と
勝手に料理を決められてしまいます。
「とんでもないところに来てしまった」
胸中は戸惑いでいっぱいでした。
そして最初に出された料理は鳥刺し。
残してはならないというプレッシャーを背に、口に運びます。
その瞬間、鶏肉のまろやかな旨味が押し寄せ、唐辛子やネギが刺激となって絶妙なバランスで合わさり、醤油の強いポン酢が全体を引き締めます。
私は萎縮していた気持ちも忘れ、店員さんに向かって思わず
「これ、とてもおいしいですね!」と声を掛けました。
店員さんはにやりとひと笑いし、
「だろ?何十年も前からおいしいって食べてくれる人がいるくらいさ」
と胸を張ります。
このやり取りを皮切りに、あれほど緊張していたのが噓のように会話が弾み、
気が付けば常連さんも交えて一つの家族のような空間が出来上がっていました。
確かに当たり障りなく丁寧に接客をすると、よりお客さんも増えるでしょう。
しかし、「料理でお客さんを喜ばせる」という信念を持ち、
突き詰める愚直さが、人の心をつかみ魅了するのだと感じました。
日本財託に中途入社して1年。
営業をサポートする立場として、人から仕事を依頼されることが多々あります。
この店員さんのように、小手先で対応するのではなく、
真正面から仕事と向き合い、人と向き合うことで、信頼を得ていきたいと思いました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、今は気軽に店に顔を出すことが
できませんが、コロナが終息し、また店員さんとともに笑い合える日を楽しみにしています。
日本財託 事業部事務管理課
青柳 理沙(あおやぎ りさ)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都中央区出身。
事業部事務管理課に所属し、契約時に、販売物件に関する書類や契約書の作成を行っています。
最近衝撃を受けたのは、和歌山県出身の知り合いから教わったみかんの「和歌山むき」。素早くきれいにむけるのでおすすめです。