自分が出会った「良い指導者」を目指して
2021/06/24
写真は教育係を担当する堀さん(右)と新人の中岡さん(左)
「いま新卒が目の前に来てるんだから怒らせるんじゃないよ!」
新卒で入社したのは、全国に数百店と支店のある大手金融機関でした。
1週間ほどの地獄の研修を終え、エリアのキー店舗となる埼玉県の大型店に配属。
緊張しつつ支店の中に入ってみると、他を圧倒するような統括部長の怒号に
いきなり面を食らってしまいました。
『大卒の同期には絶対負けない』
私自身、専門学校卒で年上の同期には後れを取りたくないという思いと、
実績を出せば、若手でも支店長を任せてもらえる会社の慣習に
強く意気込んで仕事に取り組みました。
しかし最初に与えられた仕事は、当時特に新規顧客獲得の施策として
力を入れていた "ティッシュ配り"です。
「よろしくお願いします!」
朝から街に出て、通勤中のサラリーマンや主婦を中心に、
1日に5~6時間ほど毎日、毎日配り続けました。
入社から3カ月ほど経った頃の研修で同期と再会する機会がありました。
「俺は電話営業を任されるようになった」
「今度、先輩の訪問に同行するんだよね」
上昇志向が強く結果を出している同期と比べ、
自分はティッシュ配りしかできていない現状が、
悔しくて、悔しくてたまりません。
研修が終わった後も、またティッシュを配り続ける毎日です。
同期が活躍している姿を想像すると、いてもたってもいられず、
ついに先輩と交代するタイミングで声を荒げてしまいました。
「私、もうティッシュ配布したくないですよ!」
先輩は静かに私の話を聞き、落ち着いたタイミングで語りかけてくれました。
「堀君が毎日ティッシュ配布をしてくれているお陰で新規のお客さんが増えていると
支店長や統括部長は褒めているよ。いや支店皆がとても感謝している。
気持ちは分かるけど、支店のメンバーには役割があり、
特に大きい店舗なので仕事がキッチリ分かれている。
堀君もじきに専門の業務を任されるはず。だからそれまで一緒に頑張ろう」
私は仕事を与えてもらえないことに"期待されていない"と
勘違いをしていたことに気づかされました。
それからほどなくして、新しい仕事にも携われるようになり、
休みに目もくれず没頭しました。
1年が過ぎるころには1人前の戦力として認めてもらい、
さらに半年が過ぎるころには別の支店の支店長へと活躍の場を広げました。
同期のなかでは、1番最初の支店長抜擢。
これまでの努力が実った結果でした。
今でこそ、仕事の場では適材適所に仕事の役割が与えられると理解していますが、
当時はとにかく早く1番になりたいという気持ちが先行してしまい、
冷静に自分の役割を考えることができなかったと反省しています。
ただ、私は良い先輩、良い指導者に恵まれたおかげで、
今の自分があり、仕事ができていると感じています。
だからこそ、新人社員の教育係を任された今年は、
特に強い使命感に駆られています。
新人時代は、人生に一度しかなく、そのときの出来事は
今後の人生の仕事観を決めてしまうかもしれない大事な時期です。
後輩が、これから社会人として成長していく過程で、
目の前の短期的な考えに惑わされず、視野を広く前向きに頑張ってもらえるような教育を
私自身が指導できるように頑張っていきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理受託部 堀 正明(ほりまさあき)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県久喜市出身の38歳。
管理受託部に所属し賃貸管理でお困りのオーナー様や管理を検討しているオーナー様に寄り添い
一番良い運営が出来るようアドバイスを行っている。
来年小学生になる娘のランドセル選びに「赤」を勧めるも予想外の「ピンク」の回答に
何が何でも色と気持ちを変えられるよう妻と奮闘中。