おばあちゃんを想う気持ちそのままに
2021/09/09
祖母(左)と写真に納まる関根さん
私は主に家族信託のコンサルティングを担当しており、
仕事柄、高齢の親御様とご面談をしたり、
50代のお子様世代からご相談を受けたりする機会が数多くあります。
とりわけ、日常生活を一人で送れているかどうかなど、
親御様の体調面の話は念入りにするようにしています。
その理由は、私の祖母のとある出来事が関係しています。
祖母は秋田在住で、今年で93歳。穏やかで優しい笑顔が印象的な女性です。
幼少期から高校生のころまでは毎年お盆とお正月に帰省していましたし、
今でも私の誕生日になるとお祝いのメールをくれ、今年は手書きの年賀状ももらいました。
そんな仲の良い祖母ですが、最後に会ったのは2018年末、妻と結婚のあいさつのとき。
コロナ禍もあり、その後はずっと顔を見られていませんでした。
高齢の祖母は足腰が弱く、家の中でも手押し車が必要ですが、一方で頭はしっかりしており、特に昔のことについては私よりも、こと細かく覚えているほどです。
そうしたこともあり、直接会えない日々は少々寂しくはありましたが、
元気でいてくれているだろうと思っていました。
「おばあちゃんが倒れて今、病院に行っている」
今年の春先、突然母から電話がありました。
「え、大丈夫!?」
聞くと、祖母が夜中にトイレへ行く途中で転倒し、頭を強打したとのこと。
血の気がさっと引いたのを覚えています。
詳しく話を聞くと、同居していた叔母が大きな物音に気付き、倒れて血を流している祖母を見つけて病院へ直行。
検査の結果、幸いにも重大な怪我にはならなかったようでした。
(無事でよかった...)
ほっと胸をなでおろしました。
そして思い浮かんだのはお客様から聞いた話です。
高齢でも元気だった両親が怪我で入院した途端、
判断能力が低下してしまったというケースです。
(もし叔母さんが一緒に住んでいなかったら、
物音に気付かず発見が遅れていたら、打ちどころが悪かったら...。)
大事には至らなかったとはいえ、そうした事態は十分あり得ました。
想像するだけで背筋が凍ります。
元気だった高齢者がちょっとしたことで認知能力が低下してしまうといったことは、
今まではあくまで第三者から聞いた内容でした。それが身内に起こったことで、
誰の身にも降りかかる可能性があると実感させられたのです。
それと同時に、自分が携わっている仕事の意義を再確認した出来事となりました。
いまコロナ禍で高齢者が外出する機会が減り、両親や祖父母の判断能力が一気に低下しているにも関わらず、家族がなかなか会えないことで、そうした変化に気付かないケースが
散見されます。
先日、祖母と連絡を取った際は元気な声を聞かせてくれましたが、
今後もそうだとは限りません。コロナが落ち着いたら必ず会いに行こうと思います。
祖母を想う気持ちをそのままに、
日本中で起こりうる老後の問題で困る人を少しでも減らすため尽力していきたいです。
日本財託 資産コンサルティング部アセットプランニング課
関根 純(せきね じゅん)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県さいたま市出身の30歳。
資産コンサルティング部アセットプランニング課に所属し、
相続対策や家族信託など、お客様の資産を守り増やしていく提案を行っています。
最近お腹周りが気になり、妻と一緒にランニングを始めました。
次の健康診断までにマイナス3キロを目標に継続していきたいと思います。