17年の粘り勝ち
2019/12/05
『私の粘り勝ちね』
今年の正月、結婚の意思が固まり彼女に伝えると、普段通りの笑顔を浮かべながら、つぶやきました。
私と妻が出会ったのは、もう17年も前のこととなります。
金融関係の前職で、地元神奈川の支店で働いていたところ、その隣の支店に新卒として配属されたのが彼女でした。
異動の多い職場ということもあり、頻繁に環境が変わったのですが、あるとき2カ月間だけ彼女と同じ支店で働く機会がありました。
その時、仲の良い5人グループが出来上がり、彼女もその一員でした。
私が30歳になったころ、今度は長野への転勤が決まりました。
全国に支店があるとはいえ、縁もゆかりもない土地での生活。
仕事を終えて慣れない我が家に帰っても、どこか疲れが取れない日々。
知り合いもいないことから、外出する頻度も極端に減ってしまいました。
『そっちはどんな感じですか?』
そんな私の気持ちを察したのか、毎日のように彼女は連絡をくれたのです。
また連絡だけではなく、月に2回は神奈川から長野まで遊びに来てくれました。
そのこともあって、1年ほど続いた長野転勤も乗り越えることができました。
そのころから徐々に『単なる友人』から『特別な存在』へと、変わっていったのかもしれません。
長野から東京の支店に異動になるころには、彼女は退職していましたが、その後も関係は続いていきました。
年に3回は旅行をしていますが、彼女も喜んでついてきてくれて、2人でいろんな土地をめぐりました。
彼女は物事の段取りをきっちりと決めることができる人で、私の誕生日などはお店の予約はもちろんケーキを用意していたり、ちょっとしたサプライズを毎回用意してくれるのです。
気が付けば、彼女と一緒にいることが自然となっていました。
そして、今年の年明け早々。
結婚を決めて彼女に話をすると、笑顔の彼女の口からは、冒頭の言葉が告げられたのです。
ただ私としても、これまでのことを考えれば、「おっしゃる通りです」と返すのみでした。
その後はお互いに仕事が忙しくなり、具体的に話が進んだのはここ数カ月のことでした。
妻と違って段取りが悪く、籍を入れたものの、指輪や家具の準備が整いませんでした。
しかし、妻は私を責めることはありません。
むしろそんな生活を一緒に楽しんでいるかのようです。
妻には長く待たせてしまったかもしれません。
それでも、これまで以上に肩を並べ足並みをそろえて、一緒に人生を楽しんでいけたらと思っています。
日本財託 債権管理部 馬場 裕一(ばばゆういち)
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横須賀市出身の43歳。
債権管理部に所属し、督促対応や厳正な入居審査を担当しています。
結婚を機に引っ越しを行い、横須賀から念願の都民となりました。
移動時間も2時間かかっていたところから、1時間ほどとなりました。