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掲載日2026.11.06

不労所得で生活してる人はどれくらい?国税庁データで見る実像と現実的な近づき方

不労所得で生活してる人はどれくらい?国税庁データで見る実像と現実的な近づき方

不労所得で生活してる人は本当にいるのか。国税庁の統計では、不動産所得が主な所得の申告納税者は約80万人です。どんな資産で暮らしているのか、月いくら必要か、SNSの「不労所得生活」の見極め方、現実的な近づき方まで解説します。

働かなくてもお金が入ってきて、それで暮らしている人。そんな存在を知ると、「本当にいるの?」「自分とは何が違うんだろう」と気になりますよね。

結論からお伝えすると、そうした方は実際にいらっしゃいます。ただ、その姿はSNSで目にする派手なイメージとは少し違います。

国税庁の統計では、令和6年分の所得税を納めた人のうち、家賃などの「不動産所得」が他のどの所得よりも大きい人は約80万人でした(参照*1)。この区分は「不動産所得が給与や年金などの各所得を上回る人」という定義です。そのため、給与や年金を受け取りながら、それ以上の家賃収入がある方も含まれます(参照*2)。つまり、80万人全員が「家賃収入だけで生活している」わけではありません。

この記事では、次の4つを順にお伝えします。

  • 不労所得で生活している人は、どんなルートでそこに至ったのか
  • 毎月の生活費を賄うには、どれくらいの資産が必要なのか
  • 「不労」と呼ばれる収入にも、実際にはどんな手間がかかるのか
  • 今の暮らしを続けながら、現実的に近づくにはどうすればよいのか

1. 不労所得で生活してる人は実在する?統計で見る規模

「不労所得で生活している人」を直接数えた統計はありません。そこで、税金の統計から手がかりを探してみます。

不動産所得が主な人は約80万人

国税庁の「申告所得税標本調査」は、確定申告をして所得税を納めた人を、どの所得がいちばん大きいかで分類しています。

令和6年分の結果では、申告納税者516万人のうち80万人が「不動産所得者」でした。全体の15.6%にあたります。家賃収入などの不動産所得が、ほかのどの所得よりも大きい人のことです。1人当たりの平均所得金額は666万円でした。前年の令和5年分は82.6万人だったので、やや減っています。

家賃収入を暮らしの柱にしている人は、少なくとも数十万人の規模で存在していることになります。

配当・株式の売却益が主な人はどれくらいか

一方、株の配当で暮らしている人は、統計ではとらえにくい存在です。上場株式の配当は、大口株主などを除き、金額にかかわらず確定申告をしなくてよい仕組みになっているからです(参照*3)。申告しなかった人は、先ほどの統計に含まれません。

参考になるのが、事業・不動産・給与・雑所得のいずれにも当てはまらない「他の区分に該当しない所得者」です。令和6年分では38万人いました。所得金額の合計は15兆4,314億円です(参照*1)。単純計算すると、1人あたり約4,000万円になります。

ただし、この区分には株や土地を売った年の利益や、退職金なども含まれます。一度きりの大きな収入が平均を押し上げている可能性があり、「毎年この金額で暮らしている人」とは言い切れません。

この数字から言えること・言えないこと

統計からは、家賃収入が他の所得を上回る人が80万人いることまでは確かめられます。一方で、この数字の読み方には次の3つの注意点があります。

  • 80万人全員が働いていないわけではありません。 不動産所得者は「不動産所得が給与や雑所得(公的年金を含む)などを上回る人」と定義されています。給与や年金を受け取りながら、それ以上の家賃収入がある方も含まれます。
  • 納税額がない人は数に入っていません。 対象は令和7年6月30日時点で申告納税額がある人で、還付申告の人などは除かれています(参照*2)。
  • 配当で暮らす人の多くは表に出てきません。 申告不要を選べるため、実際の人数はわかりません。

つまり統計から見えるのは、「不労所得だけで暮らす人がこれだけいる」という姿ではありません。「家賃収入などを暮らしの柱のひとつにしている人が一定数いる」という姿です。次の章では、そうした人たちがどんなルートでそこに至ったのかを見ていきます。

2. 不労所得で生活してる人は、どんなルートでそこに至ったのか

前の章で見た人たちは、家賃や配当を生む「元手となる資産」を、どこかの時点で手に入れています。その手に入れ方は、大きく4つに分けられます。

4つのルート早見表

ルート資産を得たきっかけ主な収入の形自分で選べるか主な注意点
相続親族からの遺産家賃・配当・利息など選べない時期も金額も自分では決められない
事業売却自分で興した会社の売却・上場売却代金を運用した収益選べるが難度が高い売却益は一度きりで、その後の運用次第
株式・配当給与などからの投資配当・分配金、資産の取り崩し選べる株価の変動や減配、大きな元本が必要
不動産自己資金とローンでの購入家賃収入選べる空室・修繕・金利、返済中は手残りが小さい

相続:自分では選べないルート

まとまった遺産を受け継ぎ、その家賃や配当で暮らすルートです。

国税庁によると、令和6年に亡くなった方は約160万人でした。そのうち、相続税がかかるほどの遺産があったのは166,730人で、割合は10.4%です。課税の対象となった遺産の額(課税価格)は、亡くなった方1人当たり1億4,025万円でした(参照*4)。この金額は亡くなった方1人分の財産なので、相続人が複数いれば、さらに分けられます。

相続は、時期も金額も自分では決められません。あなたにそうした見込みがあったとしても、計画の土台にするのは難しいルートです。

事業売却:大きいけれど一度きりのルート

自分で興した会社を売却したり上場させたりして、まとまった資金を得るルートです。

ここで注意したいのは、事業そのものは「不労」とはほど遠いことです。不労所得になるのは、売却後に得た資金を運用してからです。その運用先は、結局のところ株式や不動産、預金などになります。

株式・配当:始めやすいが、大きな元本が必要なルート

働いて得たお金を株式や投資信託に回し、配当や分配金、あるいは資産の取り崩しで暮らすルートです。少額から始められ、売買の手間も比較的少なく済みます。

一方で、生活費をまかなえるだけの配当を得るには、相当に大きな元本が必要です。どれくらい必要かは、次の章で試算します。また、株価の変動や減配によって、収入が年ごとに上下することも受け入れる必要があります。

不動産:借入れを使って積み上げるルート

自己資金とローンで物件を購入し、家賃収入を得るルートです。他の3つと違うのは、借入れを使うことで、手元の資金より大きな資産を持てる点です。

ただし、ローンを返済している間は、家賃の多くが返済に回ります。家賃がそのまま手元に残るようになるのは、完済したあとです。つまり、このルートは時間を味方につけるものです。繰上げ返済で完済を早めるという考え方は、後の章で詳しくお伝えします。

4つのルートに共通すること

4つを並べてみると、2つのことが見えてきます。

  • どのルートでも、収入を生む資産が先にあります。 不労所得は、資産を持ったあとに生まれる結果です。
  • 計画して選べるのは、株式と不動産の2つです。 相続と事業売却を否定するわけではありません。ただ、今から自分の意思で一歩目を踏み出せるのは、この2つです。

では、その資産がどれくらいあれば、毎月の暮らしが成り立つのでしょうか。次の章で具体的な数字を見ていきます。

3. 不労所得で生活するには、月いくら・資産いくら必要か

ここからは、あなたご自身の暮らしに置き換えて考えてみましょう。必要な資産の額は、次のシンプルな式で見当をつけられます。

必要な資産 = 1年間の生活費 ÷ 資産が生む手取りの利回り

たとえば年間300万円の生活費を、手取り利回り4%の資産でまかなうなら、300万円 ÷ 4% = 7,500万円です。

平均的な生活費から逆算すると

総務省の「家計調査」(2025年平均)では、1か月の消費支出の平均は単身世帯で173,042円、二人以上の世帯で314,001円でした。この金額をもとに、手取り利回りを3%・4%・5%と仮定して、必要な資産を計算したのが次の表です。

世帯月の生活費年間手取り3%手取り4%手取り5%
単身世帯約17.3万円約208万円約6,900万円約5,200万円約4,200万円
二人以上の世帯約31.4万円約377万円約1億2,600万円約9,400万円約7,500万円

※ 利回りは計算のための仮定です。特定の商品の利回りを示すものではありません。

生活費をすべて不労所得でまかなうには、単身でも数千万円、二人以上の世帯なら1億円前後の資産が目安になります。

この試算に含まれていないもの

表の金額は、あくまで出発点です。実際には、次の3つの理由で、さらに多くの資産が必要になります。

  • 税金と社会保険料:消費支出には、所得税・住民税・社会保険料は含まれていません。会社を離れれば、国民健康保険料や国民年金保険料もご自身で納めることになります。
  • 住まいの費用:平均値は、さまざまな住まい方の世帯を合わせた数字です。賃貸にお住まいなら、家賃の分を上乗せして考えてください。
  • 物価の上昇:物価が上がれば、同じ暮らしにかかるお金も増えます。資産から得る収入も、それに合わせて増えていく必要があります。

「全部」ではなく「足りない分」で考えると

見方を変えてみます。同じ調査で、65歳以上の夫婦のみの無職世帯を見ると、1か月の収入は254,395円でした。年金などの社会保障給付が中心です。一方、消費支出と税・社会保険料の合計は296,829円で、毎月42,434円が不足していました(参照*5)。

この不足分は年間で約51万円です。同じ式で計算すると、必要な資産は手取り4%で約1,300万円、5%なら約1,000万円になります。

目標年間の必要額手取り4%手取り5%
二人以上の世帯の生活費をすべてまかなう約377万円約9,400万円約7,500万円
高齢夫婦世帯の毎月の不足分を埋める約51万円約1,300万円約1,000万円

生活費の全部を不労所得でまかなおうとすると、1億円前後の資産が必要です。けれど、年金で足りない分を埋めることが目標なら、必要な資産は7分の1ほどに縮みます。

実際に不労所得で暮らしている人の中にも、給与や年金と組み合わせている方が含まれていることは、最初の章で見たとおりです。この「全部」と「一部」の違いが、現実的な目指し方を考えるうえでの出発点になります。

4. 不労所得でも、完全に手放しではいられない理由

「不労所得」と聞くと、何もしなくてもお金が入ってくる姿を思い浮かべるかもしれません。実際には、働く時間は大きく減らせても、手続きや判断はあなたの手元に残ります。ここでは、どんな手間が残るのかを具体的に見ていきます。

税金の申告は、自分で行う

会社員の給与は、会社が年末調整で税金を精算してくれます。けれど、家賃収入の申告は自分で行うのが基本です。

会社員の場合、給与と退職金以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として確定申告は要りません(参照*6)。裏を返せば、家賃収入から経費を引いた所得がそれを超えると、毎年の申告が必要になります。給与がなく、家賃収入で暮らすのであれば、なおさら申告は欠かせません。

一方、上場株式の配当は、大口株主などを除いて申告不要を選べます(参照*3)。税金の手間という点では、株式のほうが軽く済みます。

建物と設備は、年々古くなる

不動産の場合、建物は時間とともに確実に古くなります。

マンションの廊下や外壁などの共用部分は、管理組合が積み立てる修繕積立金で、計画的に修繕されます。国土交通省のガイドライン(令和6年6月改定版)では、修繕積立金を段階的に上げていく方式について基準を示しています。計画の最初の額は基準額の0.6倍以上、最後の額は1.1倍以内とする、というものです(参照*7)。つまり、積立金は途中で引き上げられることを前提に、収支を考えておく必要があります。

室内の給湯器やエアコンなどの設備は、オーナーの負担で交換します。何年かに一度、まとまった出費があると考えておくと安心です。

空室と入居者への対応がある

入居者がいない間、家賃は入ってきません。入居者の募集、契約の更新、退去後の原状回復、設備トラブルへの対応も発生します。

こうした実務の多くは、賃貸管理会社に任せられます。ただし、どの会社に任せるか、報告を受けてどう判断するかは、あなたが決めることです。「作業は任せられても、判断は残る」と考えておくと実態に近いでしょう。

株式も、放っておけばいいわけではない

株式や投資信託は手間が少ないとはいえ、相場は上下し、配当が減ることもあります。資産を取り崩して暮らす場合、相場が大きく下がった年にどこまで取り崩すかは、自分で判断しなければなりません。

社会保険と年金を、自分で納める

会社を離れると、これまで給与から天引きされていた社会保険を、自分で手続きして納めることになります。

20歳以上60歳未満で会社員でなければ、国民年金の保険料を自分で納めます。令和8年度の保険料は月額17,920円です(参照*8)。国民健康保険料は、お住まいの市区町村が前年の所得などをもとに決めます。また、厚生年金に加入しない期間は、将来受け取る厚生年金も増えません。

不労所得は「労働時間の少ない所得」

ここまで見てきたように、不労所得は「何もしなくていい所得」ではありません。「働く時間が少なくて済む所得」と言ったほうが正確です。

裏を返せば、どこまでを人に任せ、どこを自分で担うかは、あなたが選べます。この見極めは、怪しい話から身を守るうえでも役立ちます。次の章では、SNSなどで見かける「不労所得で生活」という話との付き合い方をお伝えします。

5. SNSで見かける「不労所得で生活」との付き合い方

SNSを開くと、「不労所得で月○万円」「働かずに暮らしています」といった投稿が目に入ることがあるかもしれません。中には本当の話もあるでしょう。ただ、前の章で見たとおり、本物の不労所得には地味な手間がつきものです。手間がまったく見えない話には、一歩立ち止まって向き合ってください。

「発信すること」自体が収入源になっていないか

「不労所得で暮らす様子」を見せたあと、講座やオンラインサロン、紹介報酬の仕組みに誘う発信があります。

国民生活センターには、次のような相談が寄せられています。SNSのダイレクトメッセージで「稼ぎ方を教えます」と連絡を受け、約30万円でオンラインサロンに入会した。ところが入会後、会員が稼いだかのような偽りの発信をするよう指示され、内容も稼げるものではなかった、というものです(参照*9)。

この場合、発信者の収入は家賃や配当ではありません。あなたが支払う会費です。

著名人を名乗る投資の誘い

国民生活センターは2026年9月にも、SNSで著名人や実業家を名乗る人物が勧める投資話について、注意を呼びかけています。

紹介されている事例では、50歳代の男性が著名人を名乗るアカウントとやり取りをし、そのアシスタントが開く投資講座に参加しました。指定された個人名義の口座に総額約1,000万円を振り込みましたが、出金しようとすると約1,100万円の手数料を請求されました。著名人の画像が無断で使われている場合もあるとされています。

不動産投資の勧誘にも、気をつけたい点がある

不動産投資についても、国民生活センターは注意を呼びかけています。2019年3月の公表では、投資用マンションに関する20歳代からの相談が、2013年度の160件から2018年度の405件へと、約2.5倍に増えていました。平均の契約購入金額は2,000万円を超えています。

相談事例には、「家賃保証があると言われて購入したが、赤字になっている」というものがありました。「事業者の指示で金融機関に事実と違う申告をしてローンを組み、返済できなくなった」という事例もあります。

不動産投資そのものが悪いわけではありません。けれど、仕組みやリスクを理解しないまま、勧められるままに契約するのは避けてください。

話を聞いたときの5つの確認ポイント

「不労所得で生活」という話に触れたときは、次の5つを確かめてみてください。

  • 「必ず」「確実に」もうかると言っていないか。 投資にはリスクがあり、必ずもうかるものではありません。
  • 収入の出どころを説明できるか。 家賃や配当なのか、講座料や紹介料なのかを確かめます。
  • 業者は必要な登録や免許を持っているか。 金融商品であれば、金融庁のサイトで登録の有無を確認できます。不動産であれば、宅地建物取引業の免許番号を確かめます。
  • 個人名義の口座への振込を求められていないか。 国民生活センターは、指定された口座が個人名義なら詐欺だと注意を呼びかけています(参照*10)。
  • 収入に見合わない借入れや、事実と違う申告を勧められていないか。 少しでも不安を感じたら契約せず、消費者ホットライン「188」に相談してください(参照*11)。

本物の不労所得は、派手さとは無縁で、時間をかけて積み上がっていくものです。次の章では、あなたが今の暮らしを続けながら、現実的に近づく方法をお伝えします。

6. 現実的な目指し方:生活費の「一部」を家賃収入に置き換える

ここまで読んで、「全部を不労所得でまかなうのは、やはり遠い話だ」と感じたかもしれません。けれど、目標の置き方を変えると、道のりはぐっと現実的になります。

「全部」ではなく「足りない分」を目標にする

先ほど試算したように、生活費のすべてをまかなうには1億円前後の資産が必要です。一方で、年金で足りない分を埋めるのが目標なら、必要な資産は7分の1ほどで済みます。

最初から「働かずに暮らす」を目指す必要はありません。まずは、給与や将来の年金に、家賃収入という「もうひとつの柱」を加える。そこから始めて、柱を少しずつ太くしていく。この順番のほうが、途中で無理をせずに済みます。

ローンを繰上げ返済し、家賃が手元に残る状態をつくる

不動産投資では、ローンを返済している間、家賃の多くが返済に回ります。家賃が手元に残るようになるのは、完済したあとです。

そこで、給与や貯蓄、受け取った家賃を、計画的に繰上げ返済にあてていきます。完済が早まるほど、家賃が手元に残る時期も早まります。1戸目を完済したら、その家賃を2戸目の返済に回す。こうして完済した物件を1戸ずつ増やしていけば、借入れを抱え続けずに家賃収入を積み上げていけます。

ただし、手元のお金をすべて返済に回してしまうと、急な出費に対応できません。設備の交換費用や空室の期間に備えて、生活防衛資金は別に確保しておいてください。

物件は「長く貸し続けられるか」で選ぶ

家賃収入を長く受け取るためには、入居者が途切れにくい立地を選ぶことが何より大切です。

東京都の統計では、令和7年に東京都へ他の道府県から移り住んだ人は、出ていった人を65,219人上回りました。年齢別に見ると、20〜24歳が57,263人、25〜29歳が20,642人です(参照*12)。進学や就職で東京に移り住む若い世代が、ひとり暮らし向けの住まいの需要を支えています。

また、売却益を狙うのではなく、家賃収入を長く受け取ることを目的にするなら、新築よりも価格が抑えられた中古物件のほうが、収支のバランスをとりやすくなります。自己資金の目安は、物件価格や諸経費によって変わりますが、60万円〜100万円程度です。

実例:56歳で早期退職したオーナーの場合

日本財託のオーナー体験談から、実際の例をひとつご紹介します。

愛知県にお住まいのL・A様(61歳・男性)は、2011年1月に東京・新宿区の中古ワンルームを購入しました。ほぼ同じ時期に3戸を所有し、翌年に4戸を買い増しています。その後も物件を買い増したり入れ替えたりしながら、現在は11戸を所有しています。

借入額が増えたときには不安を覚え、繰上げ返済やローンの見直しも行ってきました。そして、家賃収入を踏まえたライフプランを確認し、会社の給料がなくても生活できる見通しが立ったことから、56歳で早期退職しました。今は家賃収入を受け取りながら、ボランティアや地域活性化の活動に取り組んでいます(参照*13)。

L・A様が早期退職にたどり着くまでには、1戸目の購入から10年以上の時間がかかっています。不労所得による生活は、一足飛びに手に入るものではなく、時間をかけて柱を育てた結果だということがわかります。

株式と組み合わせるのもひとつの方法

家賃収入だけにこだわる必要はありません。NISAなどを使った株式や投資信託での資産づくりと組み合わせれば、収入源を分けることができます。

大切なのは、どの方法を選ぶ場合も、仕組みとリスクを理解したうえで、時間を味方につけることです。

7. よくある質問

不労所得で生活してる人は、日本に何人くらいいますか?
不労所得だけで生活している人を直接数えた統計はありません。
参考になるのが国税庁の統計です。令和6年分では、家賃などの不動産所得が他のどの所得よりも大きい申告納税者が80万人いました(参照*1)。ただしこの中には、給与や年金を受け取りながら、それ以上の家賃収入がある人も含まれます。
不労所得で生活するには、いくらあればいいですか?
総務省の家計調査(2025年平均)では、二人以上の世帯の1か月の消費支出は314,001円でした。生活費のすべてを、手取り利回り4%の資産でまかなうとすると、約9,400万円が必要です。
一方、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で毎月不足している42,434円を埋めることが目標なら、手取り4%で約1,300万円になります(参照*5)。
利回りは計算のための仮定です。実際には、税金や社会保険料、物価の上昇も考える必要があります。
会社員でも、不動産投資で不労所得をつくれますか?
会社員のまま始めることはできます。中古ワンルームであれば、自己資金の目安は60万円〜100万円程度です。
ローンの返済中は、家賃の多くが返済に回ります。給与や家賃を繰上げ返済にあてて完済を早めると、家賃が手元に残る状態に近づけます。
なお、給与と退職金以外の所得が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です(参照*6)。
SNSで見かける「不労所得で生活」という話は、信じていいですか?
すべてが嘘とは限りません。ただ、次の3つに当てはまる話は、詐欺やトラブルを疑ってください。
・「必ずもうかる」と言っている
・収入の出どころが講座料や紹介料である
・個人名義の口座への振込を求めている
国民生活センターは、指定された口座が個人名義の場合は詐欺だと注意を呼びかけています(参照*10)。不安を感じたら、消費者ホットライン「188」に相談してください。

8. 出典一覧

執筆者

日本財託Times編集部

松坂 智大

  • 宅地建物取引士
  • FP2級
  • AFP
  • 相続診断士

東京中古ワンルームマンションを中心とした不動産投資、資産形成、賃貸管理に関する情報を発信しています。
日本財託グループ内に蓄積された不動産投資・賃貸管理に関する知見や、セミナー参加者の関心事項、公開情報などをもとに、読者が理解しやすい記事を制作しています。

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