不動産投資

掲載日2026.09.18

マンション経営とは?儲かる仕組みとリスク、失敗しないための始め方

マンション経営とは?儲かる仕組みとリスク、失敗しないための始め方

マンション経営の収益の仕組みと年収の目安、儲かる・儲からないの分かれ目をわかりやすく解説。一棟と区分の違い、経営に伴う実務、リスクと対策まで、失敗しないための判断材料をまとめました。

家賃収入で毎月安定した収入を得られる——マンション経営にそんな魅力を感じて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。しかし同時に、「本当に儲かるのか」「もし失敗したらどうなるのか」という疑問も、頭のどこかにあるはずです。

マンション経営には、家賃という形で毎月安定した収入が入ってくるという確かな魅力があります。一方で、空室や修繕費、ローン返済といった負担も現実には存在します。大切なのは、どちらか一方だけを見て判断しないことです。

この記事では、マンション経営の収益の仕組みから、「儲かる」と「儲からない」を分けている本当の理由、見落としがちなリスクとその対策まで、実際の数字とともに整理してお伝えします。読み終えたときには、ご自身の状況に照らして、地に足のついた判断ができる状態になっているはずです。

1. マンション経営とは何か——「一棟」と「区分」、まず言葉を整理する

一口に「マンション経営」といっても、実は大きく分けて二つのやり方があります。建物を一棟まるごと所有するやり方と、建物の中の一室だけを所有するやり方です。

この記事でお伝えする「マンション経営」は、後者——建物の中の一室を所有する「区分マンション」を軸にしています。理由は単純で、これから始める方にとって、現実的に選びやすい選択肢だからです。

一棟マンションは、建物全体を所有するため、複数の部屋から同時に家賃収入を得られ、1室が空室になっても他の部屋の家賃でカバーできるという分散効果があります。ただしその分、購入価格は数千万円から億単位になることが多く、必要な自己資金も大きくなります。エレベーターや外壁など、建物全体の修繕や維持管理の判断もすべて自分の責任です。

区分マンションは、建物のうち一室だけを所有する形です。一棟物件に比べて少ない自己資金で始められ、建物全体の管理は管理組合と管理会社が担うため、共用部分の維持管理を自分で判断する負担がありません。一方で、所有するのが一室である以上、その部屋が空室になっている間は家賃収入がゼロになります。

限られた自己資金から始めやすく、管理の負担も軽い——この記事がこれから区分マンションを軸に話を進めていくのは、こうした理由からです。

2. マンション経営でどれくらいの収入になるのか

区分マンション経営で得られるのは、突き詰めれば「家賃収入から経費とローン返済を差し引いた手取り」です。まずは1戸を保有した場合の規模感から見ていきます。

当社(日本財託)の2026年度の取引実績(1,004件)では、平均価格2,137万円・平均家賃82,551円/月という水準で、表面利回りは4.92%です。ただし、この表面利回りには、毎月かかる管理費(平均7,729円)・修繕積立金(平均6,035円)といった経費が反映されていません。これらを差し引いたネット利回り(手取り利回り)で見ると、平均3.81%となります。

項目数値
平均物件価格2,137万円
平均家賃収入(月)82,551円
表面利回り4.92%
ネット利回り(手取り利回り)3.81%

(出典:日本財託 自社データ・2026年引渡分・合計1,004件)

物件情報を探し始めると、「利回り」という言葉には実は3段階あることに気づきます。想定利回りは、空室がまったくない前提で計算した、最も楽観的な数字です。新築物件や、まだ入居者が決まっていない物件の広告でよく使われますが、その家賃が本当に周辺相場で実現できるかは未確定です。表面利回りは、実際の(または現実的に見込める)家賃収入をもとにした数字で、経費は差し引かれていません。ネット利回り(手取り利回り)は、そこから管理費・修繕積立金などの経費を差し引いた、最も実態に近い数字です。物件情報で利回りの数字を見るときは、この3つのどれを指しているのかを必ず確認する習慣をつけましょう。

ただし、マンション経営の家賃収入は、1戸に限定されるものではありません。ローンの返済が進むにつれて信用力に余裕が生まれ、2戸目、3戸目と保有戸数を増やしていくことで、家賃収入そのものを積み上げていくことができます。これが、区分マンション経営が「1件の副収入」ではなく「経営」と呼ばれる理由でもあります。

品川区の物件から3戸まで積み上げ、早期リタイアを目指す女性オーナーの事例

実際に、東京都内にお住まいのF・T様(女性・44歳)は、品川区の物件を皮切りに、その後2戸を追加購入し、現在3戸を保有しています。同僚の早期退職をきっかけに不動産投資を検討し始め、繰り上げ返済によって毎月の収支を黒字化させながら、手取りの家賃収入を着実に増やしてきたといいます。目標としていた早期リタイアに向けて、着実に前進しているとのことです。

(出典:日本財託「事例紹介・オーナー様の声」F・T様)

こうして1戸、2戸、3戸と着実に積み上げていった先には、10戸、20戸という規模で家賃収入を得ているオーナーも、当社には実際にいらっしゃいます。もちろんそこは何年もかけて到達する世界であり、最初から目指す規模ではありませんが、「コツコツ積み上げた先に、こういう選択肢もある」ということは、頭の片隅に置いておいてよいかもしれません。

1戸目の数字だけを見ると小さく感じられるかもしれませんが、繰り上げ返済で収支を改善しながら次の1戸につなげていく——これが、マンション経営で収入を伸ばしていく現実的な道筋です。

3.「儲かる」と「儲からない」を分けているもの

「マンション経営は儲かるのか」——この問いに答えるには、まず何を「儲け」と呼ぶかをはっきりさせる必要があります。多くの方が真っ先に気にするのは、毎月の収支(家賃収入からローン返済・経費を引いた残り)がプラスかマイナスかです。しかし、この毎月の収支だけを見て「儲かる/儲からない」を判断すると、実態を見誤ります。

実際に数字で確認してみましょう。当社の2026年度平均データ(価格2,137万円・ネット利回り3.81%)をもとに、自己資金100万円・金利1.7%・返済期間35年で試算すると、月々の手取り家賃(経費差引後)は約67,844円、ローン返済額は約64,379円となり、毎月の収支は+3,465円程度です。ただし、これは金利や自己資金の条件によって変わり、条件次第では収支がわずかにマイナスになることも珍しくありません。

ここで重要なのは、たとえ月々の収支がマイナスになったとしても、それは「失敗」を意味しないという点です。毎月のローン返済額には、利息だけでなく元本の返済分も含まれています。元本が減るということは、その分だけ、あなたが所有する資産の価値(ローンを完済した時点で手元に残るもの)が着実に積み上がっているということです。つまり、毎月の収支という「フロー」だけでなく、資産としての積み上がり(元本返済分)という「ストック」の両方を見て、初めて「儲かっているかどうか」を正しく判断できます。

「儲かる/儲からない」を本当に分けているのは、収支が黒字か赤字かではありません。収支のマイナスを放置するかどうかです。自己資金を抑えてスタートし、当初は収支がマイナスだったとしても、家賃収入から少しずつ資金を積み立て、繰り上げ返済を計画的に行っていけば、月々の返済額は下がり、収支は徐々に改善していきます。逆に、収支がマイナスのまま何年も放置してしまうと、手元資金を圧迫し続けることになり、経営そのものが苦しくなります。

マンション経営で「儲からなかった」という声の多くは、利回りの低さそのものよりも、この収支マイナスを放置してしまった結果であることが少なくありません。

4. マンション経営者として、実際に何をするのか

「経営」という言葉を聞くと、日々何か手間のかかる作業をこなしているイメージを持つかもしれません。ですが、区分マンション経営における日々の実務のほとんどは、賃貸管理会社に任せることができます。入居者からの家賃回収、クレーム対応、退去時の立会いといった実作業は、管理委託契約を結んでいれば管理会社が代行します。

では、オーナーであるあなた自身がすべきことは何か。実務として発生するのは、大きく3つです。

1. 確定申告

マンション経営で得た家賃収入は「不動産所得」として、毎年の確定申告が必要になります。給与所得者であっても、家賃収入からローンの利息や管理費などの経費、減価償却費を差し引いた所得がある場合は、原則として申告の対象です。この申告実務そのものは、税理士に依頼することもできますが、経費として何を計上できるかを理解しておくことは、手取り収入に直結するため、オーナー自身が押さえておくべきポイントです。

2. 空室が発生したときの判断

入居者が退去すると、次の入居者を募集するにあたって、家賃をいくらに設定するかを管理会社と相談しながら決めることになります。周辺相場より高すぎれば空室期間が延び、逆に相場を把握せず安く設定してしまえば、本来得られたはずの家賃を取りこぼします。この家賃設定の最終判断は、管理会社任せにせず、オーナー自身も相場感を持って関わるべき場面です。

3. 修繕・設備更新に関する意思決定

区分マンションの場合、建物全体の大規模修繕は管理組合が主体となって計画・実施するため、オーナーが直接工事を手配する必要はありません。ただし、専有部分(室内の設備や内装)については、退去時にどこまで原状回復・リフォームを行うかを、その都度判断する場面が出てきます。

こうして見ると、マンション経営の実務は「毎日何かをする」ものではなく、「年に数回、判断が必要な場面で正しく関わる」ものだとわかります。日々の作業を管理会社に任せられるからこそ、本業を持ちながらでも無理なく続けられるのです。

ローンを組んでマンション経営を始める場合、多くのケースで「団体信用生命保険(団信)」に加入します。これは、契約者に万が一のことがあった場合、保険によってローンの残債が完済される仕組みです。完済後は、ご家族にローンのない物件がそのまま残り、その後の家賃収入もまるまる手元に入ります。通常の生命保険が「保険料を払って保障を得る」ものであるのに対し、マンション経営のローンは「資産を形成しながら、同時に保障も得られる」という点で、性質が異なります。もちろん生命保険そのものの代替として設計されたものではありませんが、結果として似た機能を果たす、という理解で十分です。

5. マンション経営で押さえておきたいリスクと対策

ここまで見てきた収支や実務をふまえると、マンション経営で向き合うことになるリスクは、実はそれほど多くありません。要点を絞って整理します。

リスク内容対策
空室家賃収入がゼロになる期間が発生する賃貸需要の高いエリア・物件を選ぶ、管理会社の客付け力を見極める
家賃滞納入居者からの入金が滞る家賃保証会社の利用を管理会社に確認する
金利上昇変動金利の場合、返済額が増える可能性がある繰り上げ返済でローン残高を早めに圧縮しておく
修繕費の負担増将来の大規模修繕に備えた積立金が不足するケースがある購入前に「重要事項調査報告書」で積立状況を確認する
資産価値の下落築年数の経過とともに物件価格が下がる賃貸需要が安定しているエリア(東京23区など)の物件を選ぶ
災害(地震・火災)建物へのダメージ、家賃収入の中断新耐震基準・鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ、火災保険に加入する

これらのリスクに共通しているのは、どれも「起きるかどうか」より「起きたときにどう備えているか」で結果が変わるという点です。空室であれば管理会社選び、金利上昇であれば繰り上げ返済、というように、それぞれに対応策が存在します。リスクをゼロにすることはできませんが、事前に知っておくことで、コントロールできる範囲は大きく広がります。

より詳しいリスクの内容と対策については、「不動産投資のリスク」を扱った別記事でさらに詳しく解説しています。

6. マンション経営が向いている人・向いていない人

ここまでの内容を踏まえると、マンション経営が向いているかどうかは、いくつかの条件で判断できます。

向いている人

  • 毎月の収支の増減より、長期的な資産形成を重視できる人
  • 本業を持ちながら、実務は管理会社に任せたい人
  • まとまった自己資金ではなく、ローンを活用して始めたい人

向いていない人・注意が必要な人

  • 短期間で大きな利益を得ることを目的にしている人(マンション経営は長期で資産を積み上げる仕組みであり、短期の値上がり益を狙う投資とは性質が異なります)
  • 毎月の収支の黒字・赤字だけで成否を判断してしまう人(収支がマイナスでも資産形成が進んでいるという理解がないと、途中で不安になりやすいため)

7. なぜ、東京23区の中古ワンルームなのか

ここまで、マンション経営の収益構造やリスクについて見てきましたが、「では、具体的にどんな物件を選べばいいのか」という疑問が残ります。結論から言うと、これから始める方にとっては、東京23区の中古ワンルームマンションが合理的な選択肢になります。

理由は大きく2つです。東京23区は単身者を中心とした賃貸需要が旺盛で、空室リスクを抑えやすいこと。そしてもう一つ、資産価値・購入需要ともに高い東京の物件は、将来「売りたい」と思ったときの流動性(売却のしやすさ)も確保しやすいことです。家賃収入を軸にしながら、必要になれば出口の選択肢も持てる——これが、東京23区・中古ワンルームが選ばれている理由です。

新築ではなく中古を選ぶ理由も押さえておきましょう。新築物件には「新築プレミアム」と呼ばれる、販売会社の広告費や利益が価格に上乗せされている分があり、購入直後から相場価格へと下落しやすい傾向があります。中古物件はこのプレミアムが乗っていない分、価格に対して得られる家賃収入の割合(利回り)が新築よりも高くなりやすく、購入後の資産価値の下落幅も抑えられます。

8. マンション経営を始める最初の一歩

方向性が見えてきたところで、実際に何から始めればいいのかを整理します。大きく4つのステップで進めていきます。

  1. 1

    目的を明確にする

    老後の収入源を作りたいのか、早期リタイアを目指すのか。目的によって、選ぶ物件や資金計画の考え方が変わってきます。

  2. 2

    自己資金を準備する

    目安は頭金10万円+諸経費60万円〜100万円程度、合計100万円前後です。

  3. 3

    融資審査に備える

    年収や勤続年数といった個人の属性に加えて、物件そのものの収益性も審査対象になります。会社によっては提携ローンを通じて相談できる場合もあります。

  4. 4

    信頼できる会社を選ぶ

    物件を選んで終わりではなく、購入後何十年にもわたって付き合っていく賃貸管理会社選びが、実は最も重要な判断になります。空室対応や賃料設定の巧拙は、長期的な収益に直結します。

より詳しいステップごとの進め方は、「不動産投資のはじめかた」でさらに詳しく解説しています。

9. よくある質問(FAQ)

マンション経営は本当に儲かりますか?
「儲かる」の定義次第です。毎月の収支だけを見ると、自己資金を抑えて始めた場合はマイナスになることもありますが、その間もローンの元本返済は進み、資産としての価値は着実に積み上がっています。収支のマイナスを放置せず、繰り上げ返済で改善していくことが、長期的に「儲かる」状態につながります。
一棟マンションと区分マンション、どちらがいいですか?
必要な自己資金や管理の負担を考えると、これから始める方には区分マンションのほうが取り組みやすい選択肢です。一棟は空室分散のメリットがある一方、購入価格・修繕の判断もすべて自己責任になるため、経営としての負担は大きくなります。
自己資金はいくら必要ですか?
頭金10万円+諸経費60万円〜100万円程度、合計100万円前後が目安です。金融機関によっては、諸経費部分も融資でまかなえる「諸経費ローン」を利用できる場合もあります。
毎月の収支がマイナスでも続けて大丈夫ですか?
マイナスであること自体は失敗を意味しません。問題になるのは、その状態を何年も放置することです。繰り上げ返済を計画的に行うことで、収支は徐々に改善していきます。
サラリーマンでもマンション経営はできますか?
できます。日々の実務(入居者対応・家賃回収など)は賃貸管理会社に任せられるため、本業を持ちながら、オーナーとして必要な判断(確定申告・家賃設定・修繕の意思決定など)に関わる形で十分に運用できます。

10. 出典一覧

執筆者

日本財託Times編集部

松坂 智大

  • 宅地建物取引士
  • FP2級
  • AFP
  • 相続診断士

東京中古ワンルームマンションを中心とした不動産投資、資産形成、賃貸管理に関する情報を発信しています。
日本財託グループ内に蓄積された不動産投資・賃貸管理に関する知見や、セミナー参加者の関心事項、公開情報などをもとに、読者が理解しやすい記事を制作しています。

\ 好きな時間に視聴OK /

無料セミナーで不動産投資を学ぼう

セミナーを視聴する