国の不動産政策から読み解く、不動産投資の未来とは!?
2026/01/15
今年の4月からスマート変更登記が始まります。
この制度は、マイナンバーカードや住基ネットの情報を活用して、
法務局が職権で不動産の登記名義人の住所変更を行うことができる仕組みです。
これまで不動産所有者は、引っ越し後に自分で法務局に出向き、
変更登記を申請する必要がありました。
しかし、この手続きは手間がかかるため、
多くの不動産所有者が登記を放置してしまうという問題がありました。
スマート変更登記は、今年4月から本格的に運用が始まる予定で、
同時期に施行される住所等変更登記の義務化による手続き負担を軽減し、
登記の更新を促進するための制度です。
また、国が取り組んでいる登記制度の改革は、これだけではありません。
2024年4月からは、相続登記も義務化されています。
住所等変更登記と相続登記の義務化。
この2つの施策から見えてくるのは、
国が土地所有者の確実な把握を強く望んでいるということです。
では、なぜ国は土地所有者の把握にここまで力を入れるのでしょうか。
その答えは、ここ数年の不動産関連の政策を見ていくと明らかになります。
そして、この一連の政策を追っていくと、
国が不動産の未来をどのように考えているかだけでなく、
不動産投資家がどこに投資すべきかも見えてくるのです。
そこで今回のコラムでは、国の不動産政策を読み解きながら、
これからの不動産投資で選ぶべきポイントをお伝えします。
国はここ数年、複数の不動産関連政策に取り組んでいます。
例えば、2023年4月施行の「相続土地国庫帰属制度」、
同年6月施行の「空家等対策特別措置法の改正」。
2024年4月には、「相続登記の義務化」と「空家等の仲介手数料特例」。
そして、冒頭にお伝えした、今年4月施行予定の
「住所等変更登記の義務化」と「スマート変更登記」です。
この数年、立て続けに関連制度が導入されています。
これらの制度は、登記、相続、空き家など異なる切り口から導入されているため、
一見バラバラに見えるかもしれません。
しかし実は、すべて「所有者不明土地の解消」という共通の意図で貫かれています。
2024年の国土交通省調査によると、
不動産登記簿のみでは所有者の所在が判明しない土地は、全国の実に23%に及びます。
では、一連の施策はこの所有者不明土地の解消に
どのように効力を発揮するのでしょうか。
「相続登記の義務化」と「住所等変更登記の義務化」は、
登記情報を最新の状態に保つことで、新たな所有者不明土地の発生を防ぎます。
次に、「空家等対策特別措置法の改正」は、
管理が不十分な空き家に対して、市町村が所有者に改善勧告や改善命令を発出し、
応じない場合は最終的に行政代執行により解体することが可能です。
そして、「相続土地国庫帰属制度」と「空家等の仲介手数料特例の改正」は、
これまでの施策が「既存の土地・建物の管理強化」に焦点を当てていたのに対し、
「所有権の移転促進」という別の角度から所有者不明土地化を防ぐ仕組みです。
相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を手放したい人が、
一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。
「相続したけれど使い道がない」という土地が、
放置されて所有者不明土地化することを防ぎます。
そして、空家等の仲介手数料特例の改正は、
地方・郊外の空き家といった低額物件を取扱った際に、
定額の手数料や特例率の適用ができるようにして、
不動産会社の営業インセンティブを高める仕組みです。
これにより空き家が市場に流通しやすくなり、
所有者不明化を未然に防ぐ狙いがあります。
これまで所有者不明の土地の増加は、
地方自治体の運営に深刻な影響をもたらしてきました。
公共事業や災害後の復興事業において、
用地買収や権利関係の整理が困難になり、事業の遅れや中止につながります。
管理不全の土地は地域価値を下げ、人口流出を加速させる要因となっているのです。
さらに、所有者不明土地の管理や調査にかかるコストが、
財政基盤の弱い自治体の負担となり、財政をさらに圧迫します。
こうした一連の制度策定の目的は、自治体にとって頭を悩ませる
「所有者不明土地の解消」です。
一方で、国がこれほど本腰を入れるのは、
空き家問題や所有者不明の土地の問題が
それほど深刻だということを意味しているのです。
つまり、これらの一連の制度策定は、
地方や郊外において、急速に居住需要が失われていることを示しています。
人口が減る街、インフラが更新されない街、
そして、商業施設や公共交通が衰退し、生活利便性が低下する街では、
不動産の価値は維持しにくくなります。
そう考えると、投資家が選ぶべきエリアは明らかです。
長期的に、人が住み続け、利用され続ける街に投資をするべきでしょう。
その条件を満たすには、2つの不可欠な要素があります。
1つ目は、継続的な人口増加と若年層の流入です。
人口が減少する街では、どれだけ優良物件でも、やがて需要を失ってしまいます。
2つ目は、強固な財政基盤により、
継続的にインフラを整備・更新できる自治体であることです。
人口が多くても、道路や鉄道などの基盤インフラが老朽化し更新されない街では、
利便性が低下し、人口流出が加速します。
数ある日本の都市の中で、この両条件を満たす代表的な都市が東京です。
総務省の住民基本台帳人口移動報告(2024年)によると、
他の道府県からの東京都への転入超過数は7万9,285人に達しました。
とりわけ15歳~29歳の若者世代に限っては、103,062人となり
2023年に引き続き、2024年も10万人超えを記録。
さらに、外国人人口も増加傾向にあり、
2025年10月時点で約70万5千人に達しています。
また、東京都の財政基盤も極めて強固です。
東京都の2025年度における予算規模は、一般会計で約9兆円、
全会計では約18兆円に達します。
このうち都市整備費として約1.3兆円が計上されており、
下水道の更新や防災インフラ整備など、
都市基盤への投資を継続的に行える財政的余力があります。
この潤沢な財政により、東京は継続的にインフラを更新し、
都市機能を維持・向上させることができます。
鉄道網の整備、再開発による街の更新、教育・医療施設の充実など、
人が住み続けたいと思う環境が、今後も整備され続けるのです。
人口と財政基盤の両者が揃っているからこそ、
東京の不動産は長期的に価値を維持できる可能性が高くなっているのです。
国の政策が示しているのは、
多くの地域で不動産需要が減退し、所有者不明土地が増加しているという現実です。
一方で、東京のような一部の都市では、
人口も財政も安定し、不動産需要も底堅く推移しています。
国が必死に対処しようとしている地方の問題を知れば知るほど、
東京の優位性がより鮮明に見えてくるのではないでしょうか。
長期的な視点で資産形成を考えると、
東京のような人口・財政基盤が整った都市での不動産投資をお勧めします。
日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 M・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
広島県広島市出身。
セミナーの運営やメールマガジンの執筆を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
先日、『科学的に証明された すごい習慣大百科』という書籍を購入しました。
生活を習慣化して、規則正しい人生を送りたいと思い、
購入してから1か月経つのですが、まだ半分しか読めていません。
まずは、読書の習慣を身に付けたいと思います。






