所有している収益不動産の築年数が経過してくると、
購入当初と比べて、収益力の低下や空室の長期化といった問題が
発生することがあります。

賃貸需要が旺盛な場所であれば、それでも空室を解消することは可能ですが、
抜本的に家賃収入をアップさせ、さらに早期の空室解消を目指すのであれば、
「リノベーション」が大変効果的です。

今のトレンドに合わせて古い設備を人気設備に交換し、
さらに広めのお部屋であれば間取りまで変更したりと、
エリア特性や物件のポテンシャルを活かした改善が可能です。

例えばコロナウイルスの影響で需要が拡大したのが、
『ワークスペースの確保』です。

こうした需要を捉えて、
リノベーションをする際にも広めのお部屋であれば、
間取りも思い切って変更し、大幅な家賃アップにつなげた事例もあります。

そこで、今回のコラムは、
トレンドにあわせたリノベーション工事を実施したことで、
収益力のアップにつなげた事例をご紹介します。

オーナーAさんは新宿区に30㎡のワンルームマンションを所有していました。

最寄り駅から徒歩3分と立地は良かったのですが、
築30年以上が経過しており、新しい部屋と比較すると
内装や室内設備が見劣りする印象を与えていました。

退去を機にリフォームをしたとしても
競合物件との差別化は図れません。

そこで、30㎡と広さを活かした間取りの変更と
トレンドを捉えた設備や内装のリノベーションを提案しました。

まず、間取りです。
もともと１Kの室内に新たに壁を作り、１DKに間取りを変更。

入居者の生活導線やエアコン設置個所からの風の流れなど、
単に間仕切りを作るだけでなく、快適な住環境を損ねないよう壁の位置を決めました。

壁で仕切ったダイニング部分は、
『ワークスペース』としても使用できます。

また、バスとトイレが一体となっていた3点式のユニットバスも
この機会にバス・トイレ別に変更しました。

さらに、ユニットバスの新機能として、
アットホーム調査の『2021年上半期　問合せが多かった条件・設備』ランキングで
上位にあがった『追い炊き機能』を追加。

コロナ禍によって「おうち時間」が増えたことで、
入浴の質を上げる傾向から、追い炊き機能の需要が伸びたようです。

加えて、内装デザインは入居者アンケートでも人気の高かった『北欧』スタイルに変更。
白を基調にカラフルな差し色を入れた、シンプルで直線的なデザインが特徴で、
インターネットで検索した際の見栄えという観点にも対応しました。

工事費は490万円ほどかかりましたが、
家賃は98,000円から144,000円と46,000円もアップ。
リノベーション費用に対し、9.4％の利回りとなる計算です。

フルリモートで働ける方であれば、住む場所を問いませんが、
東京都による2021年5月時点での調査では、
リモートワークと出社の兼用を実施している企業は全体のおよそ75%、
リモートワークは週に1日だけという企業は3割にものぼりました。

この状況を考えれば、現状ではコロナ前と変わらずに、
職場から近い住環境が好まれることがわかります。

ただ、週に数日とはいえ、自宅で仕事をしているケースでは、
特に女性であれば、Web会議などで自宅を映してしまうことに
抵抗を感じる方も多くいるのではないでしょうか？

こうした場合、プライベート空間とワークスペースの分離は大きなアピールポイントになります。
実際に、さきほどご紹介した部屋の新たな入居者も女性でした。

このように、リノベーションは収益力のアップ、早期の空室解消はもちろんのこと、
快適な住環境が提供できれば、入居期間の長期化にもつながります。

今回は設備も含めた部屋全体の大規模なリノベーションをご紹介しましたが、
価格を抑えたパッケージのリノベーションプランもご用意しています。

価格は49万5000円（税込）からで、壁や天井のクロス交換、
フロアタイルの変更、各種照明器具の新設などが含まれ、

部屋のデザインタイプも今回ご紹介した「北欧」のほか、
白を基調とした清楚感のあるクラシカルでシックなテイストの
「シャビーシック」の２種類からお選びいただけます。

空室の長期化や収益力の改善をご検討の方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

お部屋の間取りや物件の立地に加えて、今回のように入居者のトレンドにあわせた
最適なリノベーション工事をご提案致します。

日本財託管理サービス　管理部一棟ソリューション課　潮田　壮也（うしおだそうや）

◆　スタッフプロフィール　◆
東京都江戸川区出身の34歳。
一棟ソリューション課に所属し、主に一棟マンションの資産価値向上の提案を行っています。
最近はヤフーショッピングでペイペイポイントを稼ぐ事にハマっており、不定期開催のペイペイ祭りが生きがいです。