床から染み出る水が止まらない!?原因不明の漏水から資産を守る『物件管理力』

2023/02/09

10年に一度とも言われる強烈な寒波が全国を襲った先月下旬。

都内でも最低気温が氷点下になる日が続きました。

気温が低くなると水道管を流れる水の温度も低下します。
老朽化が進んだパイプの場合、温度低下により水漏れが発生しやすくなり、
漏水事故を引き起こす可能性が高まるのです。

漏水事故は原因箇所の特定が難しく、関係者も多岐に渡るため長期化するケースもあり、
対応を誤ると入居者様から家賃減額請求や賠償を伴う退去など
オーナー様にとって思わぬ損害となってしまうこともあります。

今回のコラムでは、当社一棟管理物件で発生した「原因不明」の漏水事故をご紹介。
漏水専任スタッフがいる当社だからこそできる、漏水事故対応をお伝えします。

「床から水が染み出ているんですが」

冬の寒さが本格化し始めた昨年11月中旬。
当社が管理する1棟アパートにお住まいの入居者Aさんより電話がありました。

現状を把握するため、Aさんに写真を撮って送っていただいたところ、
一部ではありますが、漏水による居室のフローリングの変色が認められました。

通常、漏水の場合は上階の配水管の水漏れが下階の天井裏にたまることで
天井に染みができたり、水滴が落ちてきたりするケースがほとんどです。
今回のような床からの漏水はレアケースでした。

仮に破損箇所が給排水管だった場合、常に水が通っているため、
速やかに対処しなければ被害は拡大する一方です。
まずは早急に協力会社を手配し、原因を調査することにしました。

調査にあたっては過去の対応事例をもとに、担当者の経験則も加味して
一つずつ原因を潰していきます。

もちろん、一度に全てを調査できればよいのですが、
保険申請をする際、過剰調査と受け取られてしまうと、
その費用分はオーナー様の負担となってしまいます。

いかに「最短ルート」で原因を特定し、修繕を行うことができるかが
私たち賃貸管理会社としての腕の見せ所です。

今回のケースでは、まずは床下に通っている配管の調査を行いました。
しかし、排水管、給水管、給湯管とくまなく調べたものの、漏水した形跡はありません。

次の可能性としては上階のルーフバルコニーの表面にできた
ウレタン防水の亀裂を伝っての漏水被害です。
ルーフバルコニーは雨により劣化しやすく、漏水の原因となりやすいのです。

そこで床下の調査の後、ルーフバルコニーを修繕した業者と現場で調査を行ったり、
散水試験まで実施しました。
しかし、床下漏水の再現はなく、ルーフバルコニーは原因箇所ではありませんでした。

この間も、漏水被害は収まることはなく、
Aさんの負担もどんどん増していきます。

こうなると、一旦ホテルなどの宿泊施設に避難していただくことも
視野に入れなければなりません。

保険の種別にもよりますが、家財に被害が出て通常の生活が困難な場合、
一定期間までは保険金にて宿泊費用を賄うことができます。

とはいえ、それも無制限ではなく、宿泊日数が長期化した場合は
オーナー様のご負担となってしまいます。

原因が特定できなければ当然、修繕完了までの期間の見積もりができず、
オーナー様からするとホテルの費用負担がどこまで増えるのか
見当が付かない事態となってしまうのです。

Aさんの生活を確保しながら、オーナー様のご負担を最小限にとどめられるかどうか。
こうした難しい局面においては何よりも丁寧なコミュニケーションが重要です。

幸い、今回は大規模な水漏れというわけではありません。

Aさんと何度もやり取りを重ねながら丁寧に説明し、
原因が特定されるまでどうにか待っていただくことになりました。

一方で、次はどこを調査すべきか、検討を進めます。

(どこが原因なんだろうか...)

建物の図面から間取りや配管の位置を確認し、
社内のメンバーとも共有しながら知見を出し合い、原因となりそうな場所を探ります。

その結果、隣室の床下にある配管が怪しいとの結論を出しました。
すぐに隣室の入居者様にもご協力いただき、同様に床下の配管を調査。

すると、給水管からわずかではありましたが、水漏れの症状があったのです。

原因が分からないケースだと、床や壁を取り除いて調査をしなければならないこともあり、
100万円以上の高額な費用がかかる可能性もあります。

今回は比較的推測通りに原因が特定できたためひと安心です。

とはいえ、Aさんのお部屋の床の状態が改善されたわけではありません。

原因が特定でき原状回復の目途が立ったため、
オーナー様と相談し、Aさんには工事期間中、ホテルへの宿泊を提案することにしました。

そしてすぐに隣室の給水管の更新を実施し、あとはお部屋の復旧工事を残すのみ。
ただ、この段階でさらに問題が発生しました。

「いまだに床が濡れている状態なんですが」

一度お部屋に戻っていただいていた
Aさんから被害が収まっていないとのご報告を受けてしまったのです。

(原因は特定したはずなのに...)

頭を抱えたくなりましたが、こうしてはいられません。

そこで再度協力会社を手配し、私自身も立ち会いながら
居室の床下を徹底的に調査することにしたのです。

その結果、床下での新たな漏水は発生しておらず、
フローリング材の裏面に付いているスポンジ状の緩衝材が
十分に乾ききっていないことが原因だとわかりました。
そのため予定通り、内装の復旧工事を実施し、解決することができたのです。

一連の漏水事故により、入居者様の家財道具の補償のほか、調査や内装復旧工事にかかった費用などに加え、約20万円の宿泊費が発生しましたが、

無事保険の範囲内で納めることができ、オーナー様の手出しはありませんでした。

漏水事故は入居トラブルのなかでも問題が複雑化、長期化する傾向にあります。

加えて、一棟物件では対応範囲が建物全体に及ぶため、
管理会社としての「力量」が試される場面が多々あります。

当社では創業から33年のノウハウに加え、一棟物件管理の専任担当チーム内で
案件の情報を共有し、時に漏水対応専門チームとも意見を交換し合うなど、
メンバー同士がカバーし合う体制ができております。

また、協力会社様と定期的に懇親会を開催し、強固な関係を築いていることで、
今回のように調査や修繕などが続いても、スムーズな対応が可能となるのです。

一棟物件の管理ノウハウと、関係者に寄り添う充実した社内体制こそが
多くのオーナー様に選ばれる条件だと私たちは考えています。

今後も当社を信頼いただき、建物全体の管理をお任せいただいているという
自覚を胸に、オーナー様の賃貸経営をサポートしてまいります。

日本財託管理サービス ソリューション事業部オーナーコンサルティング課
吉村 大輝(よしむら だいき)

◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県ふじみ野市出身の29歳。
ソリューション事業部オーナーコンサルティング課に所属し、一棟物件所有のオーナー様を中心に収益改善や付加価値工事の提案等を行っています。
先日、賃貸不動産経営管理士に合格。
資格試験で得た知識をもとに今後もより良い提案を行ってまいります。

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