不動産小口化商品の節税メリットが消失?税制改正で問われる「節税ありき」からの脱却

2025/12/25

12月19日、令和8年度の税制改正大綱が発表されました。

一般的には、「年収の壁」の引き上げが話題になっていますが、
相続を視野に入れて資産形成を行ってきた方にとって、
本当に注目すべきポイントは別のところにあります。

それが、相続税における資産評価法の改正です。

これまで賃貸用不動産は所有期間の制限なく、
原則として相続財産の評価減の適用を受けることができました。
それが、今回の税制改正では、評価減を適用するにあたって
所有期間の制限が設けられる見込みです。

また、特に大きな改正点が、
不動産小口化商品に対して事実上の「否定的な判断」が示されたことです。

これまで小口化商品は、相続対策として広く利用されてきました。
しかし今回の税制改正では、その前提を根底から覆す内容が盛り込まれています。

言い換えれば、相続税対策を主目的とした小口化商品は、
制度上の役割を終えたと受け止めるべき局面に入ったのです。

そこで、今回のコラムでは令和8年度税制改正大綱における
相続税に関する改正内容と新制度施行後に意識すべき
相続対策についてご紹介します。

そもそも、なぜ賃貸用不動産が相続対策として有効なのでしょうか。

相続財産としての現金は、その額面金額がそのまま相続税評価額になります。

一方、賃貸用不動産の場合は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額を
用いることができます。
賃貸中であれば、貸家建付地評価や貸家評価が適用されることで、
実勢価格に対して40〜50%程度まで評価額を圧縮できるケースも
珍しくありませんでした。

さらに大きなポイントは、これまでは取得期間がほとんど問われなかったことです。
これにより、いわゆる「駆け込み」対策も可能な状況でした。

これが新制度では、所有期間に制限が設けられることになります。

相続開始前5年以内に取得した賃貸用不動産については、
従来の評価方法ではなく、「通常の取引価額に相当する金額(時価)」で評価することが
示されました。

具体的には、取得価額に相続時点までの相場変動を加味し、
その8割相当額によって評価される仕組みです。

さらに今回、特に厳しいメスが入ったのが不動産小口化商品です。

不動産小口化商品とは、ビルやマンションなどの賃貸用不動産を、
信託などの仕組みを活用して小口化し、複数人で所有する商品です。

これまでは通常の賃貸用不動産と同様に相続税評価額を圧縮でき、
節税商品として重宝されてきました。

しかし新制度では、取得時期に関わらず、
一律で通常の取引価額に相当する金額による評価が求められます。

これにより、相続税の節税対策を主目的とした小口化商品の役割は、
事実上終えたといえるでしょう。

小口化商品は、相続後すぐに売却されるケースが目立つなど、
資産運用というより相続税回避に特化していた側面が強かったことも、
改正の背景にあります。

今回ご紹介した相続税における財産評価は、
令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産の評価に適用すると
税制改正大綱で示されています。

政府としても、恣意的に相続税を回避するための商品については、
今後も厳しく判断せざるを得ません。

過去を振り返れば、法人税の節税を目的とした保険商品が規制された事例もあります。
本来の目的から逸脱した商品は、いずれ是正の対象になる。
この点を、今回の税制改正は改めて示したといえるでしょう。

一方で、投資用不動産そのものが否定されたわけではありません。

投資用不動産の本質的な目的は、相続税評価額の圧縮ではなく、
長期にわたって家賃収入を得ることにあります。

自身にとっては私的年金として機能し、相続後には、
ご家族にとって毎月安定した収入を生み出す資産として活用できる。
だからこそ、相続後すぐに売却されるケースは少なく、
生活のために保有し続けられるのです。

ただし、賃貸用不動産であれば、どのエリアでも良いわけではありません。

将来的な人口減少や賃貸需要の低下が見込まれるエリアでは、
空室が埋まらず、修繕費や管理費ばかりがかかる「負動産」を
家族に残してしまうリスクがあります。

ご自身の老後資金対策としても、不動産を相続するご家族のためにも、
賃貸需要が今後も見込めるエリアを選ぶことは欠かせません。
この観点から考えると、有力な選択肢となるのが、
賃貸需要が旺盛な東京のワンルームマンションです。

今回の税制改正が示したのは、「節税ありき」の発想から、
「資産として本当に機能するか」という視点への転換です。

短期的な節税メリットだけを追い求めるのではなく、
長期にわたって家賃収入を生み、
その結果として相続対策にもつながる資産をどう築くか。
この考え方が、不動産投資ではより重要になります。

令和8年度税制改正大綱は、相続対策のあり方を大きく変える内容となりました。
特に、不動産小口化商品や駆け込み型の不動産購入は、今後難しくなります。

これからの時代に求められるのは、
長期で収益を生み続け、相続後も家族に喜ばれる「本当の資産」を持つことです。

税制改正はピンチではなく、投資の本質に立ち返るためのサインです。
ぜひこの視点から、相続対策を検討されてみてはいかがでしょうか。

日本財託 マーケティング部 S・H

◆ スタッフプロフィール ◆
セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。

年末ということもあり、少しずつ家の中を綺麗にしています。
先週末はお風呂の大掃除に着手。
はじめて排水溝の奥にある整流ブロックを取り外すと、そのあまりの汚さと悪臭に閉口。
まめな清掃を心に誓いました。

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