外国籍入居者の成約率を高める!電子契約で実現する来日前契約のスピード化

2026/06/11

近年、留学や就労を目的に来日する外国人の増加が続いています。

出入国在留管理庁の統計によると、2024年時点の留学・就労を目的に
来日した外国人は50万7,093人。
10年前の2014年と比較すると、2倍以上に増加しています。

この変化は、不動産投資の観点から見ても無関係ではありません。
来日者のなかには、学校や勤務先に近いエリアで単身向けの住まいを探す人もいます。

増加する外国籍入居者の受け入れ体制を整えることは、
空室期間の短縮や新たな賃貸需要の取り込みにつながる重要な施策です。

一方、来日前の外国籍入居希望者との契約において、
書類確認や署名手続きに時間がかかると、
申込後に別の物件へ流れてしまうリスクも否定できません。

そのため当社では、契約手続きを円滑に進める方法のひとつとして、
電子契約を活用することで、早期の契約締結につなげています。

そこで今回のコラムでは、外国籍入居者対応における契約手続きの重要性と、
電子契約によって申込後の解約リスクを抑える取り組みについてお伝えします。

まずは、従来の来日前契約で、
どのような手続きが発生していたのかを整理していきましょう。

来日前の入居希望者が物件を申し込む場合、
申込書やパスポートなどをメールで提出いただき、
管理会社や保証会社の審査を受ける流れが一般的でした。

審査通過後は契約書のPDFを送付、
現地で署名または捺印のうえ、メールで返送してもらいます。

しかし、この段階では契約手続きは完了していません。

正式な契約として扱うには、契約書原本への署名・捺印、
または電子契約による締結が必要となるため、
従来の契約では来日前のやり取りをあくまで「契約準備段階」として扱っていました。

そのため、来日後に仲介会社で同じ契約書へ再度署名・捺印を行い、
管理会社が原本を回収して不備確認を終えた段階で、正式な契約完了となります。

来日前に部屋を探している外国籍入居希望者の場合、申込時点では入居意思があっても、
契約完了までに時間がかかると、キャンセルにつながる可能性があります。

特に母国にいる段階では、学校や勤務先の周辺エリアで複数の物件を
比較しながら検討しているケースも少なくありません。

そのため、申込を受けた物件を確実に契約まで進めるには、
契約手続きのスピードが重要になります。

そこで、当社ではこうした課題を踏まえ、外国籍入居者向けの契約手続きを見直し、
2025年9月から電子契約の導入を進めてきました。
これは来日前契約の増加に伴い、契約書類の回収や不備確認にかかる業務負担も
大きくなっていたためです。

賃貸契約の実務では、入居希望者への契約内容の説明や手続き案内を
仲介会社が担うケースが多いのが実情です。

そのため、電子契約を円滑に運用するには、管理会社だけでなく、
仲介会社にも手続きの流れを理解してもらう必要があります。

そこで当社では、署名完了までの手順、必要書類の提出タイミング、
入居希望者への案内方法、よくある質問への回答例などをまとめた
電子契約マニュアルを作成しました。

仲介会社が現場で迷わず案内できるよう、実務で使いやすい内容に整えています。

また、当社管理物件では外国籍入居者のうち中華圏出身者が7割以上を占めているため、
日本語版に加え、中国語版の資料も用意しました。

入居希望者本人にとっても理解しやすい資料があることで、
手続きの遅れや確認漏れを防ぎやすくしています。

この取り組みを一部の仲介会社で試験的に導入していましたが、
2026年2月からは取引先仲介会社全体に向けて本格運用を開始。

繁忙期前には取引の多い仲介会社約70社を訪問し、
電子契約の流れや必要書類の確認方法、入居希望者への案内方法について
説明を実施しました。

現在では、来日前の入居希望者のすべての案件について
電子契約を必須としています。

また、外国籍入居者の申込から契約完了日までの期間を比較すると、
紙契約を中心としていた期間は平均30.91日だったのに対し、
電子契約導入後は平均12.92日となり、約18日短縮されています。

電子契約の最大のメリットは、契約完了までの期間を短縮し、
申込後のキャンセルリスクを抑える点にあります。

また、申込から契約完了までの期間を短縮することができたことで、
急な入居依頼にも対応できるようになりました。

今年3月、世田谷区にある築34年の賃貸物件に、
中国籍の20代男性留学生から入居申し込みがありました。

申込は3月中旬で、入居希望日は約2週間後。
従来の紙契約であれば希望日までに契約が完了できるか不透明な状況でした。

今回は電子契約を利用したことで、
審査完了後すぐに契約書類をオンラインで案内できました。

さらに、日本語・中国語の資料を用いて必要書類の一覧や提出方法を
仲介会社と確認し、申込者への案内を進めました。

その結果、申込日から17日後の入居日に無事間に合わせることができました。

この事例が示すのは、電子契約によって手続きが便利になるだけではなく、
入居希望日まで時間が限られている案件でも、成約の可能性を高められるという点です。

外国籍入居者の需要が広がるなかでは、物件条件だけでなく、
申込後にどれだけ早く、確実に契約まで進められるかも競争力の源泉になります。

同じ物件条件であっても、契約手続きが早く、来日前に契約を完了できる物件は、
申込者にとって選びやすく、仲介会社にとっても案内しやすい物件といえます。

当社ではこれからも、電子契約の導入や必要書類の多言語化、
仲介会社への事前説明などを通じて、外国籍入居者への対応力を高め、
安定した賃貸経営を支える体制づくりを進めていきます。

日本財託管理サービス 賃貸営業部 国際事業課 J・E

◆ スタッフプロフィール ◆
中国・上海市出身。
現在は賃貸営業部・国際事業課に所属。
海外在住の外国籍オーナー様とのやり取りをはじめ、外国籍入居者様の生活フォロー、
外国籍専門の仲介会社の開拓など、幅広くサポートしています。
最近趣味のキャンプに行けなかった代わりにBBQができる公園を見つけました。
さっそくアウトドア用のピザ窯を購入。
高温で素早く焼くことで食感の良いピザに仕上がり、最高でした!

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