平均賃上げ額が過去最高のニュースの裏で―老後資金の「終末格差」にいまどう備えるか

2026/08/20

賃上げ率は5.37%、5%を超える賃上げは3年連続。
これは経団連が発表した2026年春季労使交渉の最終集計です。

大手企業の平均賃上げ額は1万9,752円となり、
比較可能な1976年以降で過去最高を更新しました。

物価高が続く中での賃上げは、現役世代にとって間違いなく明るいニュースです。

一方、このニュースをそのまま「良かった」で終わらせられない方たちがいます。
すでに現役を退いた方、あるいは間もなく定年を迎える方です。

賃金上昇の恩恵を受けにくい世代にとって、
物価上昇はむしろ生活を静かに圧迫する存在になっています。

実際、老後資金は「2,000万円」と言われてきましたが、
最も厳しいケースでは5,000万円を超える可能性も示されています。

そこで、今回のコラムでは、インフレ時代に現役世代はどう備えるべきか、
また定年を間近に控えた方やすでに退職した方はどう資産を守るべきか、
データをもとにご紹介します。

2019年、金融庁の報告書をきっかけに「老後2000万円問題」という言葉が
大きな話題となりました。あれから7年が経ち、状況は変わりました。

2024年に公表された公的年金の財政検証では、4つの経済前提が示されました。
『終末格差』の著者である野口悠紀雄氏は、そのシナリオをもとに老後資金を試算し、
「過去30年投影ケース」では約3,460万円、
最も厳しいケースでは5,000万円を超える可能性を指摘しています。

しかも、この試算が発表されたあとも、物価上昇は止まっていません。
つまり、実際に必要な金額はこの数字よりもさらに膨らんでいくことも
考えられるのです。

現役世代は、賃上げによって物価上昇への対応が期待できます。

一方、退職後は収入の中心が年金になります。
年金は物価や賃金を反映して改定されますが、その伸びは限定的で、
生活費や医療費などの支出は物価とともに増えていきます。
この収入と支出のギャップこそ、インフレが高齢者に厳しい理由です。

だからこそ、備えは働いて収入が得られるうちに
始めておく必要があるのです。

老後資金の話になると、多くの方がまず考えるのは「いくら貯めるか」でしょう。
しかし、ここで見落としてはならない視点があります。

インフレでは、物価の上昇とともに現金の実質的な価値は低下します。
預金残高は変わらなくても、そのお金で買えるモノやサービスが減り、
実質的な購買力は低下していきます。

ここで本当に考えるべきは、「いくら貯めるか」という積み上げの発想だけではなく、
「インフレに負けない収入源をどう確保するか」という発想です。

では、インフレ時代に収入を生み出す資産には、どのようなものがあるのでしょうか。
その代表的な選択肢の一つが不動産です。

不動産は、立地や需給環境による差はあるものの、
家賃や物件価格が物価上昇の影響を受けやすい資産です。

これまでの不動産市場では、まず物件価格が上昇し、
家賃の上昇はそれに遅れて追いついてくるという流れが一般的でした。

そして今、物件価格に続いて、家賃にも上昇の動きが鮮明になりつつあります。

実際に当社が管理する東京23区の分譲タイプのワンルームマンションでも、
2026年4〜6月に成約した賃料は、解約前の月額賃料と比較して平均8,729円のプラス。
また、2010年以降に分譲された物件では、
解約前の賃料と比較して平均13,617円の家賃増額となっております。
特に、港区や中央区、千代田区といった都心部においては、
2万円以上の家賃増額に繋がった物件もありました。
このように当社の管理物件においても、家賃上昇が現実のものになっています。

そして、現役世代にとっては、今回の賃上げのニュースには、
もう一つ見逃せない意味があります。それは、不動産を活用した資産形成において、
賃金上昇がプラスに働くという点です。

背景にあるのは、給与水準と融資条件の関係です。

近年は初任給を30万円に引き上げる企業も珍しくなくなりました。
年収の水準そのものが底上げされているということは、
若いうちから融資条件を満たしやすくなっているということでもあります。

当社の不動産投資向けの提携ローンでは、
年収500万円が利用を検討できる一つの目安になります。

そして、ローンの返済には毎月の家賃収入を充てることができるため、
早く始めるほど、返済期間を長く取りながら無理のない形で
資産形成に取り組めるという利点があります。

さらに、今は家賃相場そのものが上昇傾向にあるため、
これから収益物件を持つ場合、収益性の面でも追い風が吹いている状況だと言えます。

不動産投資において、ローンを組むことに不安を感じる方もいるでしょう。

だからこそ大切なのは、繰り上げ返済を計画的に行いながら、
金利上昇に備える資金余力を確保しておくことです。

毎月の給与やボーナスの一部を繰り上げ返済にまわしていく。
この積み重ねが、ローン残高を早期に圧縮し、
金利変動への耐性を高めることにつながります。

では、すでに定年を間近に控えている方、あるいはすでに定年を迎えた方は、
どう考えればよいのでしょうか。

一つの有効な選択肢として挙げられるのが、
保有している金融資産の一部を、家賃収入が期待できる不動産に組み替えることです。

株式や投資信託といった金融資産は、一般的に10年、20年といった
長期の時間軸で運用してこそ、その効果を発揮しやすい性質を持っています。
直近の10年間の運用成績が良かったとしても、
これから先の10年間も同じように上がり続ける保証はどこにもないからです。

だからこそ、値動きの大きい資産から、
値動きが相対的に緩やかな資産へと、少しずつ軸足を移していくという
発想が重要になります。そしてその移行先として、
インフレに強い性質を持つ不動産を資産の一部に組み込むことは、
効果的な選択肢です。

毎月の家賃収入という形の定期収入は、株式相場の値動きに一喜一憂することなく、
生活の土台を支える収入源になります。

平均賃上げ額が過去最高というニュースは、多くの現役世代にとって明るい話題です。

しかしその裏側で、一定の前提に基づく試算では、
老後生活の必要資金額が、かつて話題となった「2000万円」からさらに膨らみ、
3500万円、最も厳しいケースでは5000万円を超えるという現実が横たわっています。

そしてインフレが続く限り、この数字はさらに大きくなっていく可能性があります。
問われているのは、「いくら貯めるか」ではありません。
「インフレに負けない収入源をどう作るか」です。

賃上げという追い風を受ける現役世代も、定年を迎える世代も、
それぞれの立場で今できる備えがあります。
まずは「収入源をつくる」という視点から、
自分にあった資産形成を考えてみてはいかがでしょうか。

日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 A・T

◆ スタッフプロフィール ◆
長野県坂城町出身。
マーケティング部でセミナー企画やHP運営、メルマガを担当し、
「東京・中古・ワンルーム」の魅力を発信しています。
先日、新婚旅行でロサンゼルスへ行ってまいりました。
1番の目的だった大谷翔平選手の観戦では、目の前でホームランを観ることができ、
最高の思い出になりました!これからも一生応援し続けます。


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