敷金・礼金・更新料から見えてくる東京の不動産投資の収益力
2026/09/17
地域によって、敷金や礼金、更新料の設定に大きな違いがあることをご存じでしょうか。
敷金・礼金をともに0円で入居者募集する物件の割合は、
東京23区と大阪府、愛知県、福岡県では大きく異なります。
また、更新料についても、そもそも設定しない地域もあります。
こうした賃料以外の募集条件等の地域差は、
投資エリアの選定の際に見落としがちです。
不動産を10年、20年と長期で保有することを考えると、
礼金や更新料といった賃料以外の収入の有無は、
不動産経営の収益力に大きな影響を及ぼします。
賃貸管理会社に管理委託している場合、
礼金や更新料がそのまま全額オーナーの収入になるわけではありません。
たとえば、入居者を募集する際には募集に伴う費用が発生し、
当社では新賃料の1カ月分を募集費用としています。
また、更新料についても、更新手続きに伴う手数料が必要となり、
更新料の50%を手数料として設定しています。
ただ、こうした募集費用や更新時の手数料は、特定の地域だけに生じるものではなく、
どのエリアでも不動産経営を行ううえで発生する費用です。
だからこそ重要なのは、
こうした費用がかかることを前提として、より高い賃料を維持しやすく、
礼金や更新料といった賃料以外の収入も得やすいエリアを選ぶことです。
そこで今回のコラムでは、敷金・礼金や更新料の地域差を確認しながら、
収益力の高い不動産投資エリアについて考えていきます。
まずは、敷金・礼金の動向について確認していきます。
敷金は、家賃の滞納や入居者の過失による室内や設備の汚損に備えて預けるお金であり、
そのままオーナーの収入になるものではありません。
一方、礼金は返還を前提としないため、賃料以外のオーナーの収入となります。
入居者にとって敷金と礼金がない物件は、
初期費用を抑えられるため、入居者に選ばれやすくなります。
そのため、その時々の賃貸市況に応じて、敷金・礼金をゼロにして募集するのか、
礼金を設定して契約時の収入を確保するのかなどを考慮しながら、
募集条件を設定することになります。
敷金・礼金を設定しても入居者を確保できることは、
そのエリアや物件の賃貸需要の強さを示す一つの材料となります。
一方で、敷金と礼金の設定がない、いわゆるゼロゼロ物件が多いことは、
入居者を確保するために募集条件を緩和する必要性が
高い市場であることを示す一つの材料といえます。
この点、2026年9月1日時点における
アットホーム社のワンルームマンションの募集データによると、
「敷金・礼金0」の物件の割合は、東京23区では17.7%でした。
これに対して、大阪府は42.3%、愛知県は52.6%、福岡県は54.9%となっています。
敷金・礼金0の物件割合の低さからも、東京は他の都市に比べて、
初期費用を抑えることに頼らず入居者を確保しやすい、
強い賃貸需要があることがうかがえます。
また、東京23区における敷金・礼金0の物件は、
他のエリアにはない特徴があります。
先ほどのデータによれば、
東京23区の敷金・礼金0のワンルームマンションは3,801件あり、
このうち約53%が築10年以内の物件でした。
東京では、敷金・礼金0の募集条件は、
単に入居者が決まりにくい物件のてこ入れ施策だけに用いられるのではないのです。
もともと、築年数の浅い物件は入居者からの高い人気を集めています。
そのため、早期に空室を解消するというだけの目的で敷金と礼金の設定を
抑えているわけではありません。
賃料を相場より高めに設定する代わりに、
敷金・礼金をゼロにして募集するケースもあり、
初期費用を重視する入居希望者に対して、募集時の強みとして発揮しやすいのです。
特に、最近は都内の築年数の浅い物件での賃料上昇が目立っています。
初期費用を抑えることで、より高い賃料設定を目指す募集戦略も考えられます。
こうした取り組みができるのも、旺盛な賃貸需要のある東京の強みです。
次に、敷金・礼金とあわせて、長期保有時の収入を考えるうえで
確認しておきたいのが更新料です。
アットホーム社のデータでは、
東京都で「更新料なし」と登録されている物件の割合はわずか4.3%です。
これに対し、大阪府は27.5%、愛知県は24.9%、福岡県は24.8%で、
およそ4件に1件の割合で更新料の設定がありません。
さらに注目したいのが、礼金や更新料が家賃と連動するという点です。
礼金や更新料の金額は定額で設定されるのではなく、
家賃の1か月分と設定されるケースが大半です。
そのため、家賃が上がれば、毎月受け取る賃料だけではなく、
家賃を基準に設定される礼金や更新料の金額も大きくなります。
ここで重要になるのが、東京の賃料水準です。
アットホーム社の全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向調査に
よると、2026年7月時点の東京23区の30㎡以下の賃料は114,147円。
大阪市の73,363円、名古屋市の64,906円を大きく上回っています。
こうした募集条件や更新料の違いは、不動産を10年、20年と長期で保有し、
入退去や更新を繰り返していくことで、
東京とその他のエリアとの収入額の差となって現れます。
例えば、更新料が賃料1カ月分で、月額賃料10万円の物件を10年間保有し、
2年ごとの更新が5回行われた場合、賃料が変わらなければ、
更新料だけで累計50万円になります。
こうした募集条件を支える要因のひとつが、東京の旺盛な賃貸需要です。
入居者となる若者人口が多く、賃貸需要が安定しているからこそ、
賃料水準を維持しやすく、礼金や更新料といった家賃以外の収益も連動して上昇し、
そして全体の収益を確保しやすいのです。
その点で、強い賃貸需要を背景に賃料水準を維持・向上させやすく、
礼金や更新料による収入も期待できる東京は、
関連する費用を考慮しても、
長期保有によって収益を積み上げやすい市場といえます。
目先の利回りだけでは見えない「長く持つことで生まれる収益力」は、
東京の不動産投資が持つ大きな強みのひとつです。
日本財託管理サービス リーシング部 H・T
◆ スタッフプロフィール ◆
鹿児島県鹿児島市
リーシング部にて入居者募集を行っています。
仲介会社様との関係強化のため日々訪問に力を入れています。
30年もの間推し活中の桑田佳祐さんのライブに行ってきました。
人生の節目節目に寄り添ってくれた音楽に、改めて幸せを感じました。







