紅茶を楽しむK・Mさん

前職では10年近く外壁塗装工事の訪問営業を行っていました。

一戸建てにお住まいの方や、マンションやアパートを所有している方のご自宅を訪れ、
現場での商談を通じて契約をいただく営業です。

いわゆる「飛び込み営業」という性質上、お話を聞いていただけないことも多く、
時には厳しい言葉を受けることもありました。

それでも、工事を無事に完了させた際にお客様から
「仕上がりがとてもきれいで満足している」
「話を聞いてみて良かった」
こうした言葉をいただけることがモチベーションに繋がり、やりがいに感じていました。

中でも特に印象に残っているのが、
私が入社後4年ほど経った時に行った案件です。

30代の若いご夫婦で、築20年ほどの中古の一戸建てを購入したばかりの方でした。

本来、外壁は10年ほどで劣化が進行し塗装が必要になるのですが、
手入れはされておらず、お客様は塗装の必要性もほとんどご存知ない状態。

しかし、初回訪問時に建物の現状を見てお話できたことで、
商談の機会をいただきました。

商談当日は奥様のご両親も同席され、
ご夫婦は外壁塗装の工事に前向きな姿勢。

しかし、お父様が慎重な姿勢を崩さなかったのです。

ご年配の方は飛び込み営業に対する警戒心も強く、私の説明にも懐疑的。

「壁の平米数はどうやって求めているのか」
「その量の塗料が本当に必要なのか」

お父様からの鋭い質問に対して、外壁塗装の必要性だけにとどまらず、
塗料の種類・性能・価格の根拠や材料ごとの特徴などを丁寧にご説明。

ご夫婦と、そのご両親全員が納得し進められるよう、
疑問を一つ一つ潰しながら熱意をもってお話し、
翌日の商談も含めると、計6時間にも及ぶ商談となりました。

その結果、最後には奥様が私の説明をアシストしてくれたこともあり、
全員が納得した形で工事のご依頼を受けることができたのです。

工事が完了した際、ご夫婦から
「父を説得してくれてありがとう。仕上がりにも満足している」
と感謝の言葉をいただきました。

さらに、当初は怪訝な表情を浮かべていたお父様からも
「きれいに仕上げてくれてありがとう。任せて良かった」
そう直接お伝えいただき、本当に嬉しかったことを覚えています。

あのとき粘り強く、真摯に向き合い続けた結果、
ご家族の皆様から信頼を得ることに繋がり、
物事を伝えるためには熱意と誠実さが何より大切だと実感しました。

現在は、縁あって日本財託に入社し、一棟物件のビルマネジメント業務を行っています。

直接お客様に提案する機会は減りましたが、
前職で培った姿勢と学びを大事にしながら
オーナー様の大切な資産を守れるよう努めていきます。

日本財託管理サービス　ソリューション事業部オーナーコンサルティング課　Ｋ・Ｍ

◆　スタッフプロフィール　◆
京都府京都市出身の33歳。
ソリューション事業部オーナーコンサルティング課に所属し、
巡回点検や日常清掃、緊急対応を行っています。
今は消防設備士の資格取得のために日々勉強中です。