教える前に相手を知るという効率のよい回り道
2026/02/26

息子と近所の広場でひと休みしているO.Rさん
私は以前、山口県の自動車教習所で指導員として働いていました。
合宿免許で多くの学生が集まる、県内でも最大規模の教習所です。
効率よく指導をするために、運転指導には細かなマニュアルがあり、
ほとんどの指導員はその通りに教え、私も疑うことなく従っていました。
しかし、次第に違和感を覚えるようになります。
上達の早さは、教え方よりも「もともとの呑み込みの速さ」に
左右されているように見えたからです。
そんな時、ひとりの生徒と出会いました。
彼は決して器用なタイプではありません。
目も合わせない、返事はない、話を聞いているのか分からない。
態度も不愛想で、正直に言えば「教えにくい生徒」でした。
「無事に卒業させられるだろうか」
不安を感じていた、ある日のことです。
教習を終えて戻ると、本来その日は予定がないはずの彼が、
教習所に残っていました。
それから何度も、教習外の時間に彼を見かけるようになります。
友人と運転のコツを真剣に話し合い、
ノートにびっしり復習を書き込んでいました。
その姿は、教習中とはまるで別人のようで
「この生徒を知らないのは自分だった」と気づいたのです。
その日から、教習の合間に何気ない会話を重ねるようになり、
やがて少しずつ笑顔を見せるようになりました。
すると、運転技術もめきめきと上達していたったのです。
卒業の日、一緒に写真を撮りながら名残惜しそうに笑った彼を見て、
私ははっきりと理解しました。
「人に何かを伝えることは、相手を知ることからしか始まらない」
もし、彼の印象だけで判断し続けていたら、
卒業式での笑顔を見ることはできなかったと思います。
効率的だと思っていたマニュアルは、
一人ひとりを見るという意味では、もっとも非効率なものだったのです。
現在、事故サポート課で協力会社様と関わるなかでも、
コミュニケーションのすれ違いが起きることがあります。
そんなとき思い出すのは、教習所で出会った生徒の笑顔です。
必要なときだけ話すのではなく、普段から相手を知ろうとすると、
いざという場面で心の通った対応が生まれます。
これからも、出会う人に興味を持ち、
関係そのものを楽しむことを大切にしていきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理部 事故サポート課 O・R
◆スタッフプロフィール◆
山形県山形市出身の33歳。
主に漏水事故対応を行っている管理部事故サポート課のマネジメントに従事しています。
昨年は自宅を購入し、所沢に拠点を移しました。
今月は車も購入したので、家族で埼玉を開拓しようと思います






