カンボジアの子どもたちが教えてくれた一番の財産
2026/07/16

カンボジアの民族衣装を着て記念撮影するA・Hさん
大学時代、私は3度にわたり、カンボジアで教育支援のボランティア活動に参加しました。
子どもたちに勉強を教え、少しでも力になれれば──。
当時の私は、そんな思いで現地へ向かいました。
しかし、この経験は私の予想とはまったく違うものになりました。
支援先の村までは、空港からバスを乗り継いで約7時間半。
初めて村へ向かう道中、私の頭の中には、勝手につくり上げた子どもたちの姿がありました。
「十分な教育を受けられず、困っているのではないか」
「自分たちが励まし、支えなければならない」
私は完全に、自分を"支援する側"に置いていたのです。
ところが、村に到着した瞬間、その考えはあっけなく覆されました。
子どもたちは満面の笑みを浮かべ、一斉に駆け寄ってきました。
まるでアイドルを迎えるかのように、手を振り、笑い、
私たちの訪問を全身で喜んでくれたのです。
そこにいたのは、私が勝手に想像していた「かわいそうな子どもたち」ではありません。
明るく活発で毎日を精いっぱい楽しんでいる子どもたちでした。
ある日、何気ない会話から将来の夢の話になりました。
「僕は教師になりたい」「私は医師になりたい」
目を輝かせながら、時には身振り手振りを交えて
自分の言葉で夢を語る子どもたちの姿に、私は大きな衝撃を受けました。
振り返れば、日本で学生生活を送っていた私は、
友人との何気ない会話のなかで、
自分の夢を真剣に語ったことは、ほとんどありません。
一方で、目の前にいる子どもたちは、
教育環境という面では、決して恵まれているとはいえません。
それでも、自分の未来を信じ、学ぶことにまっすぐ向き合っていたのです。
私は彼らに何かを与えるために、カンボジアへ来たつもりでした。
しかし実際には、夢を持つことの尊さを教えてもらいました。
学び続ける姿勢を見せてもらいました。
そして、前を向いて生きる勇気をもらいました。
支えにきたつもりの私が、いつの間にか支えられていたのです。
今でも壁にぶつかりそうなときは、
私はカンボジアで出会った子どもたちの笑顔を思い出します。
目を輝かせ、自分の未来を信じて学び続ける姿が、
「もう少し頑張ってみよう」と、私の背中を押してくれます。
帰国した今でも、あのとき出会った子どもたちの姿や言葉に励まされ、
前へ進む力をもらっています。
ボランティア活動を通じて子どもたちに届けたもの以上に、
彼らから受け取ったものの方が、ずっと大きかった。
それが、私にとってカンボジアで得た一番の財産です。
日本財託 流通事業本部 A・H
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横須賀市出身。
流通事業部の一員として、お客様の大切な資産の売買をスムーズに行うことができるように
契約や、交渉などを通して、お手伝いをしております。
大の海外旅行好きで、今年の9月にカンボジアにも渡航予定です。
学生時代のボランティア仲間たちと現地の子どもたちとの再会が待ち遠しいです。






