疎遠だった祖母と歩いた結婚式
2026/10/22
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祖母とともに花道を歩くT・Aさん
2026年5月、私は結婚式を挙げました。
披露宴には、お色直しのために一度会場を離れる「中座」という時間があります。
その際、家族や友人など、大切な人にエスコートをお願いすることが一般的です。
私が選んだのは、祖母でした。
とはいえ、昔から仲が良かったわけではありません。
ほんの1年前までは、数年に1度顔を合わせ、敬語で近況を尋ね合う程度の関係でした。
そんな祖母との距離が縮まったのは、結婚式を約半年後に控えた2025年末のこと。
帰省した際、祖母も実家に泊まりに来ており、1週間ほど一緒に過ごすことになりました。
ある日、祖母が畑で採れた野菜を使って、煮物の作り方を教えてくれることになったのです。
最初は何を話せばよいか分からず、気まずい時間が流れていました。
そんなとき、祖母が「お仕事はどうなの?」と声をかけてくれたのです。
そこから少しずつ会話が弾み、料理ができるのを待つ間、
祖母は自分の人生を語ってくれました。
祖母は現在83歳。
農家に生まれ、お見合い結婚を経て、長年畑仕事を続けてきました。
結婚相手も仕事も、今ほど自由に選べる時代ではありません。
思い通りにならないことも多かったそうです。
それでも、祖母はこれまでの人生を幸せだと振り返ります。
「仕方ないと諦めるのではなく、つらいことも自分で楽しもうと思えば変わるものよ」
その言葉が、私の心に残りました。
当時の私は、これから始まる結婚生活に漠然とした不安を抱えていました。
夫とはこれまで大きな喧嘩をしたことがありません。
だからこそ、これから意見がぶつかったとき、うまく乗り越えられるだろうか。
そんな心配があったのです。結婚という選択に後悔はありません。
それでも、これから先も幸せでいられるのか、
まだ見ぬ未来に答えを求めていたのかもしれません。
しかし、祖母の話を聞いて、考え方が変わりました。
大切なのは、幸せな結婚生活が待っているかどうかではなく、
二人でどう幸せな生活を築いていくか。
正しい道を選ぶことではなく、自分で選んだ道を幸せなものにしていくこと。
祖母はそのことを、自らの人生を通じて教えてくれたのです。
そして迎えた結婚式当日。
中座の時間「人生で一番素敵な格好ができたわ」と、
留袖に身を包んだ祖母は涙を浮かべながら、くしゃっと笑いました。
手を取り、歩き始めたとき、私にだけ聞こえる声でこう伝えてくれたのです。
「自分の幸せは、自分で掴み取るのよ」
握りしめてくれた、しわの刻まれた手。
その温もりから、祖母が歩んできた83年間の人生が伝わってくるようでした。
ほんの1年前まで、敬語で近況を尋ね合っていた祖母。
そんな祖母と、人生の大切な節目に手を取り合って歩く日が来るなんて、
想像もしていませんでした。
いつか私も祖母のように、自分で選んだ道を振り返り
「この人生でよかった」と笑えるように。
あの日、祖母と歩いた道を忘れず、
これからの人生を、一歩ずつ歩んでいきたいです。
日本財託 オーナー事務局 相続サポート課 T・A
◆ スタッフプロフィール ◆
新潟県長岡市出身。
オーナー事務局相続サポート課で、オーナー様へ相続対策のセミナーを開催し、
ご相談をお受けする部署の事務をおこなっています。
ジョジョの奇妙な冒険を始めとし、少年ジャンプに連載された漫画のアニメ作品に
非常にハマっています。想定外のことや大変なことがあると「やれやれだぜ」と、
ついあの人気キャラクターのマネをしてしまいます。






