お客様の思いをくみ取る
2019/03/28
『いらっしゃいませっ!』
フロアに響き渡るスタッフの元気の良い挨拶。
店内は電話が鳴りやまず、カウンターも満席。
慌ただしく応対するスタッフがフロアを行き交います。
賃貸仲介会社に就職して初めて訪れた繁忙期は、活気に満ち溢れ、毎日がとても楽しかったのを覚えています。
私が就職した不動産会社は、完全歩合制の賃貸仲介営業でした。
配属されたのは東京の2つの支店のうちのひとつ。
埼玉で育った私は渋谷や新宿、池袋といったターミナル駅でこそ知ってはいたものの、それ以外はまったく知り得ません。
しかし、完全歩合での雇用なので、1件も契約が取れなければ収入は0です。
そのため入社1ヶ月目は、死に物狂いで東京の『街』を覚えていきました。
コピーした路線図を通勤中の電車内で広げ、路線名や駅名を暗記し、覚えた駅付近の物件へ足を運び、周辺環境の特徴を頭に叩き込んでいきます。
毎日朝9時に出社し、夜は終電近くまで仕事をこなしながら知識を付けていきました。
2ヵ月目からは、さっそく営業に参加します。
最初の1ヶ月は19人の営業のうち、10位の成績。
しかし、成績は特に気にしていませんでした。
営業に出た私は、お部屋を探すお客様の要望を叶えるため、納得のいくまで、丁寧に対応させて頂ければおのずと数字もついてくると考えていたためです。
だからこそ、1日の終わりには必ず、その日のお客様とのやり取りのなかで気づいた、自分の説明で気になることや新しい発見をノートに書き連ねていきました。
そして、はじめて迎える繁忙期。
この時期は、北海道から沖縄まで、全国の方が東京への引っ越しのため店舗を訪れます。
お客様には出身地や趣味、上京する理由などをお聞きしながら、どんなお部屋を望まれているかヒントを探していきます。
あわせて特に気を付けていたことは、お申し込みとお引越しの時期についてです。
お申し込みする時期が1月で、実際にお引越しされるのは3月の場合、その間の家賃が無駄になってしまう可能性があります。
しかし、ギリギリまでお申し込みを待ってしまうと、人気のお部屋からどんどん埋まってしまい、選択肢がなくなってしまいます。
お客様が勘違いをしないよう、両方のメリットとデメリットを丁寧に説明し、選択していただくように心がけました。
その結果、入社4カ月目で断トツの成績1位を獲得できたのです。
これをきっかけに、仕事がもっと楽しくなり、どうしたら私から部屋を借りたいと思っていただけるかを考え、それをノートにまとめ、さらにまとめた内容を次のお客様に話して、その反応を確かめる。
賃貸仲介業を極めようと、繰り返しこなしたところ、若手の研修も任されるようになり、それから3年後には店長へと昇進。
当初2店舗だった支店は、5店舗へと拡大することができたのです。
現在は、より様々な不動産に関わりたいという思いから、日本財託に入社して、物件の仕入れ業務に携わっています。
当時のようにノートでまとめることはなくなりましたが、代わりにエクセルで案件ごと、取引の内容や手順などをまとめ、いつでも見直せるようにしています。
4月からは新しく新卒社員も入ってきます。
はじめて不動産業に携わったころの気持ちを忘れることなく、お客様の想いに応えられる仕事がこなせるように精進していきたいと思います。
日本財託 事業部 仕入開発課 根岸 正典(ねぎしまさのり)
◆ スタッフプロフィール ◆
埼玉県白岡市出身の34歳。
事業部仕入開発課に所属し、立地や利回りなどの厳正な条件のもと、確実に入居者が付く優良な投資用マンションを仕入れています。
今年のゴールデンウィークは友人たちと東京湾でジェットスキーを楽しむ予定です。
ひと足先に夏を楽しみたいと思います。