オーナー100人が一斉蜂起!家賃減額を巡る訴訟からみるサブリース契約のリスク

2017/03/09

『およそ100人のアパートオーナーが、

家賃を巡ってこれから集団訴訟を起こす。』
 
先月末、そんなびっくりするニュースが、
飛び込んできました。

 
オーナーはいずれもある不動産会社で
アパート経営を始めた個人投資家ばかりです。
 
建設から10年間、
家賃収入は不変という契約書だったにも関わらず、
 
数年後に会社都合により減額されたため、
家賃収入の減額分の支払いを求める訴訟です。
 
契約に違反したのだから、家賃を補償するのは、
当然だろうと考える人もいるでしょう。
 
しかし、サブリースによる家賃保証は、
一筋縄ではいきません。
 
『安心の30年一括借り上げ』の甘い言葉の裏には、
落とし穴があるのです。
 
そこで今回のコラムでは、今回の訴訟とその論点、
そしてサブリース契約の問題点について、
解説していきたいと思います。
 
 
報道によれば、100人以上のオーナーが、
「10年未満に減額された方の会」を結成し、
集団訴訟を予定しています。
 
先月22日には、集団訴訟に先駆け、
愛知県の80歳男性が訴訟を起こしました。
 
このオーナーは、2005年1月に、
総戸数20戸のアパートを建設。
 
不動産会社と月額77万7800円の
サブリース契約を結びました。
 
サブリース契約は、
不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、
入居者に転貸することにより、オーナーは空室であっても、
一定の家賃が保証されるしくみです。
 
オーナーが不動産会社と結んだ賃貸契約書には
『賃料は当初10年は不変』と明記されていました。
 
しかし、6年後の2011年10月、
経営難を理由に保証家賃が減額となりました。
 
月額約10万円、年間にしておよそ120万円の家賃収入が
減少してしまったのです。
 
 
たしかに、当時はリーマンショックの影響で
アパートの新規建設が落ち込んだことから、
この会社は2期連続で200億円以上の赤字を計上しています。
 
オーナーはこの提案を受け入れましたが、
業績回復後も保証家賃が元に戻ることはありませんでした。
 
家賃の再値上げを巡り、3度にわたる調停を行ったものの、
折り合わなかったようです。
 
オーナーは家賃の増額と、
交渉開始後からの期間に得られたはずの収入81万円の
支払いを求めています。
 
 
100人にのぼる他のオーナーも、多かれ少なかれ、
同様の問題を抱えているようです。
 
オーナー会の代表は
『倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど』
とコメントしています。
 
一方、不動産会社としては、
『周辺家賃相場に合わせて家賃を増額した例もある』
また、
『相場が回復せず減額したままの地域もあり、
当物件は近隣の相場と比較しても妥当な家賃と考えている』
との主張です。
 
これだけを聞けば、
「会社の業績が回復したのなら、元の額に戻すべきだ」
 
「家賃相場がどうあれ『10年不変』としたのだから、
オーナーに補償するのは当然だろう」
  
そう感じる人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、事態はそこまでオーナー側に
有利というわけではありません。
 
そこには、サブリース契約独特の事情があります。
 
 
賃貸借契約は、借地借家法という法律に基づいて、
交わされます。
 
この法律は、貸す側が強い立場にあるということを前提に、
借主を保護するために定められています。
 
借主には将来の家賃の増減額を主張する権利、
「賃料増減額請求権」があります。
 
分かりやすくいえば、入居者は
 
「周りの物件の家賃に比べて、
我が家の家賃は不当に高すぎるから下げてくれ」
 
とオーナーに求めることができるということです。
 
サブリース契約の場合、アパートオーナーにとって
直接の入居者は一括借り上げをするサブリース会社です。
 
実は、サブリース会社にも借地借家法に基づく
賃料減額請求を認める判決が、2003年に最高裁で出ています。
 
不動産会社とオーナーの間で、
具体的にどういった文言の契約書が交わされていたのかは、
私たちには分かりません。
 
とはいえ、契約書で「10年間賃料は不変」としても、
借主に不利だと判断されれば、
この文言は無効とされる可能性があります。
 
不動産会社の言い分通り、
賃料が周辺家賃相場と照らして適切であれば
 
なおのこと、現状の支払い額は妥当と判断され、
減った分の補償は受けられないかもしれません。
 
 
さらに、サブリース契約の問題点は、
家賃の減額に関わる話だけではありません。
 
いざ解約しようにも、
すぐに解約できなかったり、
 
数か月分の家賃に相当する高額な支払いをしないと、
解約できない場合があります。
 
 
逆に、借主のサブリース会社側からは、
比較的容易に解約しやすくなっています。
 
2か月前に一方的に解約の通告を受け、
入居者を別の物件に丸ごと移され、
 
空っぽのアパートだけを残される、
といった事例も現実に起きているのです。
 

しかし、法律はあくまでも弱者とされる借主、
サブリース会社に有利になっています。
 
この実態と法律関係のねじれが、
サブリース問題の根幹にあります。
 
 
では、こういった事態に陥らないためには、
どのようにすれば良いのでしょうか。
 
結論からいえば、
そもそもサブリース契約が不要な場所で、
不動産投資を行うということです。
 
賃貸需要が長期にわたり安定していれば、
高い手数料を払ってまで、
家賃保証を選ぶ必要もありません。
 
オーナーと賃貸管理会社との契約は、
主にサブリース契約と集金代行契約の2種類です。
 
東京23区の徒歩10分圏内といった
賃貸需要が安定している物件であれば、
 
サブリース契約を結ぶよりも、
一般的な集金代行契約にしたほうが、
収益性も高まります。
 

ただ、残念ながら地方や郊外では
サブリース契約をあてにしたアパート建設が、
未だに後をたちません。
 
今年1月、内閣府はこの状況に警鐘を鳴らす
『経済財政分析ディスカッション・ペーパー』を発行しました。
 
このレポートでは、今後、貸家建設数が潜在需要を上回り、
供給過剰になるという予測が示されています。
 
ただでさえ人口減少が進む
地方郊外のアパート経営はますます厳しくなることは
間違いありません。
 
『10年保証』『30年一括』といった
目先の家賃保証や表面利回りの高さに惑わされ、
賃貸需要の乏しい場所にアパートを建てることは
将来大きなリスクを抱えることになります。
 
もともと空室リスクが少ない、
東京23区の駅から10分以内の不動産であれば、
サブリース契約で空室リスクを負担してもらう必要もありません。
 
不動産投資を始める前には、
将来にわたって賃貸需要が見込める立地なのか、
冷静な目で判断することが大切です。
 
 
日本財託 マーケティング部 横尾 幸則(よこおゆきのり)
 
 
◆サブリースと集金代行、2種類の契約を比較した
収益性のシミュレーションの詳細は、
 
先日発売された当社代表 重吉勉の著書
『低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人』
にまとまっていますので、宜しければご覧ください。
 
≪書籍のご案内はこちらから≫
http://www.nihonzaitaku.co.jp/lp_book_6/
 
◆ スタッフプロフィール ◆

  
埼玉県大宮市出身の29歳。
  
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、
メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝える。
 
数日前から、どうにも目がしょぼしょぼして、
ただでさえ細い目が開けられないと思っていたら、
どうやら花粉症デビューした模様。

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