海外で働く母の真相
2019/04/25
「仕事でシンガポールに転勤になった」
5年前のちょうど今頃、突然、母が家族の前で報告をしました。
もともと転勤の多い仕事柄でしたので、そのときは『今度は海外かぁ』と思う程度でした。
しかし、母は私に向き直り、「これでやっと海外で生活ができるね!」と伝えたのです。
一瞬何のことかわからず、間を開けてしまったのですが、私が興味を持っていた「語学留学」のことだと気が付きました。
以前から、海外生活に憧れがあり、人生経験にもなると思っていたので、母にはいつか語学留学をすると宣言していました。
しかし、明確な目的はなく、漠然とした夢だったので、実際の行動には移せずにいました。
そんなときの母からの提案だったので、今度こそは絶対に行動すると決め、半年先のシンガポール行きのチケットを購入しました。
それからは必死でお金を貯め、半年後に母と一緒にシンガポールへ渡航。
その後、物価の問題でセブ島の語学学校へ通うことになり、結局母とは離れて暮らすことになりましたが、3カ月ほど語学を学び、現地の友人も作ることができ、充実した時間を過ごすことができました。
私が語学留学から帰国した後も、母は現地に残り、いまも仕事を続けています。
「やっぱり日本が一番。すぐに日本に帰りたい」と、一時帰国するたびに話しています。
「じゃあ、なんでシンガポールに行くことにしたの?」
そう問いかけると、母は、
「自分がシンガポールに行けば、亜美が行動しやすくなると思ったから。亜美のためだよ」
と、さらっと返されました。
母は全く英語が話せません。
年齢も50を過ぎ、持病もあります。
いくら私のためとはいえ、母にとっては相当な苦労があったはずです。
不慣れな環境にもかかわらず、私のためにシンガポールまで行ってくれる、そんな母の愛情の大きさに気づかされました。
さらに、現地の方と親しくなり、私が帰国してもそのまま住み続ける母の行動力には、驚かされてばかりです。
そんな母への恩返しをいま考えており、定年後に行きたいと言っていたイタリア旅行へ一緒に行きたいと考えています。
そして、いつか母のような人のために働き、どんな場所でも自分らしく振舞うことができる逞しく、優しい女性になれるよう自分を磨いていきたいと思っています。
日本財託管理サービス 管理受託部 福田 亜美(ふくだあみ)
◆ スタッフプロフィール ◆
北海道札幌市出身。
物件の仕入・管理受託に伴う貸主変更手続きを担当しています。
お客様へお送りする書類の作成や連絡を行っており、貸主変更時のご入居者様へ初めに連絡をとるため、わかりやすく丁寧に対応するよう心がけております。
今度のGWには、お互い札幌に一度帰る予定です。
最近の母とのLINEは、食べに行きたい札幌の美味しいお店のことばかりです。
なかでも"きのとや"のソフトクリームが大好きなので、札幌にいる間に4回は食べようと意気込んでいます。