退去を渋る入居者にどう対応する!?再開発の建て替えに伴う入居者交渉の現場とは

2023/11/02

当社の管理物件のなかには、
稀に物件の所在地が新たな再開発事業エリアに指定されることがあります。

東京の各地では大小様々な再開発事業が盛んに行われ、
老朽化した建物が新たに生まれ変わろうとしています。

当社のオーナー様のなかでも、
一帯の再開発とともにマンションが建て替えとなったケースがあります。

その場合、オーナー様には「売却」か「建て替えられた新築マンションを割安で購入する」という
2つの選択肢があります。

ワンルームとはいえ、港区のような都心部では、
高いもので5,000万円を超える場合もあります。

再開発ともなれば、新築マンションを相場価格よりも
ずっと価格を抑えて手に入れることができるのです。

その一方で、建て替えのためには、
現在の入居者様には転居してもらう必要があります。
これが簡単な話ではありません。

入居者様にご納得をいただいたうえで、
前向きに転居の準備を進めてもらう必要がありますが、
なかには思い入れの強い物件に、留まろうとする方もいらっしゃいます。

当社の管理物件でも、再開発による建て替えが決まった物件からの
退去を渋る入居者様がいらっしゃいました。

今回のコラムでは、その入居者様との転居に向けた交渉事例と
適切に退去してもらうための当社の取り組みをご紹介します。

建て替えの対象となったのは
都内にある総戸数400戸を超える築50年ほどのマンションです。

当社では、そのマンションのうち、ひと部屋を20年以上前から管理してきました。

再開発自体は10年ほど前に決定していましたが、
具体的な実施時期はなかなか決まらなかったのです。

建て替え工事がはじまれば、
その時の入居者様には退去してもらう必要があります。

そのため当社では、再開発事業の決定以降、
新しく入居されたお客様とは「定期借家契約」を結んできました。

定期借家契約とは、あらかじめ契約期間が決まっている賃貸借契約です。

更新することができないことから、定期借家契約を結んだ入居者様は
期日が来る前に新しい転居先を決めて退去する必要があります。

定期借家契約では、その契約期間を2年に定めることが一般的ですが、
基本的には1年未満でも、3年以上でも自由に契約期間を設定することが可能です。

当社では2年の契約期間で入居者様と契約をしていました。

定期借家契約を結び始めてから4人目の入居者様が、
50代後半のAさんです。

約2年前に入居された時には、
2023年9月から建て替え工事がはじまることが決定していたので、
Aさんもご納得のうえ、2023年8月末までの定期借家契約を結びました。

契約までの半年を切ったタイミングで
契約満了に伴う退去に関する書面を送付。

契約満了まで約1ヵ月となったところで
ご状況をお伺いするためにお電話を差し上げました。

しかし、Aさんは電話に出ず、その後の折り返しもありません。
日にちを変えて連絡しましたが、それでも一向に連絡はつきません。
不審に思い、お住まいへ訪問することにしました。

半年後に建て替え工事がはじまるということもあり、
該当のマンションはほとんどの部屋が退去済みでした。

400戸以上のマンモスマンションですが人の気配がほとんどせず、
6基あったエレベーターも1基を残して稼働していない状況です。

Aさんのお部屋の郵便受けの投函口には、
チラシや郵便物が目一杯に溜まっていました。

その日は、マンション前で待たせてもらったのですが、
誰もマンションから出入りする様子はなく
あたりが暗くなると、電気がほとんどついていない巨大なマンションは
より一層の不気味さを漂わせていました。

結局、お会いすることができずに帰社することにしました。
その後に何度か訪問しましたが不在。溜まった郵便物もそのままです。

そこで、万が一の事態を想定し、
警察立ち合いのもと、安否確認を実施することにしました。

合鍵を使い、ドアを開けてみると
最初に目に飛び込んできたのは、なぜか玄関に置かれていた自転車でした。

床は足の踏み場がないほどに物が散乱し、室内は電気がつけっぱなし。

部屋に上がってみると、居室にあるベッドまではたどり着けるものの、
窓の周辺は胸の高さまで物が積み重なっています。

警察の方と共に部屋の中を確認しましたが、Aさんの姿は見えません。
どうやら、荷物やゴミを置いて外出し、戻ってきていない様子でした。

その後、電話をかけても出てくれず、
「契約満了間近です。このままですと、再開発ができず大きな問題に発展します」
とショートメールを送信。

すると「10日後には引っ越します」とAさんからようやく反応が返ってきたのです。

ひとまずAさんの無事が確認されたことに安堵しましたが、
その時点で契約満了日まで10日を切っている状況です。

まずはお会いしなければ話が進まないと考え、
とにかくお会いできるようなんとか交渉すると
8月31日にお会いできることが決まりました。

当日、顔を合わせたAさんは、少し疲れた様子でした。

自分以外はほぼ誰も住んでいないマンションに取り残されれば、
精神的に追い詰められることも想像に難くありません。

Aさんに転居できていない理由をお聞きすると、
年齢や費用面から転居先が見つからず先に進まなかったとのこと。
ここ数日は24時間営業の漫画喫茶などを転々としていたそうです。

これまでも多くの入居者様の転居をサポートしてきましたが、
Aさんの場合は、建て替えも間近で猶予がありません。

この打合せの前に再開発組合と折衝して、
退去を2週間先まで待ってもらえるようになったことをお伝えし、
Aさんには一時的に転居できる場所があるかどうか尋ねます。

すると、隣県に住んでいる親戚の家に心当たりがあるとのこと。
早速、荷物を置かせてもらえるよう、相談してもらうことになりました。

さらに、9月半ばまでに退去する旨と、
残置物が残っていた場合の撤去の手配を保証会社に一任する旨を
書面で取り交わすことができました。

その後、Aさんは予定通りに期日までに部屋を退去。
いまは親戚の家に荷物を置かせてもらいながら、新居を探しているとのことでした。

このように、事前にご納得いただいたうえで定期借家契約を結んでいたとしても、
期日が迫るにつれて心変わりし、退去を渋る入居者様もいらっしゃいます。

その場合、電話やメールでのご説明だけでは
どうしても納得されなかったり、ご連絡が取れない場合もあります。

そのようなときこそ、実際に入居者様と直接お話して、
粘り強く交渉を進めていくことが求められます。

こちらの要望を一方的に伝えるのではなく、
入居者様のご事情もしっかりお聞きしたうえで、
残された時間の中でできることを、一緒になって考えることが重要です。

これから先、再開発だけでなく、老朽化したマンションが多くなることを考えると、
転居の交渉はますます増えていくと予想されます。

このような時こそ、実績と経験のある専門スタッフがいる
賃貸管理会社に任せておくことが重要となります。

今後、同様の案件が起こったとしても、
入居者様が退去を渋り建て替え工事に支障をきたさないよう、
お一人お一人のご事情にしっかり寄り添って誠心誠意対応していきたいと思います。

日本財託管理サービス 債権管理部更新契約課 E・K

◆ スタッフプロフィール◆
埼玉県春日部市出身39歳。
債権管理部更新契約課に所属し、契約者様への更新案内・賃料改定交渉・更新料督促業務を行っています。
最近は家庭菜園を始めました。お義母さんからいただいたミョウガがついに1個実りました。
来年の夏はスイカにチャレンジしてみたいと思います。

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