都庁に投資用不動産の相談窓口が新設! 相談事例からみる初心者が気を付けるべきポイントとは
2025/05/01
4月7日、東京都庁に「投資用不動産特別相談窓口」が設置されました。
以前から、東京都では不動産専門の相談窓口を設けていましたが、
今回は『投資用』に特化した相談窓口の新設となります。
設置の背景には、オンラインで手軽に不動産投資を始められるように
なったことがあります。
都庁の担当者によれば、不動産会社のセールストークに流されるまま、
知識不足の状態で購入してしまう若年層も増えてきているそうです。
では、実際にどのような相談が多く寄せられているのでしょうか。
そして、事前にどのような点に気を付ければ、トラブルを未然に防げるのでしょうか。
そこで今回のコラムでは、不動産窓口に寄せられる
代表的な相談内容を3つご紹介しながら、
購入時に注意すべきポイントについてお伝えします。
窓口に一番多く寄せられている相談が「迷惑勧誘」です。
「不動産会社から何度断っても毎日勧誘電話が続く」
「深夜になっても担当者が帰ってくれない。」
このような相談は、令和5年度で853件にも上ります。
あくまでも窓口で把握している数ですので、
実際に「迷惑勧誘」行為を受けた経験のある方は、もっと多くなるはずです。
そもそも、宅建業法では断った後の再勧誘や深夜の営業、
強引な訪問等の迷惑行為は明確に禁止されています。
また、営業の際にも「絶対に儲かる」などといった誇大広告を禁止しています。
多くの不動産会社では誠実にお客様に向き合い、提案を行っていますが、
残念ながら、一部の不動産会社では、
こうした不適切な営業行為が行われることがあります。
このような事象が発生した場合、まず重要なのは、
購入の意思がない旨を担当営業に電話やメールで明確に伝えることです。
迷惑行為が続く場合には、すみやかに窓口に相談することをお勧めします。
また、絶対に儲かる、損をすることはない等、射幸心をあおるようなトークや
将来に対して確定的な表現を用いて提案をしてくるようなことがあれば、
疑ってかかる姿勢が必要です。
2つ目は、よくわからないまま投資用不動産を購入してしまい、
月々の収支がマイナスの状態が続いて困っているというケースです。
例えば、都内のワンルームマンションを購入する際に、
ほとんど自己資金を出さなかった場合、
家賃収入から管理費・修繕積立金、集金代行手数料、そしてローン返済額を差し引くと
月々の収支は、数千円のマイナスになることがあります。
ただ、マイナスのキャッシュフローであっても、
それだけで投資対象として適さないというわけではありません。
月々のキャッシュフローがマイナスだったとしても、
ローン返済は、入居者の家賃収入を活用できるため元本の返済は進んでおり、
水面下では、純資産が拡大していきます。
そして、繰り上げ返済のなかでも毎月の返済額が軽減される「返済額軽減型」の
繰り上げ返済を行えば、毎月のキャッシュフローは改善されていきます。
ただ、今回のケースのように、不動産投資の仕組みに対する理解が不足していたり、
自分のリスク許容度を把握していなかったりすると問題です。
不動産投資の目的や投資手法があいまいなままで、
節税になる、値上がりするといったうたい文句で購入された方が、
マイナスキャッシュフローが積み上がっていくのをみて不安になるのは当然です。
大切なことは、
不動産投資をなんのために行うのかという目的をしっかり把握すること。
そして、マイナスキャッシュフローに対して、どのように対応していくのか、
プラスキャッシュフローに転じるためには、
毎年どのくらいの金額を繰り上げ返済すべきなのか、
事前に計画を立てておくことです。
不動産投資に対する理解を深め、購入後の行動を事前に計画しておけば、
投資の不安は和らげることができます。
そして、最後にご紹介する相談内容がサブリース契約に関する相談です。
「投資用不動産を購入してサブリース付きで契約したが、家賃が減額された」
「サブリース契約を解除したいのに、応じてくれない」
こうした相談が中心です。
サブリース契約とは、オーナーが所有する賃貸物件を不動産会社が借り上げて、
入居者に転貸する契約です。
オーナーが手にする保証賃料は、本来得られる家賃の80%~90%ほどですが、
その分、空室リスクを担保することができます。
その一方で、今回のケースのようにサブリース契約のデメリットを
理解せずに契約してしまうと、前述したように、
約定していた賃料額をサブリース会社から一方的に引き下げられる、
サブリース契約を解除したいのに、不動産会社が応じてくれないなどのトラブルに
発展するケースがあります。
サブリース契約においては、これまでにも相談が多かったことから
消費者庁も特設ページを設けて注意喚起を行っております。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_011/
相談にあったように、契約期間中であっても賃料が減額されるケースもありますし、
こちらからの解約には応じなくても、不動産会社から契約が解約されることもあります。
契約前には、こうしたリスクについてもしっかりと認識したうえで、
それでもサブリース契約が必要なのか判断する姿勢が欠かせません。
もし、空室リスクを軽減したいという目的であれば、
そもそも賃貸需要のある物件に投資をすれば
サブリース契約がなくても安定した資産形成が可能です。
サブリース契約で空室リスクを担保しなければ
賃貸経営が成り立たないような立地だとすれば、
より賃貸需要の期待できるエリアでの投資をお勧めします。
契約後にトラブルが発生し、窓口に相談したときには、
すでに手遅れになってしまうケースもあります。
大切なことは、不動産投資を始める前に正しい情報と知識を持つことです。
そして、購入後の投資計画についてもしっかりと検討しておくことです。
契約の際に、少しでも不安がある場合には、窓口の利用をはじめ、
第三者に相談してみることをお勧めいたします。
当社でも他社で提案されている事案に対する相談を承っておりますので、
なにか不安に感じる点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 F・M
◆ スタッフプロフィール ◆
タイ・バンコク生まれの26歳。
マーケティング部で、セミナーやHPの運営、メールマガジンの執筆や広報活動を通じて
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様に伝えています。
両親が今年で還暦を迎えます。ゴールデンウィークにサプライズをしようと
兄妹3人で計画中です。めったに泣かない父を感動させるのが目標です。