管理費の安さには要注意!格安賃貸管理の仕組みとリスクとは
2025/06/19
「月額管理費1000円」
空室時の募集や家賃の集金、内装工事の手配、入居者からのお困りごとの対応など、
賃貸管理業務を破格の料金で対応する管理会社が散見されます。
なかには、管理費用0円を謳い、まったく手数料を取らない会社もあるほどです。
こうしてランニングコストを抑えることができれば、
毎月のキャッシュフローが改善されるため、
オーナー様にとっては大きなメリットです。
しかし、肝心の賃貸管理業務の質が伴わなければ、
空室の長期化など大きな損失に繋がりかねません。
賃貸管理業といっても幅広い業務があり、
質の高いサービスを維持するには、それに対応するだけの人員も必要です。
実際、管理費用が格安な賃貸管理会社から
当社に管理移管される方もいらっしゃいます。
そもそも、なぜ格安料金で管理を受けている管理会社があるのでしょうか。
管理費用の安さに飛びつく前に、
まずは、そのような会社がどのように収益を上げているのかについても
把握しておくことは大切です。
そこで今回は、格安の管理会社の仕組みを明らかにしながら、
格安管理会社に委託して当社に管理移管した事例も併せてご紹介します。
極端に安い料金で賃貸管理を行う会社には、主に以下の3つの理由が考えられます。
1つ目は、収益物件を販売しやすくするためです。
管理費用を抑えることができれば、家賃収入から毎月のランニングコストを
差し引いて計算する手取り利回りも高く見せることができます。
また、管理費用が安い分、毎月のキャッシュフローも改善します。
こうすることで、収益物件を販売しやすくするという仕組みです。
ただ、管理業務単独では採算が合わない料金を提示しているため、
質の高い管理を実施するために必要な人件費や広告宣伝費、賃貸管理システムの
開発・保守などに十分な投資をすることができず、
管理業務が手薄になっている可能性が高くなります。
2つ目は、管理手数料以外の収入源で賄っているケースです。
具体的には、更新料がすべて管理会社の取り分となっている、
原状回復費用や設備交換費用が割高になる等、
毎月の手数料は低く抑えられても、
こうして都度発生する費用が高額になることも考えられます。
すると、格安な管理代行費によって
軽減したはずのランニングコストの効果も薄れてしまいます。
管理会社を選ぶ際には、こうした費用においても事前に確認することをお勧めします。
そして、最後がオーナー様の囲い込みです。
これは、管理戸数を増やし、多くのオーナー様への接触機会を作ることで
他の商材やサービスの販売を目的にするケースです。
具体的には、オーナー様へ物件の売却を勧め、仲介手数料や買い取り再販での
利益獲得を目的にするもの、あるいはネット回線等のオーナー様向けのサービスを販売し、売上を増やす等が挙げられます。
本業ではない"囲い込み"が目的の場合、管理業務が後回しにされやすく、
空室やトラブル対応が遅れるリスクもあります。
結果として、本来得られるはずの家賃収入が減ったり、
対応の遅さで入居者の退去に繋がるなどの不利益を被る可能性があります。
ここで、実際に管理手数料が格安の管理会社に委託していたことで空室が長期化、
当社に管理移管された事例をご紹介します。
Aさんは、川崎の中古ワンルームマンションを所有されておりました。
当時の管理会社の手数料は月額1100円(税込)で管理を任せていました。
そのAさんから管理の移管を検討しているとご相談を受けたのは、今年の1月頃。
移管を検討している理由を聞くと
空室がもう2カ月続いているためと言います。
しかも、退去後の内装工事もまだ終わっていないのです。
内装見積もりまでが遅く、工事着工も遅い、さらに募集開始までも長い。
退去から募集まで、その都度Aさんの方から管理会社に働きかける形で
募集活動を進められていました。
さらに、募集家賃の提案にも不満が残ったといいます。
前の入居者と同じ賃料で募集を開始したが、
なかなか問い合わせが入らない。
ついには、Aさんから募集家賃を下げるよう、管理会社に依頼したというのです。
その時にはすでに限界を感じており、管理の移管を検討。
当社に管理を委託頂くことになりました。
立地や物件のスペックを考慮しても、
もう少し高い家賃でも申込の可能性があると判断し、賃料を上げての募集を提案しました。
しかし、すでに空室期間が長引いており、
一日でも早く空室を解消したいAさんの意向もあって、
当初の家賃で募集をしたところ、翌日には申し込みを頂くことができたのです。
もし、早くから管理体制の整った会社に依頼していれば、
空室期間を1か月以内に抑えることもできたかもしれません。
もちろん、割安な管理手数料を設定しているすべての賃貸管理会社が
このような管理を行っているわけではありません。
ただ、少しでも管理業務に対して違和感を覚えるようであれば、
賃貸管理会社に状況を確認したり、
場合によっては早い段階で管理移管を検討することがおすすめです。
そもそも、賃貸管理を適切に行うには、人出も手間もかかります。
これは、長期にわたって安定的に家賃を得ること、
そして資産価値を維持するためには必要なコストです。
当社の場合、オーナー様にとって一番の関心事である入居者募集業務において
賃貸仲介会社を訪問して、信頼関係を築く営業スタッフが11名います。
さらに内見予約対応や、募集図面作成、室内の販促用写真撮影、ホームステージング、
外国籍入居者サポートなどを行うスタッフが19名、
そして業務のサポートを行う派遣社員とアルバイトが10名、
このように入居者募集に関わる業務に
総勢40名の体制で早期の空室解消に尽力しています。
仲介会社への広告料や独自のインセンティブ「ポイント制度」など、
身銭を切ってオーナー様に1日でもはやく日割り家賃をお届けする仕組みもあります。
入居中のトラブル解消や円滑な内装工事の手配、
確実な契約・更新、そして遅延がなく正確な送金業務などを実現するための人員確保や
システム投資は質の高い管理サービスの維持に欠かせません。
格安な管理手数料と質の高い賃貸管理を両立することは、簡単ではないのです。
現在の管理会社のサービス内容にてお困りごと等があれば、
ぜひお気軽にご相談ください。
日本財託管理サービス 管理受託部 S・F
◆ スタッフプロフィール ◆
栃木県益子町出身の34歳。
管理受託部でオーナー様が抱える空室や滞納など、
賃貸管理のお悩みについて相談窓口を行っております。
最近、学生の頃からの友人と7年半振りに会いました。
お互いのライフステージなどの変化もあり会話が盛り上がり、色々な気づきがありました。
積極的に旧友に会うようにして、友人関係を大切にしてきたいと思います。