隣室火災から57日でスピード復旧!万が一の事故対応に強い賃貸管理会社の見極め方
2025/09/11
扉を開くと鼻につく焦げ臭いにおい。
壁はススで真っ黒に汚れ、ベッドは水浸し。
廊下、居室のいたるところに足跡が残っていました。
これは5月に当社が管理する部屋の隣室で火災が発生し、
その室内確認に訪れた時の様子です。
幸い、火元の部屋の入居者も、
当社が管理する部屋の入居者も無事でした。
建物が鉄筋コンクリート造だったため、
延焼は火元の部屋にとどまりましたが、
当社が管理する部屋はススと消火活動による被害を受けたのです。
こうした火災事故が発生した場合、
入居者の安否はもちろんのことですが、
復旧費用や復旧期間の長期化に不安を抱かれる方も多いかと思います。
復旧費用については、適切に保険を申請すれば、
その多くは保険金でまかなうことができます。
ただし、賃貸管理会社の知識や経験が不足していると、
オーナー様に余計な経済的負担がかかる恐れもあります。
また、入居者への生活サポートが不十分だと、
不満が高まり、すぐに退去となってしまうかもしれません。
さらに、復旧作業が遅れると、空室期間の長期化へとつながります。
このように、賃貸管理会社の事故対応力によって、
オーナー様にとっての経済的損失の大きさが変わってくるのです。
当社では、事故対応に特化した「事故サポート課」を設けて、
火災や漏水といった緊急事態にも、経験豊富なスタッフが、
迅速に対応しています。
そこで今回のコラムでは、
実際の火災事例をもとに事故サポート課の取り組みを紹介しながら、
万が一の事故対応に強い賃貸管理会社の見極め方についてお伝えします。
火災が発生した物件は、
大田区にある築18年の鉄筋コンクリート造7階建てのマンションです。
火災の原因は、古くなり劣化したコンセントからの発火でした。
火元となった室内は全焼しましたが、
当社が管理する隣室は、直接的な延焼は免れました。
しかし、冒頭にお伝えしたように、消火活動による被害は甚大でした。
火災が発生した場合、最も大切なことが初動対応です。
住まいを失った入居者様の不安が最も高まるこのタイミングで対応が遅れると、
不誠実だと受け取られ、すぐに退去となる恐れがあります。
そのため、不安に寄り添った対応が求められます。
「私はどうしたらいいんですか?これから、どうなるんですか?」
火災発生の連絡を受けた際、入居者のAさんは気が動転し、
言葉がまとまらない状態でした。
電話越しからは、サイレンの音や消防隊員の叫び声が絶え間なく聞こえ、
現場の緊迫した状況が伝わってきました。
「すぐにホテルを手配いたしますので、住まいの心配はありません。
家財や住まいの費用についても、保険で補償されますので、どうぞご安心ください」
最大の不安であった「今後の住まい」と「費用面の負担」が解消されたことで、
Aさんはひとまず落ち着きを取り戻されました。
火災は正午に発生しましたが、
その日の夕方には仮住まいとなるホテルをご案内することができました。
こうした入居者対応と並行して、復旧工事に向けた準備を進めていきます。
最初にやるべきことは、保険の申請です。
保険の申請を早急に済ませないと、保険金が下りるまでの時間が、
どんどん遅れてしまいます。
そして申請の際には、被害状況を正確に伝え、保険の適用漏れを防ぐ必要があります。
そのため、当社では保険会社の鑑定人による現地調査に、
経験豊富なスタッフが立ち会うようにしています。
多くの賃貸管理会社でも現地立ち会いを行っていますが、
なかには鑑定に立ち会わず、入居者に任せてしまう場合もあります。
また、立ち会っていたとしても、
担当者の知識不足により、保険の適用漏れが発生することも少なくありません。
そのため、大規模な火災事故の場合、当社では現地立会いを必ず行い、
さらに、保険の知識に精通した担当者が対応することで、
適切な申請を行うように努めています。
また、当社は保険代理店として、オーナー様と保険契約を結んでいます。
もし当社が保険代理店でなく、オーナー様が直接保険会社と契約していた場合、
オーナー様ご自身で火災事故の報告や必要書類の提出をしなければいけません。
経験がないことがほとんどですので、
手続きには手間も時間もかかります。
また、保険代理店を通じて保険に加入していても、
復旧工事の見積もりは賃貸管理会社に依頼する必要があります。
この点、当社は保険代理店であり、賃貸管理会社であるからこそ、
復旧費用の見積もりも一気通貫して対応でき、
迅速な手続きが可能なのです。
今回の火災事故では、
通常1か月程度かかる保険金額の確定を16日で完了し、
すぐに復旧工事を開始することができました。
ここまで、火災発生から復旧工事開始までの対応をご紹介しましたが、
続いて、今回要した復旧費用と工事内容についてお伝えします。
まずは、部屋のリフォーム費用です。
今回実施した工事は浴室を除くフルリフォームで、フローリングや壁紙の張り替え、
トイレ・洗面台・キッチンといった設備の更新に加え、給水・給湯管も交換しました。
総工事費用は、約470万円です。
入居者の仮住まい費用も含めて、すべて火災保険金で賄うことができました。
また、入居者が所有するパソコンや電子レンジ等の家電製品も、
入居者の家財保険で補償され、幸い自己負担は発生しませんでした。
工事の完了までに要した期間は57日間。
わずか2ヶ月足らずで、新しい部屋に生まれ変わりました。
その後、入居者のAさんは転勤が決まり、
残念ながら退去されましたが、
リフォーム後に入居者募集を行ったところ、わずか5日でお申し込みをいただき、
家賃も95,000円から100,000円にアップすることができたのです。
ここまで、火災後の復旧内容をご紹介しました。
では、火災のような万が一の事故に強い賃貸管理会社かどうか、
どのように見極めればよいのでしょうか。
やはり、火災事故を適切に対応するためには、
担当者の知識と経験が不可欠です。
そのため、多くの事故対応の実績がある賃貸管理会社、
そして、人員体制が充実した賃貸管理会社を選ぶことです。
当社では創業から35年にわたり、
大小さまざまな火災事故を対応してきました。
そして、そのノウハウを蓄積・体系化しており、
万が一の事態にも、迅速かつ適切に対応できる体制を整えています。
そして、事故対応や保険の知識を身につけるため、
毎月、火災や漏水の事例をもとに対応事例の講習を実施しています。
現在は、火災事故や漏水事故に対応する専任チームである、
事故サポート課を立ち上げ、業務を行っております。
実務スタッフ7名、事務スタッフ2名、計9名の体制で、
火災や漏水事故への対応を行っております。
今回ご紹介した火災事故のように、
賃貸管理会社の真価が問われるのは、
まさに「万が一の事態に直面した瞬間」です。
ぜひ、今回お伝えしたポイントを参考に、火災事故に強い賃貸管理会社かどうか、
改めて、見極めてみてはいかがでしょうか。
日本財託管理サービス 管理部 管理部事故サポート課 H・Y
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都北区出身の27歳。
管理部事故サポート課に所属し、漏水事故や火災事故の解決を行っております。
最近は、購入した観葉植物を育てることにハマっており、
日々のちょっとした癒しになっています。