成田・羽田が機能強化!空港がもたらす、東京賃貸市場の構造変化とは!?
2026/02/19
近年、空港を拠点とした都市構造のアップデートが加速しています。
空港の機能強化というと、一見するとインフラの改善にも見えるかもしれません。
しかし実態は、人々の移動の負担を減らし、
企業の立地判断や人の居住選択を変える都市構造レベルの施策でもあります。
鍵になるのは、東京への「時間距離」が縮まることです。
時間距離とは、所要時間の短さだけでなく、乗り換えの手間や混雑による遅れ、
到着時刻の読みづらさ、代替経路の有無までを含めた移動負担を指します。
不確実性が小さくなるほど、移動に必要な"見込み時間"を短くでき、
出張や会議、研修の日程を組みやすくなります。
商談や現地訪問、研修、プロジェクト立ち上げの機会が増えれば、
短中期滞在や法人契約のニーズが増加します。
こうした需要の受け皿となるのが、都心近接エリアの賃貸住宅です。
とりわけワンルームを中心とした物件は、単身赴任や短期滞在との親和性が高く、
その結果、都心近接エリアではワンルームを中心に居住需要が底堅く推移し、
賃貸需要の下支え要因となります。
そこで今回のコラムでは、羽田と成田という二つの巨大空港の進化が、
東京の賃貸需要にどのような影響を与えるのかを考えていきます。
まず注目すべきは羽田空港。
羽田の最大の強みは都心への近さですが、
これまで課題がなかったわけではありません。
特に、赤坂や高輪をはじめとした都心の南側のエリアでは、
朝夕の混雑で所要時間が計算しづらく、
時間の読みやすさという点では改善の余地がありました。
今後の羽田が担う価値は、単なる距離の近さではなく
円滑な移動と到着時刻の確実性を高めることにあります。
その方向性を後押しするのが、進行中の羽田空港への新線開発です。
JR東日本が2031年開業に向け進めている羽田空港アクセス線は、
東京駅方面と羽田を直結し、東京駅から羽田まで目安として約18分で結ぶ計画です。
さらに、東京メトロ南北線が品川駅へ延伸する構想も動き出しました。
開業は2030年代半ばを予定しており、白金高輪から分岐して品川駅と直結することで、
乗り換えが前提だった都心南側の不便が緩和されていきます。
この延伸の効果は、白金高輪周辺だけにとどまりません。
南北線沿線全体が品川経由のルートを組みやすくなり、
品川でJR各線や京急線に接続する選択肢が増えることで、
混雑や運行トラブルの影響を受けにくい経路を取りやすくなります。
複数路線を確保できることは、「電車が一本止まると間に合わない」という
状態を避けることができ、移動の確実性を高めます。
結果として、羽田の強みである都心近接が、
より体感としての使いやすさへ転換していきます。
そしてこの変化がもたらすのは、観光の利便性だけではありません。
国際線ネットワークの拡充や受け入れ体制の整備が進めば、
外資系企業が東京に拠点を置く合理性がさらに高まります。
出張や駐在、プロジェクト滞在が増加すれば、都心近接エリアの賃貸需要、
とりわけ法人契約や短期滞在ニーズの下支え要因となります。
羽田の進化は、空港へのアクセス改善に留まらず、
品川・高輪を含む東京のビジネス集積地としての競争力を高める動きと捉えられます。
そして、大きく変わるのが成田空港です。
羽田が「都心近接の質」を高める動きだとするなら、
成田は「人流の拡大」という観点で東京に影響を与えます。
成田では関係自治体が空港周辺を国際拠点として再編する
都市圏構想『SORATO NRT』を掲げ、
第2の開港とも呼べる大規模プロジェクトが進められています。
滑走路の新設や増設により発着容量を50万回規模へ引き上げる計画が示され、
2024年度の水準と比べれば、倍増水準になると見込まれています。
重要なのは、これが単なる発着本数の増加にとどまらない点です。
発着増加に伴い、物流、整備、保安、サービス、関連オフィスなど
空港関連産業の事業規模が拡大します。
これに伴い、空港周辺および東京側での雇用機会も増加し、
通勤利便性を重視する居住需要の広がりにつながります。
成田は千葉県に位置しますが、同時に東京への国際的な入口でもあります。
発着便が増えれば、成田に降り立つ人が増えます。
そのすべてが観光客というわけではなく、ビジネス目的の来訪者も一定数含まれます。
とりわけビジネス目的の来訪者は、都内での滞在や拠点設置を伴うケースが多く、
商談やプロジェクト推進、駐在準備などを通じて一定期間の居住を必要とします。
こうした滞在需要は、法人契約や短中期賃貸の形で顕在化し、
都心近接エリアの賃貸市場を下支えする要因となります。
一方で、人流の拡大を安定的に受け止めるためには、
空港アクセスの信頼性向上も不可欠です。
成田と都心を結ぶ路線は複数あるものの、
空港直前の約9キロに及ぶ単線区間がこれまで制約となってきました。
単線では列車同士の行き違いが必要なため、増発やダイヤの柔軟な調整が難しく、
到着時刻のばらつきが生じやすい構造でした。
そこで、国土交通省では複線化も視野に入れた新規事業を進めています。
アクセスの利便性が高まれば、発着増加に伴う東京への流入は
より安定的に積み上がります。
ビジネス往来や短期滞在の増加は法人契約需要を押し上げ、
空港関連雇用の拡大は通勤利便性を重視する居住需要を支えます。
移動の確実性向上による企業活動の活発化と人流の増加が、
居住需要を支える基盤を厚くしていくのです。
羽田が移動の「確実性」を高め、
成田が国際的な「人流の規模」を拡大する。
この二つの進化が重なることで、東京の賃貸需要の土台はより強固になっていきます。
空港機能の強化によって人流と業務集積の拡大が重なる東京は、
構造的な需要増加が見込まれる都市へと進化しています。
進化を続け、人が集まり続ける東京での不動産投資を、
ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部セールスプロモーション課 M・D
◆ スタッフプロフィール ◆
京都府宇治市出身の31歳。
セミナーの運営やメールマガジンの執筆、広報活動を通じて、
東京・中古・ワンルームの魅力を多くのお客様にお伝えしています。
先日、友人たちとスキー旅行に出かけました。
泊まりがけの旅はまるで学生時代の合宿のようで、どこか懐かしい青春の空気に包まれ、
胸がじんわりと熱くなるのを感じました。






