9年ぶりの入居率100%!人気急上昇駅 新小岩・方南町が示す賃貸需要の変化とは!?
2026/03/12
2026年2月末、当社が販売した都内の中古ワンルームマンションの
入居率は100%となりました。
2017年3月以来、約9年ぶりの水準です。
当社では「空室」を、内装工事が完了して即入居できる部屋と定義しています。
その基準で見ると、2月末時点ではすぐに入居可能な部屋が一室もない状態でした。
背景にあるのは、東京23区の強い賃貸需要です。
アットホームの調査によると、単身者向け賃貸マンションの平均募集家賃は、
最高値を20カ月連続で更新しています。
ただし、現在の賃貸市場を特徴づけているのは、
単なる需要の強さだけではありません。
借り手の検討エリアが、都心から周辺エリアへと広がる動きと、
人気駅に集中していた需要が複数の駅へ分かれていく「需要の広がり」と
「分散」が同時に起きています。
実際に人気駅ランキングを見ても、
これまで上位ではなかった駅の順位が大きく上昇するなど、
賃貸需要の広がりを示す動きが見られます。
そこで今回のコラムでは、駅ランキングと当社の成約データをもとに、
東京23区における賃貸需要の「広がり」と「分散の動き」を読み解いていきます。
「アットホーム賃貸駅ランキング(東京23区編)」において、
総合1位は前年に続き三軒茶屋駅でした。
東急田園都市線の急行停車駅として渋谷駅へ直結し、世田谷線も利用可能。
駅前で商業・行政機能が完結する利便性と、
なによりブランド力を兼ね備えたエリアが引き続き大きな支持を集めています。
いわば、"強い駅が強さを維持する"構図です。
一方で注目すべきは、急上昇駅の存在です。
新小岩駅は前年19位から総合2位へ浮上し、カップル向けでは18位から1位、
シングル部門でも36位から4位へと大きく順位を伸ばしました。
新小岩は、総武線快速で東京駅へ直通約15分。
秋葉原・新橋方面へも乗り換えなしで到達でき、
中央・総武線を利用すれば新宿へも一本です。
東京・新宿という二大ターミナルへ乗り換えなしでアクセスできる交通利便性は、
勤務地の選択肢を広げやすいことから、
単身者にとって大きな安心材料となります。
加えて、新小岩では南口の再開発が具体的な段階に入っています。
駅前広場の整備や商業・住宅機能を含む複合開発が計画され、
事業化に向けた手続きが進むなど、計画は実行フェーズへ移行しています。
こうした再開発の進展によって利便性向上が見込まれることから、
将来性を見込んで物件検索の対象エリアとして
検討されるケースも増えています。
また、同ランキングでは、錦糸町も順位を伸ばしています。
かつては繁華街のイメージが先行していましたが、
近年は駅周辺の再整備や商業施設の充実が進み、街の印象も変化しています。
さらに、半蔵門線直通で大手町・渋谷方面へアクセスできる交通利便性もあり、
都心近接エリアとして賃貸検討エリアに含める動きが広がっています。
このように、都心へのアクセスを維持しながら
将来性も期待できるエリアへと、需要は少しずつ広がっています。
こうした急上昇の背景にあるのは、山手線内側を中心とした都心部の賃料上昇です。
単身者向け・カップル向けともに募集水準が上がり、
「予算内で条件を満たす物件が少ない」という状況が広がっています。
その結果、通勤利便性は維持しながら
検討エリアを少し外側へ広げるという選択が一般化しています。
山手線主要駅より月1〜2万円抑えられれば、
年間では十数万円の差になります。
賃料上昇局面では、この差はより重く感じられます。
借り手は通勤時間、広さ、築年数、設備など、
条件の優先順位をよりシビアに見極めるようになっています。
そして西側では、丸ノ内線方南町駅の人気も高まっています。
これまで方南町駅に向かうには、
中野坂上駅で方南町行きの支線に乗り換える必要がありました。
しかし、2019年の直通運転開始により、
新宿までわずか約10分前後で到達できるようになり、
新宿方面へのアクセスが改善しました。
物理的な時間短縮に加え、
「乗り換えが不要になった」という心理的変化が大きな意味を持ちました。
実際、LIFULL HOME'Sの「借りて住みたい街(急上昇ランキング)」では、
杉並区に位置する方南町駅が"上昇幅1位"(146位→80位)を記録しています。
毎日の通勤において、乗り換えの有無はストレス要因のひとつです。
そのため、直通化によって心理的距離が縮まり、
これまで検討外だった駅が候補に入るケースも増えています。
これが、人気駅の隣駅や支線駅など、
家賃を抑えながら通勤利便性を確保する「ずらし駅」のポイントです。
都心主要駅や急行停車駅から一駅、あるいは支線側へずらすことで、
通勤時間を大きく変えずに賃料負担を抑えることができます。
方南町の順位上昇は、こうした借り手の思考変化を象徴しています。
また東側では、清澄白河をはじめとした
「都心近接・東側エリア」も再評価が進んでいます。
清澄白河は、日本初のブルーボトルコーヒーが出店したことをきっかけに、
コーヒーを目的に街を訪れる人が増えました。
倉庫や工場跡の空間を活かした店舗づくりとも相性が良く、
個性あるロースターやカフェが点在する"コーヒータウン"として認知が広がり、
街のイメージそのものが更新されています。
半蔵門線と大江戸線が利用でき、
半蔵門線を使えば大手町まで約6分。新宿方面へのアクセスも良好です。
このように都心への近さを維持しながら支払総額を抑えられるというバランスも、
賃料上昇局面ではより意識されるようになっています。
新小岩、方南町、清澄白河。
注目が集まる方向は異なりますが、これは特定の人気駅に集中する動きではなく、
東京の賃貸需要が広がっていることを示す事例です。
東京23区の賃貸市場はいま、単に強いだけではありません。
再開発や交通改善を背景に、都心から外縁へ、
人気駅から準拠点駅へと需要が面で広がり、複数の層を形成しています。
今回は新小岩や方南町が注目を集めましたが、
次年度のアンケートでは他のエリアもランクインしても不思議ではありません。
それだけ、東京の賃貸市場では新たな注目エリアが生まれ続けています。
東京のなかでも従来の価値観だけで投資エリアを区別するのではなく、
より広い視点でエリアを見ることで、強固な資産ポートフォリオを組むことが可能です。
ぜひ新しい視点で東京のエリアに注目してみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 A・T
◆ スタッフプロフィール ◆
長野県坂城町出身。
マーケティング部でセミナー企画やHP運営、メルマガを担当し、
「東京・中古・ワンルーム」の魅力を発信しています。
先日帰省したとき、母がくれた地元のお菓子「そばおぼろ」にはまりました。
ほろっと崩れて、ほんのり甘くて蕎麦の香りがふわり。
こんなお菓子あったんだと驚きました。意外と知らない地元の味って多いです。
これからもっと地元のおいしいを発掘したいと思います。






