「上がる不動産」と「上がらない不動産」公示地価から読み解く資産組み換えの必要性

2026/04/02

2026年の公示地価は、全国平均で2.8%上昇し、5年連続の上昇となりました。
バブル崩壊後、最大の上昇幅だった前年の2.7%を更新。

この数字だけを見れば、不動産市場は順調に伸びているように映るかもしれません。
しかし実態は、「立地によって資産価値が大きく分かれる時代」へと変わっています。

公示地価は東京圏で5.7%上昇する一方、
地方圏は1.2%の上昇にとどまり、同じ上昇局面にありながら、
エリアによって明暗がはっきりと分かれています。
「上がる場所」と「上がらない場所」の二極化が進んでいるのです。

その傾向は、商業地の地価上昇率のデータにも明確に表れています。
東京と地方で、令和4年では1.2ポイントだった格差が、
令和8年には8.2ポイントまで拡大しました。

この差は一時的なものではなく、"ワニの口"のように広がり続けています。
不動産を所有していても、どこで持っているかによって、
資産額が大きく変わってくる時代にあっては、
「資産の組み換え」という視点の重要性が高まっています。

本コラムでは、地価上昇の裏側で進む二極化の構造を踏まえ、
不動産オーナーがどのような視点で保有資産を見直すべきかを、
具体的な事例を交えながら整理していきます。

今回の地価上昇は、需要と資金が集まる都市部と、
地方との間で明確な差として表れています。

たとえば、東京圏の住宅地が3.5%上昇しているのに対し、
地方圏は0.9%にとどまっており、上昇の度合いには大きな開きがあります。

背景には、都市部と地方における不動産の性質そのものの違いがあります。

東京をはじめとする都市部では、不動産は「居住の場」であると同時に、
「投資対象」としても選ばれています。

共働き世帯の増加により、都心やターミナル駅周辺への需要は引き続き強く、
賃貸・売買ともに安定した市場が形成されています。

加えて、流動性が高く需要の見通しが立てやすいエリアには投資資金が集まりやすく、
価格が押し上げられる構造が生まれています。

一方、地方圏の多くは依然として「居住の場」としての性質が強く、
不動産価格は所得水準や支払い能力によって上限が決まります。
さらに、人口減少の影響も受けやすいため、
居住の場としても、投資対象という側面でも価格が上がりづらいのです。

そのため、都市部のように資金流入によって、
価格が押し上げられる構造は生まれにくく、上昇は限定的にとどまります。
地方圏の住宅地の0.9%という数字は、
昨年の消費者物価の上昇幅3.1%と比べても低くなっています。
不動産はインフレに強いといわれていますが、
すべての不動産がインフレに強いというわけではなく、
このインフレ対応力も地方と都市部で差が生じているのです。

こうした状況下では、地方で不動産を所有し続けることは、
資産価値を大きく目減りさせるリスクを有しています。

そのため、地方の不動産から都市部の不動産への資産の組み換えも、
資産を守るためには有効な選択肢になります。

一方、地方の中にも例外的に地価が大きく上昇しているエリアが存在します。

2026年の住宅地における地価上昇率の上位では、長野県白馬村が33%、
北海道富良野市が30%と、いずれも全国平均を大きく上回る伸びを示しています。

これらの地域では、インバウンド需要を背景にリゾート開発や別荘需要が活発化し、
土地取得需要そのものが押し上げられています。

ただし、こうした急激に上昇しているエリアに対して、
投資を行うことが合理的とは限りません。
これらの多くは、広範な需要ではなく特定の需要によって押し上げられているためです。

実際に、インバウンドや外国人入居者への依存度が高かったエリアでは、
コロナ禍を契機に、賃料下落や空室増加が発生しました。

当社へご相談いただいたケースでも、特定の賃貸需要に依存した
物件において収益が不安定化した事例があります。

オーナー様は、ある地方で一棟アパートを複数所有していました。
留学生需要に支えられていたものの、コロナ禍で入居者が一斉退去し、
収益が大きく不安定化。

こうした状況を受け、売却を決断し、得られた資金をもとに、
都内の区分マンションへと資産の組み換えを行いました。

特定の需要に依存した不動産は、
市場環境の変化によってリスクが顕在化しやすいのです。

一方で、都内の区分マンションのように、
幅広い需要層に支えられている物件は賃貸需要が安定しやすく、
空室リスクを分散できる投資先といえます。

重要なことは、「需要があるか」ではなく、
その需要がどれだけ持続的であるか、そして分散されているかという点です。

現在の不動産市場は、地価が一律に上昇する局面ではなく、
需要と資金が集まるエリアだけが選別的に伸びる局面にあります。

いわば"ワニの口"のように格差が広がる中で、
保有資産の立地や需要の質によって将来の安定性は大きく変わります。

こうした環境下では、単に資産を保有し続けるのではなく、
資産の組み換えを検討することが、有効な選択肢となります。

資産を「持ち続けるか」「組み換えるか」という判断は、
いまの延長線ではなく、将来を見据えた視点で行う必要があります。
現在の保有資産が将来にわたって価値を維持できるのか、
それとも見直しが必要な局面にあるのか。
一度立ち止まって整理することが、資産を守る第一歩です。

日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 A・T

◆ スタッフプロフィール ◆
長野県坂城町出身。
マーケティング部でセミナー企画やHP運営、メルマガを担当し、
「東京・中古・ワンルーム」の魅力を発信しています。

2月末に発売された『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』の
Switch版をプレイしています。
社会人になってからゲームをする機会はめっきり減っていましたが、
小学生の頃に熱中した作品がまた遊べるということで、迷わず購入しました。
昔のように夜通しプレイすることは叶いませんが、
日々の楽しみとしてじっくり進めています。

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