中国籍入居者は本当に減っているのか?データで読み解く東京の賃貸需要
2026/07/23
2025年11月以降、日中関係の冷え込みを背景に、
中国から日本への渡航を控える動きが広がっています。
政府間の対立を受けて、中国側は自国民に対し、
日本への渡航や留学を慎重に検討するよう呼びかけました。
こうした報道を目にして、
「中国人留学生が減少するのであれば、空室も増えるのではないか」
と気にされたオーナー様もいらっしゃるかもしれません。
現時点で、中国籍入居者が大きく減少する兆候は確認されていません。
一方で、将来的な変化に備えた募集体制の強化は必要です。
そこで今回のコラムでは、日中関係の悪化が東京の賃貸市場に与える影響について、
公表されているデータと当社の入居実績をご紹介しながら、
外国籍の入居を促進する施策についてご説明します。
まずは、中国籍の方の入国状況を詳しく見ていきましょう。
出入国管理統計によると、再入国を除く中国籍の新規入国者は、
2026年4月は261,045人で、前年同月比では57.3%減少しました。
ただし、数値を見るうえで注意したいのは、
新規入国者全体の多くは観光などの短期滞在者であるため、
この減少がそのまま賃貸需要を示すわけではありません。
賃貸物件を借りて暮らすのは、主に就労や留学を目的として、
日本に一定期間滞在する人たちです。
そのため、中国籍の新規入国者全体の減少と、
賃貸需要につながる中長期滞在者の動きは、分けて考える必要があります。
そこで、同じ統計から次に留学目的の中国籍の新規入国者数を確認してみましょう。
春の入学時期にあたる2026年4月の入国者数は10,060人でした。
前年同月と比べて8.8%増加しています。
日本への渡航自粛が呼びかけられるなか、
留学目的の新規入国者数は前年を上回る結果となりました。
その背景の一つとして、留学には学校選びやビザの手続き、住まいの確保など、
事前に時間をかけて準備する必要があることが挙げられます。
そのため、観光と比べると、短期的な国際情勢の変化で
計画を変更しにくい面があると考えられます。
次に、当社の実績を確認してみましょう。
当社が管理する物件に新たに入居した中国籍の方は、
2025年4〜6月の362名に対し、2026年の同時期は346名と大きな変化はありません。
また、2026年4〜6月に入居した中国籍の方の内訳を見ると、
留学生が83.0%、就労者などそれ以外の方が17.0%でした。
また、留学生による入居需要のすべてが
海外からの新規入国によるものではありません。
年間を通した中国籍留学生を見ると、海外から直接入居する方は約5割で、
残りの約5割は、前年以前に来日して日本国内で生活している学生の転居や住み替えです。
中国籍入居者の中心は学生ですが、
新規入国者だけが賃貸需要を生んでいるわけではないのです。
一方、2026年以降、中国の一部の大学が
日本への交換留学を見合わせる動きも報じられています。
こうした動きの影響が、実際の入居需要に表れるまでには、
一定の時間がかかる可能性があります。
そのため、2027年以降の動向については、現時点では見通せません。
そこで、当社では将来の変化に備え、
留学需要や特定の国籍だけに依存しない集客体制づくりを進めています。
一つ目は、これまで取引してきた仲介会社との関係を強化する取り組みです。
日本語学校の入学シーズンに合わせて仲介会社を訪問し、
募集中の物件や外国籍の方の受け入れ条件について情報を共有することで、
継続的な関係づくりを進めています。
2026年4月からは、これまで当社物件への紹介件数が限られていた
仲介会社への訪問も増やし、新たな紹介経路の開拓に取り組んできました。
こうした取り組みにより、中国籍の入居希望者の動向が変化した場合でも、
幅広い外国籍入居者へ物件情報を届けられる体制を整えています。
また、中国籍以外の外国籍の方に向けて住まいを紹介する仲介会社とも連携し、
SNS上で当社の管理物件を紹介していただいています。
外国籍の方が日常的に利用するSNSを通じて物件情報を発信することで、
これまで接点のなかった入居希望者にも情報を届けられるようになりました。
二つ目は、入居者の国籍を広げるための取り組みです。
その一つとして、外国籍の入居者を多く受け入れている
シェアハウス運営会社と連携しています。
連携先のシェアハウス運営会社は、多言語での対応や生活支援、
入居者同士が交流できる環境を強みとしており、欧米出身者を中心に、
全入居者のおよそ70%を外国籍の方が占めます。
同社からは、日本での生活に慣れた後に一人暮らしを希望する方を、
当社の管理物件へ紹介していただいています。
中国籍だけに頼らない、幅広い国や地域の入居者を集めるための取り組みです。
不動産投資でもっとも避けたいのは、空室です。
そして、空室を防ぐうえでは、物件そのものの魅力に加えて、
幅広い入居希望者に物件情報を届けられる募集力も重要になります。
国際情勢の変化に備えるうえで大切なのは、
継続的な賃貸需要が見込める立地を選び、
特定の国籍や入居者層だけに依存しない募集体制を整えることです。
複数の募集経路を通じて、幅広い国や地域の入居希望者に物件情報を届けることで、
外部環境の変化による影響を抑えやすくなります。
当社はこれからも、東京の中古ワンルームを中心とする管理基盤を生かしながら、
多様な入居者を受け入れられる体制づくりを進め、
オーナー様の長期的な安定経営をしっかりと支えてまいります。
日本財託管理サービス 賃貸営業部 国際事業課 J・E
◆ スタッフプロフィール ◆
中国・上海市出身
外国籍専門の仲介会社の開拓、外国籍オーナー様・入居者様に対する
業務全般を対応しています。
久々の那須キャンプ。2泊3日たっぷり自然を堪能してきました。
熊にもイノシシにも出会わず、平和すぎるキャンプライフを満喫できました。







