築古マンションのリフォームは立地がカギ!?賃料アップにつながる賃貸活用の考え方

2026/10/01

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。
ただ、不動産を相続した場合に考えなければならないのは、
名義変更だけではありません。
「この不動産を、この先どう活用するのか」
これも、相続した人にとって重要なテーマです。

自分で住む予定がない場合は、固定資産税や管理にかかる費用・手間などを考え、
売却を検討する方もいるでしょう。

一方で、東京など賃貸需要が見込める地域にあるマンションの場合、
売却だけでなく、賃貸物件として活用する選択肢もあります。

近年、東京では賃料が上昇傾向にあることから、
立地や物件の状態によっては、必要なリフォームを行うことで、
収益性をより高められる可能性があります。

そこで今回は、実際に相続したマンションを賃貸物件として活用するために行った、
リフォーム事例をご紹介します。

リフォームの対象となったのは、オーナー様が相続された中野区のマンションです。
総戸数70戸のマンションで、対象住戸は2LDK。
築年数は53年でしたが、管理は良好で、
中野駅からも徒歩約5分の好立地にあります。

周辺の募集状況などから旺盛な賃貸需要が見込めるエリアで、
建物の管理状態も良好でした。
一方、室内には築年数相応の古さが残り、壁や設備にも傷みが見られます。

また、和室やタイル張りの浴室などが残っており、
通常の原状回復工事だけでは、十分な賃料上昇につなげにくい状態でした。

中野駅徒歩5分の好立地と、賃料が上昇している状況を活かすことを考えれば
単に原状回復をするだけでなく、入居者に選ばれる住まいに仕上げることが重要です。
そこで、室内の間取りや設備にも手を加え、
賃料アップにつながるリノベーションを行うことにしました。

ただし、築年数が経過しているからといって、
すべてを新しくすればよいわけではありません。

中野駅から徒歩約5分という立地や2LDKという間取り、
想定する入居者層を踏まえ、賃料アップや空室期間の短縮といった効果と、
改修コストのバランスを見ながら内容を決めていきました。

今回のリフォームでは改修にかける費用に対して、
どれだけ賃料や入居競争力を高められるかという視点から、
3つのポイントを重視しました。

1つ目は、使えるものを活かし、改修費を必要な部分に集中させることです。

築年数が経過している物件でも、すべての壁や下地、
建具を交換する必要があるとは限りません。

状態のよいものはそのまま使い、交換が必要な箇所を見極めることで、
限られた予算を必要な部分に集中できます。
その結果、工事費だけでなく、工期の短縮や廃材の削減にもつながります。

2つ目は、近隣物件と差別化できるポイントをつくることです。

今回の改修で特に重視したのが、壁付けだったキッチンを
「対面式キッチン」に変更したことです。

2LDKという間取りから、カップルやファミリー層の入居を想定し、
料理をしながらリビングの様子を見渡せるなど、
日々の暮らしをイメージしやすい間取りへと変更しました。

設備を新品に交換するだけでは、周辺の物件との違いが伝わりにくい場合があります。

そこで今回は、対面式キッチンを室内の大きな魅力の一つとすることで、
募集写真や内見時にも印象に残る改修を目指しました。

3つ目は、照明やタイルなどの細かな素材・設備選びにこだわることです。

空間の印象は、間取りの変更や設備交換といった
大きな工事だけで決まるものではありません。

たとえば、照明やミラー、ペーパーホルダー、タオル掛けなどは、
価格を抑えながらも、選び方によって室内の印象を変えることができます。

見栄えやデザイン性を高めるために、必ずしも高額な商品を選ぶ必要はありません。
色や素材、デザインを工夫し、全体のバランスを整えることが大切です。

こうしたポイントを意識してリフォームを行った結果、
工事完了後すぐに入居者が決まりました。

今回のリフォームにかかった施工費は約630万円ですが、
改修前の賃料は月額11万円だったところ、
改修後には月額19.5万円で成約しました。

月額賃料は8.5万円の増加、単純計算で年間102万円の増加となります。
およそワンルームマンション1室分の賃料に相当する増額です。

また、投資用不動産は「年間でどれだけの賃料を生み出すか」をもとに
価格が評価されることが一般的です。
仮に利回り3.5%を前提にすると、年間102万円の賃料増加は、
約2,900万円の収益価値に相当します。

もちろん、実際の売却価格は立地や築年数、建物の管理状態、市況などによって
異なりますが、賃料収入の向上は売却時の評価にも影響する要素の一つです。

今回の事例のように、築年数が経過している物件でも、立地や建物の状態によっては、
改修によって賃貸物件としての収益力を大きく向上させることができる場合があります。

一方で、リフォームにかかる費用は、立地によって大きく変わるわけではありません。
重要なのは、同じように改修費をかけた場合でも、
その費用に見合うだけの賃料アップが期待できるかどうかです。

賃貸需要が高く、賃料水準も高いエリアであれば、
リフォームによる賃料アップで改修費を回収しやすくなります。
反対に、賃料水準が低いエリアでは、リフォームに費用をかけても、
十分な賃料アップが見込めず、投資に見合わない場合があります。

その点、都心5区や今回の中野駅のように賃貸需要が見込めるエリアでは、
リノベーションによる賃料改善の効果を得やすいのです。

そのため、相続したマンションをすぐに売却するのではなく、
「賃貸物件として活用できないか」「物件の魅力を高めたうえで売却する方法が適しているか」
といった選択肢も含めて検討することが大切です。

当社では賃貸管理会社として、室内をただきれいにするだけでなく、
周辺の募集状況や成約賃料、入居者のニーズを確認し、
改修後にどの程度の賃料が見込めるのかまで考えたうえで、
改修内容をご提案しています。

さらに、工事だけで終わるのではなく、
その後の最適な賃料設定や入居者募集まで一貫して対応できることも、
賃貸管理会社としてリフォームを手掛ける強みの一つです。

相続したマンションの活用方法や、賃貸収入の改善を見据えたリフォームをご検討の場合は、
ぜひお気軽にお問い合わせください。

日本財託管理サービス リフォーム事業部 K・K

◆ スタッフプロフィール ◆
東京都町田市出身
リフォーム一筋20年。
現在は部内の内装工事管理や各種精算業務の統括、プランナー業務を担当。
現場経験と建築士の視点を掛け合わせ、
オーナー様にも入居者様にも喜ばれる空間づくりを目指して日々奮闘中です。
プライベートでも一級建築士取得に向けて猛勉強中です。


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