20代の7人に1人が東京在住!?人と都市機能の「集積」から見る東京の未来
2026/10/08
9月29日、総務省統計局から「令和7年国勢調査」の人口等基本集計が公表されました。
国勢調査は、日本に住むすべての人と世帯を対象に
5年に一度実施される大規模な統計調査です。
今回の調査では、全国的に人口減少が進むなか、47都道府県で唯一、
東京都の人口が増加しました。
全国人口に占める東京都の割合は約11.6%で、
およそ9人に1人が東京に住んでいる計算です。
さらに、20代に限ると、全国のおよそ7人に1人が東京に住んでおり、
若者世代の東京への人口集積がより目立ちます。
では、なぜ東京にはこれほど人が集まるのでしょうか。
そこで今回のコラムでは、人だけでなく、大学や企業、
エンターテインメントといった都市機能にも目を向け、
「集積」という視点から東京の現在地と今後について考えます。
まずは、最新の国勢調査から、
東京への人口集積がどのように進んでいるのかを見ていきましょう。
2025年10月1日時点の日本の人口は約1億2,297万人で、
前回調査時点の2020年からの5年間で約313万人、約2.5%減少しました。
一方、東京都の人口は1,423万7千人で5年前からおよそ19万人、1.3%の増加。
全国人口に占める東京都の「人口集積率」は、
2020年の約11.1%から、2025年には約11.6%へ上昇しました。
さらに、その傾向がより鮮明なのが20代です。
東京都の20代人口は、2020年の171万768人から、
2025年には194万5,105人へ23万4,337人増加しました。
全国の20代人口に占める東京都の割合も、
2015年の約13.1%から、2020年には約14.3%、2025年には約15.3%まで上昇しています。
東京では、全体の人口はもちろん、特に若い世代の集積が顕著であることが分かります。
その背景の一つとして挙げられるのが、「企業」の集積です。
総務省の統計調査「経済センサス」によると、
資本金10億円以上の会社企業の東京集積率は、
2016年の50.6%から、2021年には51.9%、2024年には52.3%へ上昇しています。
全国の資本金10億円以上の企業のおよそ2社に1社が
東京に所在しているのです。
また、資本金1億円以下の企業においても、東京への集積率は上昇傾向にあり、
2016年の14.6%から、2021年には15.6%、2024年には16.3%へ
上昇しました。
このように、東京には資本金規模の大きな企業だけでなく、
資本金の小さい企業も集まっています。
さらに、大学発ベンチャーについても、東京への集積が進んでいます。
経済産業省の「大学発ベンチャー実態等調査」によると、
2020年度に全国で2,905社確認された大学発ベンチャーのうち、
東京都に所在する企業は931社で、全国に占める割合は32.0%でした。
2025年度には、全国の大学発ベンチャーが6,220社まで増加するなか、
東京都は2,373社となり、その割合は38.2%まで上昇しています。
全国で大学発ベンチャーが増えるなかでも、
東京への集積率は高まっていることが分かります。
では、こうした大学発ベンチャーとも関わりが深い「大学」についての
東京への集積傾向はどのようになっているでしょうか。
文部科学省「学校基本調査」によると、
2025年度は全国の812大学のうち143大学が東京都にあり、
全国に占める割合は約17.6%です。
この割合は、2015年度17.7%、2020年度18.0%、2025年度17.6%と、
ほぼ横ばいで推移しています。
その背景の一つに、2018年から東京23区で大学の新設や収容定員の増加などが
原則として抑制されていることがあります。
一方、東京都内の大学に在籍する学生の割合は、
2015年度の約25.9%から、2020年度には約26.0%、2025年度には約26.7%へ上昇しました。
大学という「施設」の集積率は大きく変わっていない一方で、
そこで学ぶ「人」の集積は進んでいます。
収容定員の増加には制限があるものの、経過措置や一定の例外も設けられており、
大学数そのものが増えなくても、学生の集積は続いていると考えられます。
大学が集まり、学生が集まり、そこから生まれる新しい企業も集まる。
こうした連鎖も、若者を東京へ引きつける背景の一つと考えられます。
さらに東京には、仕事や学びだけでなく、文化やエンターテインメントも集まっています。
ライブやイベントをはじめ、多様な文化・娯楽に触れやすい環境も、
東京が人を引きつける都市機能の一つといえるでしょう。
このように東京には、企業や大学、文化・娯楽など、さまざまな都市機能が集積しています。
人が集まることで市場が生まれ、新たな企業やサービス、文化が生まれ、
それが再び人を引きつける。
こうした「集積がさらなる集積につながる構造」が、東京には形成されています。
では、東京における人口や都市機能の集積は、今後どうなっていくのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、
東京都の人口は2020年の約1,405万人から2040年には約1,451万人まで増加した後、
減少へ転じ、2050年には約1,440万人になると予測されています。
東京都もいずれ人口減少に転じますが、全国ではそれ以上に人口減少が進む見通しです。
日本の人口は、2020年の約1億2,615万人から、
2050年には約1億469万人まで減少すると予測されており、
全国人口に占める東京都の割合は、
2025年の11.6%から2050年には13.8%まで上昇する見込みです。
東京都の人口が減少に転じても、
全国に占める東京の「人口集積率」は高まる可能性が高いのです。
こうした人口集積を支えるのが、企業や大学、文化・娯楽など、
長い時間をかけて形成されてきた都市機能です。
東京では現在も再開発が続いており、こうした都市機能の蓄積は、
今後も人を引きつける基盤になると考えられます。
人口減少時代の不動産投資では、単に「日本の人口が減る」という事実だけでなく、
その中で人がどこに集まり、その集積を支える都市機能がどこにあるのかを見ることが重要です。
最新の国勢調査と将来推計からは、全国的に人口減少が進む一方で、
東京への人口集積が続いていることが分かります。
不動産投資を検討される方は、「人」と「都市機能」の集積から、
将来の賃貸需要を考えてみてはいかがでしょうか。
日本財託 マーケティング部 セールスプロモーション課 K・R
◆ スタッフプロフィール ◆
大阪府熊取町出身。
マーケティング部でセミナー企画、ホームページ運営、メールマガジンの執筆を担当。
「東京・中古・ワンルーム」の魅力を多くのお客様に伝えています。
せっかくのシルバーウィークに発熱してダウン。
楽しみ切れなかったことは残念ですが、苦い経験も後から良い思い出になると切り替えます。







