私の原点となった言葉
2025/06/05
九州旅行を楽しむI・Fさん
大学1年生の10月に塾講師のアルバイトを始め、約3年間勤めました。
小学生~高校生まで幅広い生徒が通う、
受験のためというより、成績を上げることを目的にした塾です。
3年間で、たくさんの生徒を担当しましたが、
中でも、ひときわ印象に残っている生徒がいます。
中学3年生の女の子Aさんです。
講師になって初めての担当で、受験まで伴走した生徒でした。
彼女はとても控えめな学生で、
授業中もほとんど自分から発言することはありません。
「ちゃんと説明できているだろうか」
「この子の力になれているのだろうか」
不安に思うことも多かったのです。
しかし回数を重ねるうちに、少しずつ笑顔が見えるようになり、
距離が縮まっていったのを覚えています。
楽しく学んでいる姿を見たり、
成績が伸びていく過程を共にしたりする中で、
手ごたえを感じるたびに、講師としての自信が積み上がっていくようでした。
そして迎えた3月、受験結果の発表の日。
わたしのもとに届いたのは、
思いもしなかった彼女の不合格の報告でした。
知らせを聞いたときは自分の力不足を痛感し、
「自分には向いていないのかもしれない」と、
講師を続ける自信さえ失いかけていました。
そんな時、彼女から一通の手紙をもらいました。
そこには、塾の時間がとても楽しかったことや、
受験期の彼女の精神的な支えとなっていたこと、
それから、最後に一言このように綴られていました。
『I先生でよかった。本当にありがとうございました。』
心の底から救われた気持ちになりました。
結果ではなく、「一緒に頑張った時間」そのものが、生徒の心に残っていたこと、
それは、私にとって大きな気づきでした。
そして、学ぶことの楽しさを誰よりも伝えられる講師でありたい、
目の前の生徒に人一倍寄り添える講師でありたいと
強く思った瞬間でもありました。
それ以来、生徒と信頼関係を築くことをより一層意識するようになりました。
ずっと座っていられない小学生から
授業中に寝てしまう勉強嫌いな中学生まで、いろいろな生徒を担当しましたが、
一人ひとりに合わせたコミュニケーションの取り方を模索。
そうして経験を積み重ねていく中で、
全国2000名を超える講師の中から、優秀な人材を選出する『全国100人の講師』に
選出され、賞状を頂くことができました。
生徒へ向き合う姿勢を評価してもらえたことがとても嬉しかったです。
大学卒業とともに塾講師を引退。
現在は、日本財託の採用担当として多くの学生と向き合っています。
ステージは変わりましたが、目の前の人に寄り添う姿勢は今も大切にしています。
仕事を通じて「この人と出会えてよかった」と思ってもらえることが、
何よりのやりがいなのです。
あのときの手紙の言葉は、今も私の原点として、静かに背中を押してくれています。
日本財託 人事総務部 I・F
◆ スタッフプロフィール ◆
神奈川県横浜市出身。
人事総務部に所属し、新卒採用と社員のキャリア開発を担当しています。
先日、二泊三日で九州を訪れました。
くまモンのぬいぐるみ片手に熊本・大分・福岡を巡ったのですが、
本物のくまモンには一度も会えませんでした。