異文化で学んだリアクションの伝わり方
2020/05/28
およそ3年前、中国語を習得するために、1年半ほど台湾へ語学留学をしていました。
私が通っていた学校では、3カ月に1度試験を行い、合格すれば次のステップに進みます。
ただし、不合格であればもう一度同じ授業を3カ月受ける必要があります。
そのため、定期試験に向けて、日々勉強に励んでいました。
学校には、アメリカやドイツ、イギリスなど、世界中から中国語を学びに学生が集まっていました。
様々な国籍の学生が集まったことで感じたことは、『文化の違い』です。
例えばクリスマス。
海外では、家族と過ごすことが一般的ですが、留学中ということもあり、学生たちで過ごすことになりました。
そんななか、イギリスの学生が、「ミサに行こう」と誘ってくれたのです。
すると、アメリカの学生が、「そこの教会の牧師は、どの国の人なの?」と問いかけました。
日本で言えば、お寺の宗派などと似たようなことでしょうか。
単に「教会」と、ひとくくりにはできない事情を垣間見ることができました。
また、「リアクション」についても、大きな違いがあることを知りました。
留学中に迎えた私の誕生日を、クラスメイト達がお祝いしてくれた時のことです。
私はドイツの友人から渡されたプレゼントの包み紙を破かないように慎重に開けていると、さっきまで笑顔だった彼の顔がこわばっていったのです。
『プレゼント嬉しくないの?』
「そんなことないよ!こんなプレゼントまでもらって嬉しいに決まっているよ」
『なんだ、驚かせないでくれよ!嬉しくないかと思ったじゃないか』
どうも話がかみ合わず、事情を聞いてみると、ドイツではプレゼントをもらって嬉しいときには、梱包をビリビリと勢いよく破って表現するとのこと。
逆に日本では、梱包などは破らずに、丁寧に開けることで感謝を伝える場面もあります。
「リアクションは少し大げさに反応したほうがいいよ」
彼の助言もあり、それ以降は、できる限り自分の感情を大きく表に出すようにしました。
現在の仕事では、オーナー様とお話しする機会も多くありますが、電話口では表情は当然見えず、こちらの感情や細かいニュアンスも伝わりづらくなります。
そこで、電話口だったとしても、口調を少し大げさにして抑揚をつけたり、相づちのリアクション大きめにするよう、工夫してきました。
語学留学を通じて、異文化に触れたことが、プライベートだけではなく、仕事の場でも生きています。
これからも、自分の考えや気持ちをきちんと伝えられるように、相手に伝わるコミュニケーションを心がけていきたいと思います。
日本財託管理サービス 管理部一棟ソリューション課
古木 周作(ふるきしゅうさく)
◆ スタッフプロフィール ◆
石川県金沢市出身の29歳。
管理部一棟ソリューション課にて、内装工事の進捗管理、図面や資料制作などを行っています。
リアクション以外にも、日頃から言葉を選んで伝えています。
例えば、エレベーターでドアを開けていただいときには、「すみません」と伝えるよりも、「ありがとうございます」と感謝を伝えるようにしています。
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