「突然やってきた『家族』」
2020/07/09
4年前、ふと立ち寄ったドン・キホーテに見たことのないUFOキャッチャーがありました。
そのUFOキャッチャーでもらえるのは生きた『熱帯魚』。
しかも飾られていた写真を見ると、『ファインディング・ニモ』で有名なカクレクマノミがもらえるようでした。
「これはやってみるしかない!」とは思いチャレンジすると、なんと1回でゲット!
鮮やかなオレンジ色のカクレクマノミを待っていると、店員さんが手に持っていた瓶には、あまり見慣れないまだら模様の入った黄色の魚がいました。
どうやら何種類かもらえる魚がいるようで、私のもとには『ミドリフグ』という、淡水と海水の境目に生息している数センチほどのフグがやってきたのです。
無下にはできず、瓶に入ったフグを家に連れて帰りましたが、小さいころに縁日でもらった金魚しか飼った経験がありません。
飼育方法調べてみると、水槽以外にも必要なものは、水温計やろ過フィルター、エアポンプ、海水の素など様々なものが出てきました。
合計すると数万円もかかってしまいます。
お小遣い制の私の財布からは、簡単には出せません。
翌日、前職の職場でフグを飼い始めたことを話してみると、自宅で水槽が余っている同僚がいるとの噂を聞きつけ、幸運なことに同僚のおかげで飼育環境を整えることができたのです。
しかし、飼育を始めてみると、なかなか大変なことに気が付いたのです。
海水の濃度を保つため、定期的に海水の素を足さなくてはなりません。
また、食欲旺盛なことから排泄物も多く、すぐに汚れがたまってしまいます。
最初は大変に思っていた世話も慣れてくると楽しいもので、その日の機嫌によって変わる体の色を見ながら、「今日は体が黒いから機嫌が悪そうだねー」と妻と話したり、フグの顔真似をしあったりと、妻とのコミュニケーションも増えました。
思いがけず飼い始めたミドリフグでしたが、我が家になくてはならない存在になりました。
飼い始めてから4年。
今ではだいぶ慣れたのか、私の手からエサを受け取って食べるほどに懐いています。
ふわふわと泳いでいる姿を眺めているだけでも、忙しく働くなかでの日々の癒しになりますし、夫婦のコミュニケーションの潤滑油にもなってくれ、まさに家族の一員です。
とはいえ、ミドリフグの寿命は5~6年ほど。
徐々に別れの時が近づいています。
UFOキャッチャーが繋いでくれた不思議な縁ですが、楽しく残りの時間を過ごしていきたいと思います
日本財託管理サービス 管理部一棟建物管理課
長坂 圭(ながさか けい)
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都八王子市出身の35歳。
一棟建物管理課にて、一棟建物の維持管理、入居者対応を行っております。
休みの日は主に釣り、ドライブを行っておりますがコロナの影響もあり、最近は家の中で、嫁の料理をつまみに日本酒を飲んでいます。