父が教えてくれた「後悔しない生き方」
2025/04/24
友人とショッピングを楽しむY・Sさん
「やりたいことがあるなら、今すぐやろう」
「大切な人には、素直に気持ちを伝えよう」
そう考えるようになったのは、
今から10年ほど前に父を亡くしたことがきっかけです。
私は、弟が1人、妹が2人の4人姉弟の長女として、賑やかな家庭で育ちました。
家族で遊園地に遊びに行ったり、家の中でかくれんぼをしたりと、
仲が良く、笑顔の絶えない明るい家庭の中心には、いつも父がいたのです。
平日は遅くまで働き、疲れて帰ってきているはずなのに、
よく母や子どものためにデザートを買ってきてくれたり、
週末は家族を車に乗せて外へ連れ出してくれたりする、家族思いの父。
父の存在が、当たり前のようにあって、
楽しく温かい何気ない日々を過ごしていました。
だからこそ、その「当たり前」が突然消えた時、
現実をうまく受け止めることができなかったのです。
父が倒れたのは、私が11歳の時。くも膜下出血でした。
その日、共働きだった母の代わりに親戚が小学校に迎えに来て、
弟と一緒にタクシーで病院に向かったこと。
病室のにおい。爪が伸びていた父のために母と病院の売店で爪切りを買ったこと。
かすかな記憶だけが断片的に残っており、
それ以外はほとんど思い出せません。
ただ、心に強く残ったのは、
「あの日、私は"行ってらっしゃい"と言えていただろうか」
「"ありがとう""大好きだよ"と照れずに伝えられていたのだろうか」
という後悔の気持ちでした。
10年以上経った今でも、父の命日が近づくと、
ふとそんなことを思っては、もう一度会いたくて涙が溢れてしまいます。
この出来事をきっかけに、今日という日は二度と戻らないという感覚を
無意識のうちに持つようになりました。
「後で時間ができたらやればいい」
「また今度言えばいい」
そうやって先延ばしにすると、きっと後悔が残ってしまうでしょう。
だからこそ、私はやりたいことは何でも挑戦して、
大切な人には感謝や愛情を、思ったときに惜しみなく伝えるようにしています。
それが、父が私に残してくれた生きるためのヒントだと思っているからです。
あの出来事がなければ、
時間の大切さや人とのつながりの重みには気づけなかったと思います。
この先の人生、きっと悩むことも、落ち込むこともあるでしょう。
そんなときでも、父が教えてくれた「後悔しないための生き方」を忘れず、
これからも家族や支えてくれる周りの人たちに向き合っていきたいと思います。
日本財託 コンサルティング本部 事務管理課 Y・S
◆ スタッフプロフィール ◆
東京都江東区出身。
コンサルティング本部事務管理課に所属し、コンサルタントの販売活動のサポートを
しています。
1カ月前から一人暮らしを始めました。この年になって2段ベッドから解放された喜びを噛みしめています。